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秘密の森シーズン2への雑感  秘密の森シーズン1への愛を込めて  

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秘密の森2 Forest of Secrets 2  全16話 (2020年 tvN)Netflix

3年ぶりに帰って来た「秘密の森シーズン2」やっぱり面白かった。
今見ているドラマを中断して一気に見てしまった。「秘密の森シーズン1」もういちど見てしまった。見た当時はそんなに凄いドラマだとは感じなかったけれど、今見るともうたまらない。シモク検事の無表情さにハン刑事の笑顔が忘れられない。「補佐官」もそうでしたが、国の為に?働く男のドラマって好きです。

▶︎ 簡単に「秘密の森シーズン1」の概要は…..

検察内部に蔓延する不正と、裏側に隠された財閥との癒着、巨大勢力に立ち向かう検察・警察の活躍を描いたサスペンスミステリー
ある殺人事件をベースにストーリーは展開しますが、「検察組織の闇」を裁くために、警察内部の汚職や不正行為に立ち向かう姿を描いています。
検察・警察VS巨大勢力と癒着する検察・警察

監督:アン・ギルホ 「秘密の森シーズン1」「アルハンブラ宮殿の思い出」「Watcher」「青春の記録」
脚本:イ・スヨン  「秘密の森シーズン1」「ライフ」

▶︎ 「秘密の森シーズン2」の概要は……

「検察・警察捜査権調整」という韓国内で現実にこの法律が制定されたというタイムリーな検察改革の大きなテーマを扱っていて、検察VS警察の主導権争いと、事件をめぐる対立を描きながら犯人を追い詰めていきます。でも最後に生き残るのは、巨大な権力組織・財閥の存在でした。

今までの法廷ドラマや、警察や検察が登場するドラマは韓ドラにはとっても多い。どのドラマを見ていても韓国の検察って日本より権力があるな〜とか、どうして財閥と癒着して甘い汁を吸う刑事や警察官が多いな〜とイライラすることが多かった。その理由を垣間見ることができたドラマでもありますね。

韓国では検察が捜査権と起訴権を独占している。日本では刑事事件の捜査権は警察です。
捜査を開始する「捜査開始権」、捜査の内容も把握できる「捜査指揮権」、操作を終了する「捜査終了権」、「捜査令状権」も韓国では検察が握っている。つまり韓国検察と警察の間にかなりの上下関係があるようです。

警察側は、何としてもこのタイミングで捜査権を獲得したい
検察側は、1954年から続く捜査権を守り続けて来たわけで、今更渡すことはできないのです。でも「検察の不祥事」が続く韓国内では、検討すべきという時代に入って来ていたのです。

だから巨大勢力・財閥や政治家と癒着する検察組織という構図ができるのか….納得できました❗️

でも背景組織、検察や警察の組織へ理解、シーズン1との関連性、登場人物への理解、シーズン2でおきた事件の複雑さへの理解とものすごくハードルの高いドラマ内容でした。チョ・グク事件のニュースの内容でよく分からなかったのが少しは解明できた感じです。

監督:パク・ヒョンソク 「むやみに切なく」「王女の男」
脚本:イ・スヨン  「秘密の森シーズン1」「ライフ」

シーズン2続投する登場するメンバーは…..

人より発達しすぎている脳によって過敏に反応しすぎてしまう症状が原因で、子供時代に脳の手術を受ける。その影響で、感情を失ってしまったファン・シモク検事。しかし、大人になり検事になったシモクは記憶力や判断力、洞察力などがずば抜けているので、人間関係は希薄だが、検事としては非常に有能だった。感情は、人との接着剤って言われています。それが無いのですから、人間関係が希薄になるのは当然ですが、そんな検事、ファン・シモク検事🔹チョ・スンウ

正義感が強く、人間味溢れる刑事。妥協を許さないハン・ヨジン警監、シーズン1での功績によって階級が上がったようですね。今回はロングヘアーで登場🔹ペ・ドゥナ

いつも権力を持った人に取り入ろうとするソ・ドンジェ検事🔹イ・ジュニョク

ハンジョグループの会長になったイ・ヨンジェ🔹ユン・セア

ソンムン日報社長キム・ビョンヒョンは、ハンジョの大株主で、イ・ヨンジェの元婚約者だったのですが、イ・チャンジュン西部地検次長検事に惚れたヨンジェが裏切られてしまったことをずっと根に持っている男🔹テ・イノ

警察・検察の周囲のキャストも継続
シーズン1では、西部地検刑事3部長検事だったカン・ウォンチョルは、東部地方検察庁地検長に🔹パク・ソングン

龍山署強力3チーム
チーム長ですが、シーズン1での不祥事で昇進できなかったチェ・ユンス刑事🔹チョン・ペス

シーズン1での活躍で昇進したチャン・ゴン刑事🔹チェ・ジェウン
パク・スンチャン🔹ソン・ジホ

シーズン2からの新キャストは…..

最高検察庁刑事法制団部長検事ウ・テハ🔹チェ・ムソン

国会法制司法委員キム・サヒョン🔹キム・ヨンジェ

警察庁情報部長・捜査構造革新団団長チェ・ビッ🔹チョン・ヘジン

シーズン1で登場し、シーズン2でも影を落としている人物

ハンジョグループの娘ヨンジェと結婚した西部地検次長検事イ・チャンジュン、最後は首席補佐官まで登り詰めました。検察内部の汚職とハンジョグループの癒着を暴露してシモク刑事の前で自殺してしまいます。圧巻の幕切れとなったシーズン1でした。そしてハンジョグループの会長イ・ユンボム、悪の巣窟、韓国社会は自分が動かしているという陰の大統領ですか…そう言えば「バガボンド」でもそういう役柄でしたねイ・ギョンヨンさんは。シーズン2でも陰の会長でした。娘ヨンジェに会長の座を奪われまいとして、腹違いの息子と戦わせるという設定になっています。でもこの争いが、結局は検察、警察の幹部が忖度して不正や揉み消し。殺人までも起こしてしまっている。とんでもない人間の姿をしたモンスターなんです。

西部地検次長検事イ・チャンジュン🔹ユ・ジョンミン

ハンジョグループ会長イ・ユンボム🔹イ・ギョンヨン

全体的感想として、シーズン1の方が、面白かった。「秘密の森」というイメージが顕著に現れていたから。

「法律に沿って人を裁く」ことを仕事にしているを描いたドラマはたくさん見たけれど、こんなに迷路にはまり込んだような先が見えないドラマなのに、画面に釘付けになってしまうのだろうか。登場人物全員が疑わしくなっていき、どんどん樹海のような太陽の当たらない鬱蒼とした森を彷徨い続けている感じのドラマでした。

そんなドラマで、感情に流されないシモク検事は、全ての人間を事細かく調べ上げて精査していく。でも感情に流されないシモク検事は、相手の顔の表情、話し方まで相手の感情をしっかり読み取るのです。シモク検事の無表情さは、検察官には必要なような気がしますが、他の検事が、あまりに感情的すぎるから、余計に際立ってしまうと言う設定のような気がしました。それを茫然と見る時のシモク検事の顔が笑えましたが。派手なシーンはないのに、淡々と進むドラマなのに、シモク検事には惹きつけられてしまった。

裁くのも人間、裁かれるのも人間、そこにはどんな間があってそうなるのか? 「秘密の森」に登場する悪人、怪物はどうしてそうなったのか?どこで道を間違えたのか?その人が生きていく中での選択がそうさせていくのか?生まれた時からの怪物はいない。

シーズン2は後半に入ってのスピード感とテンポはアップしたけれど前半が検察と警察組織への理解がないと難解で、ちょっと飽きてしまいました。
シモク検事は、冷静に勧善懲悪的な捜査をする検事でしたから、悪者は絶対に捕まるだろうと言う期待感を持ちつつ見続けドラマでした。でも、その検察VS警察のターゲットになるのは、結局は財閥と癒着している政治家や検事や警察官なんですよね。一般人は使い捨て状態でした。

ソ・ドンジェ副部長検事の拉致事件がずっと最後まで尾を引きました。なぜ彼が、上司に媚び諂ったり、財閥に取り入ろうとしたのは、最高検察庁勤務になりたかったからです。転勤のない安定した職場のようですね。シモク検事のように扶養家族がいないと自由で、周りを気にせずに検事の仕事だけに時間を費やすことができますからね。周りの検事は、みんな昇進するのも家族や自分のため、より良い生活を確保したいためで、それは当たり前のことですが、そのために悪に手を染めてしまう検事もいるのですからね。検事と言うだけで、相当優秀な人間の仲間入りしているわけですが、それにプラスもっといい職責・名誉欲・財力を与えてくれるのが、財閥ってことですかね。

警察庁情報部長チェ・ビッ、もっと活躍しそうと思ったのですが、なんか期待外れでした。

シーズン2でのキーマンとして登場したウ・テハ部長検事、小物でしたね。検事という風格が全然なかった。財閥の怪物の役柄の方が合っていたんのでは?    コソコソと上手く警察内部を渡り歩いてきた男にしか見えなくてね。事故を隠すために、回りを巻き込み、嘘を積み重ねて、自分の首をしめた馬鹿なやつでしたから。それに加担してしまったチェ・ビッ情報部長も、嘘の上塗りをし続け、それをヨジン警監に悟られてしまったのですから。

イメージって大切ですよね。シーズン1のキーマンは、西部地検次長検事イ・チャンジュンでしたが、風格が違いすぎました。検察の不正を暴くために(間違っているかもしれません。ハンジュグループの娘が彼に惚れて結婚をしたのはドラマでは語られていましたが、初めからそのために結婚したかどうか、でもそのように個人的には感じてしまっているのですが。結婚生活の中で、会長のモンスターに気がついたなんて、頭の切れる男なのにおかしいと思ったから。)、財閥の婿になった男。最後までプライドを捨てなかった。シモク検事がうらやましかったでしょうね。感情に流されない男が…… 男の悲しさと潔さを感じさせてくれたイ・チャンジュン検事でした。

ラブもなく、ただ淡々と捜査をするシモク検事とヨジン警監の、友情というか絆は、温かい温度が感じられて息抜きになりました。シーズン2では、検察VS警察ですから、お互いが、シーズン1のように事件を一緒に解決はできないのですが、シモク検事はなんかわかっていないような、ヨジン警監は、距離を置くようにしていましたが、その距離感がまたなんか可笑しかった。シモク検事にしてみれば、正確な捜査ができるのならば、力関係はどうでもいいわけなんですよね。感情に流されないってある意味疲れないかもしれませんね。

沈黙を望むものは誰もが共犯である………強いメッセージを脚本家が語られているようですね。テレビを見ている視聴者も、傍観者にはならずに、テレビに描かれたドラマの内容を我が身として感じ、考えて欲しいというということのようです。まあ、検察と警察と財閥と政治家の関係って、想像を超えている現状が今の韓国社会のような気がします。そして法の最高機関である検察を面白おかしく描く法廷ドラマが多い韓国社会ってどうなんだろうっていつも感じてしまいます。

こんな淡々としたドラマを飽きさせないどころか、画面に釘付けにする脚本と演出力に、そして演じられた俳優人の演技力に感嘆しました。シーズン3が楽しみです。あのハンジュグループはどうなるのか。助かったソンジェ検事は、どうなるのか。それまで、チュ・ソンウさん、ペ・ドゥナさん元気で頑張ってほしいですねヽ(^ω^)

ヨジン警監は、最後は再びあのオカッパヘアに…….でもウイッグのようでしたが。二人の笑顔が💖

 

 

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