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被告人への雑感

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被告人 Defendant 全18話(2017年 SBS)☆☆☆☆

演出 チョ・ヨングァン、チョン・ドンユン
脚本 チェ・スジン、チェ・チャンファン

ジョンウの家族関係
パク・ジョンウ(チソン)ソウル中央地検検事、殺人罪服役囚
ユン・ジス(ソン・ヨウン)ジョンウの妻
ユン・テス(カン・ソンミン)ジスの弟、ジョンウの刑務所の刑務官
パク・ハヨン(シン・リナ)ジョンウの娘

ジョンウを助けた人たち
ソ・ウネ(ユリ)ジョンウの国選弁護人
ソンギュ(キム・ミンソク)服役囚

ジョンウを陥れた人たち
チャ・ミノ(オム・ギョウン)チャミョングループ副社長、偽のチャ・ソノ
チャ・ソヌ(オム・ギジュン)ミノの双子の兄、チャミョングループ代表
ナ・ヨニ(オム・ヒョンギョン)ソノの妻
チャ・ヨンウン(チャ・グアン)ミノの父、チャミョングループ会長

地検の検事たち
カン・ジュニョク(オ・チャンソク)ジョンウの同僚検事、事件担当検事


チソンさんが選択されたドラマ、韓国では視聴率も良かったようですね。
でもある日気がついたら、殺人罪の服役囚になっていたなんていうキャッチフレーズを見て、なんか少し食傷気味になりながら視聴しました。
敏腕ソウル中央地検検事が気がついたら刑務所の中で、その上記憶喪失になっていて、妻殺しの罪まで。
なんかなんか暗いドラマって感じです。もともとあまりサスペンスタッチのドラマ弱いんですよね。
チソンさんがそんなダメージな役を選ばれたなんて……..

でも視聴し始めたら、とてもスピーディな展開と次回が気になるといううまいシナリオのせいで18回無事に視聴完了しました。
確かに前半は、もがき苦しむジョンウが描かれているのでダークな画面なんですが、洞窟の中でに光を追い求める真実さがガンガン響くので、気持ちは明るいのです。なんかそのたたみ込むような希望の光を追い求めるような展開の仕方に引き込まれました。

チソンさんの生き抜いて真実の光を知らしめようとする力強いオーラがこのドラマを成功させたのでしょうね。

テーマが財閥と正義との戦いが中心に描かれてたことで、刑務所とか殺人服役囚とか、脱獄とかの描かれ方がさらっとしていたのも個人的には見続けられた要因かもしれません。深く詮索しなければ大丈夫な展開です。
そういう意味では、あまりに現実離れしたストーリーなのです。

刑務所内のチソンさん以外の服役囚もみんないい人でした。ちょっとそんな人間のいい人が何で刑務所に??という疑問はスルー。
刑務所内の悲惨ないじめを描かれたらリタイアしていますね。

財閥御曹司の家族はお互いが信じられない状態で、この悲惨さがあのサイコパス?と言うより人間的な成長がないチャ・ミノのような化け物をこの世に存在させてしまっていました。財閥のチャンミョングループ会長、チャ・ミノの父親ヨンウンは、ミノを言葉の暴力や虐待をし続けていたのですね。モンスターペアレントが財閥2世モンスターを育ててしまったのです。その父親を乗り越えたい思いがこんな悲劇を招いた一因だと感じるストーリーでした。

財閥の御曹司のわがまま勝手な行動によって起こった殺人事件、それを隠すために回り回って正義の地検検事のジョンウが無実の罪を被されてしまうという展開は全く理不尽です。

その御曹司はオム・ギジュン演ずるチャ・ミノ、(チャ・ソヌ二役)陥れられた検事はチソン演ずるジョンウ。

韓国では最高の正義である地検検事でも財閥にはかなわないという状況。
財閥はありとあらゆる権利や権力、財力を駆使して自分たちの生き残りと繁栄を追い求めているという長く続いている状態を考えるとこのドラマは地検検事が正義のために戦う姿が共感を得たのだと思ってしまいます。

検事ジョンウの、ラストに言った言葉が物語っていますね。

俺たちは、上の者が手を出すなって言った人物を捕まえればいいんです

それにしてもチャ・ミノは財力でしか人を動かせない。自分の殺人の罪から脱げるために兄を殺してなりすますなんて考えられない。財界って色々な人との交流、つながりで持っています。兄の交流を全て掌握なんてできるはずがないのに。
いきあたりばったりで事件を起こし、計画的に動ける人間ではないチャ・ミノは逃げ続けられはしない。

ジョンウが脱獄したのも自分の正義を示すためだし(娘を助け出して)、彼はなくなった記憶を呼び起こし、つなぎ合わせて自分の無実を証明していく計画性がさすが頭脳明晰な検事というくだりは納得できましたね。


あらすじ

ソウル地検検事パク・ジョンウ(チソン)。彼はある殺人事件の犯人として財閥2世のチャ・ミノ(オム・ギジュン)だと確信するのですが、ミノは自殺を図り事件は終結にないますが、自殺したのは兄のソヌでした。ミノが兄を殺して自殺に見せかけ、ミノは兄のソヌに成り代わって生きていくのです。ジョンウは、実は自殺したのはソヌではないかと疑い始め、捜査を始めます。
ある日、ジョンウが目覚めるとそこは刑務所。彼は妻子殺しの容疑で判決待ちの状態でした。
そんなジョンウを検挙したのは、同僚で友人でもあるガン・ジュンヒョク検事(オ・チャンソク)でした。二人は10年来の友人でしたが、仕事に対する評価は常にジョンウが勝っていました。
そんなジュンヒョクは、ジョウンの妻子が殺される直前に、ジョンウの家を訪ねユン・ジスに会っていたのです。事件に巻き込まれることを恐れたジュンヒョクは自分に関係する証拠を隠します。時間の経過とともにジョンヒョクは自分の保身しか考えないような男になっていました。
なくした記憶を取り戻そうと必死になるジョンウですが、財閥の権力に操られた刑務所長やその部下によって酷い仕打ちを受けます。
地検の中でもジョンウの罪に疑問を持つ検事たちもいますが、どうしようもない状態でした。
ソ・ウネは、国選弁護士としてジョンウにちゃんとした裁判を受けさそうと証拠集めに奔走します。
ジョンウは妻子殺しという濡れ衣には、チャ・ミノの関与を強く感じ冷静にウネや応援してくれる検事たちの力を借りて正義に立ちむかうのです。


同僚のジュンヒョク検事、検事としては失格です。ジョンウが逮捕されたことで、自分が日の目をみる時が来たかもしれませんが、アメリカ派遣に入れるとか、なんか器の小さな人間でしたね。
きっとそのことわかっていたから、ジョンウにはジェラシーがあったかも。でも最後は彼も刑務所で反省の日々を過ごすわけです。

国選弁護士役のユリさん、なんか安心して任せられる真面目な弁護士さんを好演されていていました。

服役囚さんたちもみんないい人でした。
キム・ミンスクくんは、「太陽の末裔」「ドクターズ」ととてもドラマの中でも光る役柄ができる素敵な俳優さんに成長されていますね。一生懸命さが伝わってきてうるっとくる役柄のせいかもしれませんね、

チソンさんは素晴らしい熱演だとは思うのですが、記憶喪失に何度かなるのですが、なんか冷静な正義の検事だった時と対比して冷静さを失って暴れるという設定がなんともすっきりしませんでした。他の服役囚が穏やか過ぎたせいもありますね。最終話でミノから妻を殺したのは自分だと言われても堂々たる冷静さ、なんかあまりの冷静さにドン引きしました。「妻を返せ」なんて叫ぶかと思ったので。。

でも子役のシン・リナちゃんの可愛いさと演技力には脱帽です。チソンさん本当に可愛かったのでしょうね。
役柄のせいもあるでしょうが、チソンさんという個性より、ジョンウという人間性が前面に出る感じのドラマだと感じました。

最後まで悪あがきするチョ・ミノ。逮捕されても精神障害を装って逃げようとする様は滑稽でした。
最後は刑務所内の独房で精神を病んでいくんでしょうか。

ミノとソヌの妻であったヨニ、裁判でミノの偽りの精神病の仮面を剥がすために言った言葉がいかにも財閥の女性っていう感じでしたね。
ミノを「愛していました」息子はあなたの子でした。だから父親として罪を償えと。。。
もっと早く言ってあげればいいのに。自分の都合が悪くなっ時に自分の立場のために言った言葉、本当に身勝手な人達です。

正義が勝ち、悪が負けたという最後でなく、真実を追う求めた検事ジョンウが勝ち、悪の誘惑に負けたミノ、自分の弱さを権力、財力で隠し通そうとしたミノが負けたということですね。
韓国では、こんな悪い男は、地獄に行くのでしょうか。

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