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ビューティフル・マインド~愛が起こした奇跡~の雑感

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ビューティフル・マインド Beautiful Mind 全14話(2016年 KBS)

メディカルドラマ、ビューティフルマインド。

チャン・ヒョクさんの無表情で静かな演技が最高でした。

ドラマのポスターからわかるように静かな暖かさの伝わる医療ドラマです。サスペンスタッチで最初の数話は描かれていますが、チャン・ヒョク演ずるヨンオ医師の生身の人間に変化する模様のためのエピソードですね。
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チャン・ヒョクさん主演と知って楽しみにしていたドラマでした。
あのラッセル・クロウの「ビューティフル・マインド」のテイストからのドラマなのかわかりませんが、視聴後の感想としては心の闇を抱えた天才というテイストは似ているのかなと思いました。

『天才は天才ゆえに苦悩し、挫折し、それでも前に歩み続ける」

アメリカ版ビューティフル・マインドはノーベル経済学賞を受賞した天才数学者ジョン・ナッシュの半生が描かれていました。
2015年に交通事故で86歳で亡くなられています。
数奇な人生、運命、奥様とのラブロマンス中心の映画でした。現実はだいぶ違っていたようですが…..

チャン・ヒョクさんは「ありがとう」以来の白衣の医師のドラマです。

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ドラマのテーマは!

天才神経外科医のイ・ヨンオ、無表情で論理的で自信家で淡々と医者としての能力を発揮しますが、共感障害、人の感情を感じることができない反社会的パーソナル障害のある医師が、とてもピュアな女性ケ・ジンソン(パク・ソダム)と出会い、その感情に戸惑いながら人間性を取り戻していくストーリー。

ドラマの根源は!

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医師イ・ゴンミョン(ホ・ジュノ)は、ヨンオの幼少期に脳の手術を行いました。ヨンオの反社会的パーソナル障害は、幼少期に脳の手術を受け、その時の医療ミスで前頭葉に損傷をおった事で感情表現をできない人間にしてしまい、また相手の感情も共感できない人間になってしまったという事でドラマは進行します。その医療ミスの責任を感じてヨンオ(チャン・ヒョク)を養子にしました。
その障害を隠すため?にイ・ゴンミョンはヨンオにボディシグナルで人の感情を読み取れるように彼をプログラミングするというロボットのような人間に育ててしまったのです。父にコントロールされて成長してきてしまったというのがこれがこのドラマの根幹にあります。父との確執です。

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このホ・ジュノという俳優さんの顔は怖い。なんか暗い気持ちになってしまう。とても良い医師とは思えないな〜(余談ですが)

ヨンオ医師の勤めるヒョンソン病院模様は!

ヒョンソン病院は、医療技術や最先端の再生臓器の研究している病院という設定です。そういう病院は資金が必要です。そして権力争いも激しいでしょう。

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カン・ヒョンジュン(オ・ジョンセ)病院の評判を気にする理事で、絶対権力が欲しい男。

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チェ・スンホ(イ・ジェリョン)ヒョンソン病院でも重要な企画室長という立場がありながらも、もっと上が欲しい権力のためお金のためならばなんでもする無慈悲な男。この男が病院長を殺した犯人でした。

ヨンオ医師の同僚は!病院内の人間模様は!

 

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ヒョン・ソクジュ(ユン・ヒョンミン)胸部外科医師で、ジンソンの主治医であり片思いの相手でもありましたね。暖かく穏やかで理想な医師ですね。再生臓器の研究者でもありました。ヨンオが自分の肺をジンソンの肺移植する手術に最初は反対したけれども、ヨンオを助ける温情医師。でも肺移植手術は認められない違法な手術なので、医師でなくなることも覚悟しなければならない状況でした。彼もヨンオと向き合いながら、医師として人間として悩みながら成長する素敵な医師を演じられました。「純情に惚れる」では、あんな悪い男を演じていましたが、ここでは本当に優しさがにじみ出ていました。すごいな〜

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キム・ミンジェ(パク・セヨン)ヨンオの元恋人であり、自分の出世のためにヨンオを陥れた身勝手な女医。彼の反社会的パーソナル障害を病院内に暴露しました。

病院に勤める医師、看護師同士の人間模様、病院を経営する者と、医師看護師との人間模様、患者と医師看護師との人間模様、病院経営者と患者との人間模様、サスペンス風テイストでドラマは進行していきますが、その時のヨンオ医師の「行動」が、感情的に変化していくさまが、丁寧に描かれています。
チャン・ヒョクさんの表情の変化は、それを彷彿とさせてくれます。

ただ、すごいです!!!

でも各エピソードにヨンオ医師と父との確執を解明するヒントが、重要な位置を占めているとは思います。

父ゴンミョンに「お前は怪物」なんだと言われたヨンオ医師、なんてひどい人間なんだ。

ここで彼は精神崩壊をきたしてしまいます。それがジンソンとのふれあいに繋がり、彼の人間的感情の目覚めになるのですが。

イ・ヨンオ医師を目覚めさせた女性は!
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ケ・ジンソン(パク・ソダム)交通巡査課の警察官。純粋でまっすぐな正義感のある女性。暖かな人を包み込むタイプの女性でしょう。でも心臓に持病があり、ヒョン・ソクジュ医師に診てもらっている。彼の暖かさに触れて片思いしていたけれども、ヨンオ医師との出会いで、ヨンオを助けるようになり、それが愛に変化していく。ヨンオのある意味感情のないけれども医者としての純粋なところに触れたことが、発火点かな。でも医師としては完璧なヨンオの精神崩壊した時に、ジンソンに頼ってこられたら、心の優しい彼女が拒めることができないとは思いますよね。

正直なところ、このジンソンという女性は、パク・ソダムさんでなくてもよかった。

イ・ヨンオの人間性の目覚めというテーマからすればです

やはりチャン・ヒョクさん相手のラブロマンスのお相手には、パワーがなさすぎる。

ヨンオが、精神崩壊してジンソンに助けられることで、医師として新たな出発に踏み出します。
このエピソードも丁寧に描かれています。
自分の今までに感じたことのない感情にどうしていいかわからないヨンオを。
それを優しく包むジンソン。
チャン・ヒョクさんの表情の変化で納得させられます。
目力、表情、声のトーンで感じさせるなんて素敵です。
韓国の俳優さんは、そこがすごい。チャン・ヒョクさんはダントツですが。

韓国内で視聴率が低かったようですが、「ドクターズ」に比べれば、ラブロマンスのある医療ドラマでは、無理でしょう。
「ドクターズ」は医師同士のラブロマンス、「ビューティフル・マインド」は、ヒューマンドラマでしょう。
なので、ラブを期待しても無駄。あくまでもラブは、ドラマのトッピングみたいな感じだと思いました。

イ・ヨンオ医師の反社会的パーソナル障害は、父ゴンミョンの手術ミスではなく、レントゲンの取り違え、つまりある意味医療ミスでした。しかしゴンミョンは自分の過失を封じめるために、プライドのためにヨンオをコントロールしました。結果、感情表現ができない、ボディシグナルからしか相手の感情を読み取れない人間、医師となってしまった。

でも父ゴンミョンをヨンオは許しましたね。医師としては理解できるからと。

このドラマは、最後に感じるテイストは、暖かくて優しいヒューマン医療ドラマ。

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こんなチャン・ヒョクさんの傑作が、評価されないのは悲しいです。

「大丈夫、愛だ」も私の大好きなドラマですが、こんな優しくて人間的なドラマもやはり、精神崩壊がテーマでした。

どちらも忘れられないドラマです。

製作社側の(KBS)の理由からか14話に変更されてしまったのが残念です。DVDではノーカット版でないでしょうかね。

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