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Watcher <ウォッチャー> 役者ソ・ガンジュンssiに👏

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Watcher<ウォッチャー> 全16話  (2019年 OCN)

始まりは、ちょっと退屈しましたが、4話以降とっても面白くて、見応えのあるサスペンスドラマでした。

きっとソ・ガンジュンさん目当ての方か、ハン・ソッキュさん目当ての方が、このドラマを選びますよね。サスペンスがお好みの方か。
お二人にも増して、紅一点のキム・ヒンジュさんがとってもよかった。
大人の女で、頭脳明晰で、理性的で男にも引けを取らない根性のある弁護士役を、スマートにかっこ良く演じられました。42歳。チェ・ジウさんと同じ世代。スタイルも良くて、透明感のある女優さんですね。

ハン・ソッキュ、キム・ヒンジュ、ソ・ガンジュンさん、この3人が、このドラマの主役でした。

「WATCHER(ウォッチャー)」監視者!

「悪を監視する組織」捜査組織、警察の不正を監視する「内部監査部署」がこのドラマの舞台です。

演出:アン・ギルホ 「秘密の森」「アルハンブラ宮殿の思い出」
脚本:ハン・サンウン「グッドワイフ」

キャスト

ハン・ソッキュ=ト・チグァン   セヤン地方警察庁監査班班長
キム・ヒンジュ=ハン・テジュ   刑事犯罪専門弁護士、元検事
ソ・ガンジュン=キム・ヨングン  セヤン南部警察署交通機動隊警察官からセヤン司法警察庁監査班班員に移動
ホ・ソンテ=チャン・ヘリョン   セヤン地方警察庁広域捜査隊班長
パク・ジュヒ=チョ・スヨン    セヤン地方警察庁監査班班員
チュ・ジンモ=パク・ジヌ     セヤン地方警察庁次長
キム・スジン=ヨム・ドンスク   セヤン地方警察庁長官
アン・ギルガン=キム・ジェミョン ヨングンの父 元刑事
パク・フン=ユン・ジフン     ハン・テジュの元夫・弁護士

あらすじは……….15年前の事件の真相とその事件を発端にした警察組織にはびこる不正を追及するサスペンスです。

15年前、ヨングンは、父親が母親を殺した犯人だと証言しました。しかし、その時の記憶にある人物は….
その事件の真相を求めて生きています。

チグァンは、警察内部の不正を追及する監査チームを、一人で立ち上げました。

テジュは、新人検事の時に、ヨングンの父親の事件を担当しました。判決の後に無罪の可能性を捨てきれずに再捜査をした時に、猟奇的な者に脅かされて親指を切られてしまいました。今でもその光景がフラッシュバックされてテジュはトラウマから抜け出せないでいました。その彼女の15年前の真相を追い求めるのは、その犯人を突き止めることでした。

3人は、過去に15年前の事件で偶然なのかチグァン率いる「内部監査部署」でチームとして行動を共にすることになります。
でも3人の目的は違う。

  • ヨングンは、父親が母を殺した事件の真相と、その時に目撃したと思っている刑事が、自分の記憶違いではないかと探る為に。
  • ハン・テジュは、もちろん自分を襲った犯人への復讐する為に。
  • チグァンは、警察官の不正を暴き、その者たちを捕らえて、警察官の秩序を取り戻す為に。

でもこの3人は、暴走型のヨングン、頭脳派のテジュ、警察内部での取引をするチグァンなので、それぞれの目的のためにチグハグなチームとなっていました。

テジュは、元検事の感と、刑事事件専門の弁護士という頭脳を持ち合わせていますが、心の中は、犯人への復讐心で満ちています。表面は冷静に行動していますが、肝心な時は、その復讐心で行動してしまいます。
チグァンも、心の中が読めない。ハン・ソッキュさんが演じるのですから、なおさら含みのある表情や言葉が多いので、彼は誰を裁こうとしているのかさえわからなくなります。警察内部の人間は全て疑っているようには思えますし、皆さん裏があるようで、信用できる人がいないような警察内部です。

狂気的な殺人犯、親指を切り捨てるという犯行、その犯人は、そして裏で糸を引いている黒幕は誰なのか?

その黒幕と、犯人は身近にいました。

緊張感の漂うエピソードばかりで、この脚本の綿密さがよくわかります。

まずは、誘惑事件のエピソードで、広域捜査班のチャン班長の右腕の警察官キム・ガンウンが殺人を犯し、不正警官であったこと。そのガンウンもチャン班長がヨングンの目の前で射殺するというすごーく怖い流れです。(チャン班長はガンウンから秘密がばれるのを封じるために殺したのですが)
臓器売買のエピソードでは、検事長とパク警察庁次長が繋がっていることが判明し、ムイル裏帳簿事件のエピソードでは、ハン・テジュの追い詰める狂気の殺人犯の正体が「亀」と呼ばれ、15年前の事件と関係があることが明らかにされてきました。
その「亀」と呼ばれる殺人犯は、「チャンサ会」という組織のメンバーであったことが判明しました。
「チャンサ会」とは、元警察エリートが組織し、司法で罪を償わせることができない事件の犯人達を、処刑してしまおうとする過激な警察官の集まりでした。
その凶悪な処刑をする警察官を「亀」と呼んでいたことがわかりました。
その「亀」は一人ではなく15年間続けられているということは、それに加担した警察官が何人もいるということです。
その「亀」は、「人間を人間たらしめるものは何か?」という問いを、投げかけ、相手を服従させるような脅しを続け、最後は凶悪な手段で殺害を試みた集団でした。

そこで新事実!

その1、「チャンサ会」を始めたのはヨングンの父親だった。
ヨングンの父親が、どういう思いでこの秘密組織を作ったかはあまり説明されていません。
ただ、捜査機関、司法で暴けない権力の鎧を被った奴らを懲らしめるために作った組織のような気がします。

その2、仮釈放で出所したヨングンの父親は何者かに殺されます。その目的はヨングンの父親の持っていた「ムイル裏帳簿のデーター」。
それをヨングンに託したのです。そのデータを見たヨングン。

その3、ヨングンの母親の死は、父親ではなく、当時、そのデータを欲しがっていたパク警察庁次長が、チャン班長に奪い取るように指示したのです。チャン班長は母親ともみ合いとなり、その結果刃物で誤って母親を刺してしまった。その現場を目撃したヨングンは恐怖からその記憶を消し去ってしまっていた。

その4、その後15年もの間、「チャンサ会」はパク警察庁次長が、ムイル財閥や、臓器売買のグループからお金を吸い上げたり、押収した麻薬を横流ししたりして、私腹を肥やすために使われていました。それを知る警察内部者にも便宜を図っていたのです。

その結果!

「チャンサ会」のパク警察庁次長は殺害されました。チャン班長は、ヨム・ドンスク警察庁長官に指示されて「チャンサ会」の秘密を探られない為にパク次長を殺害、そのチャン班長は、ヨングン、チグァン班長らに捕まりました。警察と司法組織のシステムを利用しながら大きくなった「チャンサ会」。パク警察庁次長だけはなく、そのシステムを利用していた警察、司法内部の人間がいる事はチグァン班長は承知していました。ドンスク警察庁長官とも取引をしていたのです。

ただ、チグァン班長の思いは、「警察内部の悪者を罰する事」でした。正義をかざして、正義の名の下に「チャンサ会」のように人を殺めた抹殺したり、利益を得たりする人間たちが許せなかったのだと思います。警察組織を守りながら、組織の秩序を正していく事をしようとするチグァン。そういうチグァンを理解しようとするヨングンとテジュ弁護士。

正義とは、ある者にとっては正義であっても、それがそうであるかどうか分からない。第三者の目で見守っていくことが必要である。と監査者チームは考えます。

「WATCHER」監視者は、誰が監視するのか?

チグァンを監視するヨングン、ヨングンも誰かに監視される必要がある。

そうでないと捜査機関は、司法は公平、正義を保てないということでしょう。

何を信じるべきか。自分の行いは正しいのか。常に第三者のレイヤーを通して見ることの大事さも語っていますね。

ソ・ガンジュンさん、今までのドラマとは全然違うジャンルへの挑戦でしたが、すごく良かったです!ラブロマンスなくてもしっかりいい味出しています。こういう役もいいですね〜

ハン・ソッキュssi、「浪漫ドクターキム・サブ」でも味のある医師を演じられていましたが、彼自身の資質が、きっとこういう生き方をされている方だと思っています。優しいそうだけれども、奥には深い悲しみを背負っているような男、強くて揺るぎない男のように見えるけれども、ふっと見せる弱くて寂しそうな男。魅力的な男性ですよね。

キム・ヒョンジュさん、とっても素敵で綺麗な女優さんだと再認識しました。「家族なのにどうして」「花より男子」では、かっこいいお姉さん役でしたが、今回のハン・テジュ弁護士は、爽快で理知的で、それでいて複雑な女性の気持ちをかっこよく演じていました。すごい女優さんなんですねΣ(・□・;)

素晴らしいドラマは脇役の方々とのバランスが絶妙だからでしょうね。

内部監査チームのスタッフの一人、鑑識課から転属してきたチョ・スヨン(パク・ジュヒ)さん。「黄金色の私の人生」で、出演されていたけれど、全然イメージの違う役だったから、同じ女優さんとは思わなかった。
ヨングンとの相性が兄、妹みたいなような信頼している、尊敬している関係ですごく可愛かった。
でも、本当はドングン警察庁長官から、チグァン達監査チームの動静を報告する仕事をさせられていたのですけれど。
結局、監査チームも監視されていたのです。

ハン・テジュ弁護士のボディガードの黒眼鏡のジェシク、彼女の元夫など、曲者揃いの方々でしたが、それなりの存在感がありました。

でも元夫のエピソード必要なかったと、思っているのですが……「アルハンブラ宮殿の思い出」のあの方のイメージが強すぎて。今回も悪に身を染めてしまった男の役でしたが。

ドングン警察庁長官もずる賢い輩の一人です。チグァン班長も全てを赤裸々にはできない。国会議員になるとか。パク次長の「チャンサ会」の全てを知っていて沈黙守っている一人ですからね。

内部監査チームの追っていた真相の黒幕は、「チャンサ会」。
司法で裁けない悪を、裁く、処罰するために作られた組織でしたが、人が人の罪を裁くという事の、正義を取り違えていき、「チャンサ会」の権力者にとって邪魔者を残虐な殺し方をしてしまう、ただのサイコパスな殺人集団となり果てていました。「壮子会」であったのが「商売会」になってしまった「チャンサ会」。(韓国語でらしい)

チグァンが、「チャンサ会」を追い詰める為、悪人を追い詰めていく姿、「自分が正しいと思ったことをする。それが正義だと思った事はない。悪い警官を捕らえるだけ」という姿が、恐ろしく感じました。そうです。一つ間違えば、彼も「チャンサ会」と同じようなことをする警察官になってしまうのです。

そのことに気がついたヨングン、テジュ弁護士。

チグァンに、ヨングンは、班長を見守ります。

そんなヨングンの姿を頼もしく思うチグァン。

「WATCHER」監視者は、誰が監視するのか?

ドラマの前半は、ヨングンの猪突猛進型の真相を追い求める個人行動に振り回され、テジュ弁護士も理性的に振る舞いながらも「亀」に復讐する為に勝手な行動をしてしまう。それを冷静に判断して行動するチグァンという感じでしたが、後半になると、テジュ弁護士は、身勝手さのために「亀」が捕まえられないことを知ることになり、ヨングンと行動を共にするようになります。ソン・ガンジュンさんのヨングンは、若気の至りという無防備さはありますが、その純粋さに、テジュもチグァンも守りながら、真相を追い求める姿に変わってきましたね。

ソン・ガンジュンさん、ハン・ソッキュさんとキム・ヒンジュさんという先輩方と引けを取らない演技に拍手です。優しいオーナー、初恋を忘れられない純粋な男、わがままな俳優役とか、ビジュアル的なイメージが先行する役柄を演じてこられましたが、今回、俳優さんとしてかっこいい姿を拝見できてうれしいです。

韓国の捜査機関、司法が描かれるドラマは、とにかく不正の温床ばかりです。
思う事はいつも同じ、韓国の司法関係者、捜査関係者、大統領府関係者は、なんとも思わないのかしら???

サスペンスドラマの方が、面白いですこの頃は。次回が気になりますね。このドラマ確かにサイコパスな殺人事件が、殺人シーンが出てきますが、そういう場面より、人間の欲にフォーカスしているところが、深みを持たせています。ただのサイコパスなドラマではない、重厚さを………..

最終回が、とってもわかりやすく、このドラマの概要を語っていましたね👏

 

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