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バガボンド<Vagabond> スリル感&ハードボイルドさタップリ!

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バガボンド Vagabond 全16話 (2019年 Netflix)

久しぶりに面白くて映像もOSTも素敵なドラマに出会えました。でもラブロマンスではなくてスパイ×アクション×ミステリー?ドラマ。飛行機事故の真相を追っていくハードボイルドアクションドラマ。

国際的政治犯罪に絡む国家の不正を暴く!!ドラマです。

企画期間4年、制作期間1年、制作費250億ウォン(約25億円)が投資された作品、視聴してから知りました。映画みたいなシーンが多くてスケールの大きさは感じましたが、こんなにかかっていたのか。それも16話もあって、そしてエンディングは、次回が見たくなるというこの展開にショック。次作に続けるとしても、中途半端では期待に応えられないでしょうから、スタッフも大変ですね。

民航旅客機墜落事故に巻き込まれた一人の男が、隠された真実の中で見つけた巨大な国の陰謀の真相を暴く過程を描く。家族も所属も、名前すらも失った“放浪者(バガボンド)”たちの、危険で赤裸々な冒険が繰り広げられるスパイアクションドラマ。(ドラマの概要から引用)
恋愛要素もあるのですが、二人がお互いの存在の大切さを感じていく過程を描いているのですね。イ・スンギssiとスジさん、お似合いでした。はじめてスジさんが表情豊かで可愛く見えました。

最初から引き込まれましたが、イ・スンギssi演ずるチャ・ダルゴンがあまり頭の良さそうな雰囲気がないので少々がっかりしていました。スタントマンといっても危ない仕事だから稼げるからというのが理由のようでしたからね。育てている甥っ子フンの為にも頑張っているのはわかりますが。あれだけ身体を作り上げていて、貧乏っていうのはボクサーのようです。でも心は純粋で真っ直ぐな青年という設定が必要だったのではないかと。そうでないと甥っ子の飛行機事故を身体をはって真実を探り出そうとするエネルギーは生まれてはこないかもしれません。そして守るものがない人間、責任のある世界で生きていない設定も必要でしょうね。しがらみがないから猪突猛進になれるバガボンド。

脚本:チャン・ヨンチョル&チョン・ギョンスン「ジャイアント」「お金の化身」「モンスター」「奇皇后」
演出:ユ・インシク 「ジャイアント」「お金の化身」「君たちは包囲された」「浪漫ドクターキム・サブ」
「君たちは包囲された」でイ・スンギさん出演されています。あのドラマも面白かった。刑事ドラマでした。この監督さんのドラマは、泥臭い人間達が、強く生き抜く這い上がる人生を描くのがお好きなようです。
映像監督:イ・ギルボク 「星から来たあなた」「浪漫ドクターキム・サブ」
「ジャイアント」「奇皇后」とは、じっくり型の成功ストーリーがお得意の方々と、映像監督さんは、「キム・サブ」の方とは、なんか納得できる作品に仕上がっているはずですね。「キム・サブ」の映像は医療ドラマにしてはとてもロマンティクでしたからね。

あらすじは………………………………….複雑すぎて( ͒˃̩̩⌂˂̩̩ ͒)

スタントマンの仕事をしながら甥のフンと二人で幸せに暮らしていたチャ・ダルゴン(イ・スンギ)だったが、ある日旅客機の墜落事故によりフンが亡くなってしまう。政府は墜落事故が機械トラブルが原因と発表するが、ダルゴンはフンから機内の動画が送られてきていたのですが、それをよく見ると、怪しい男が写っていて、墜落事故はテロではないかと疑う。空港ですれ違った男が甥のフンが残した動画の男だと気づいたダルゴンは、その人物を追い始める。
一方、国家情報院NISの捜査官コ・ヘリ(ペ・スジ)は、モロッコである事件の潜入捜査をしていて、ダルゴンと出会う。ダルゴンはヘリにフンが残した動画を渡し、犯人を探して欲しいと頼む。ヘリは、ブラックボックスの映像を調べ、副機長の電話の会話と動画の怪しい男の電話の会話内容が一致することに気づき、機内墜落事故がテロによるものと確信する。
二人は、不審な飛行機事故の真相を追うが、その背後には、巨大な組織と陰謀が隠されていた。とにかくその陰謀が複雑で影の黒幕がものすごい力を持っているので、もう少しのところで全て水の泡となってばかりです。そんな状況の中で、ダルゴンとヘリは、真実を追い求めていきます。

キャスト…………主要人物だけといってもこれだけいる

イ・スンギ=チャ・ダルゴン  スタントマン

スジ=コ・ヘリ  国家情報院の要員

シン・ソンロク=キ・テウン 国家情報院のチーム長

ペク・ユンシク=チョン・グクピョ 大韓民国大統領
ムン・ソングン=ホン・スンジョ  大韓民国首相
キム・ミンジュン=ユン・ハンギ  大統領首席補佐官
デェ・グアンイル=パク・マニョン 国防部政策室長

イ・ギヨン=カン・ジョンチョル  国家情報院心理情報局長
チョン・マンシ=ミン・ジェシク 国家情報院7局長
ファン・ボラ=コン・ファスク   国家情報院7局スタッフ
キム・ジョンス=アン・ギドン   国家情報院長

イ・ギョンソン=エドワード・パク DKPの首長 ロビイスト
ムン・ジョッンヒ=ジェシカ・リ ジョンエンマーク社アジア担当社長 ロビイスト
キム・ジョンヒョン=ホン・スンボム 国際弁護士・ジェシカ・リ社長の相棒…と思いきやエドワード・パクの回し者

ユ・テオ=ジェロム テロリスト

チャン・ヒョンシク=キム・オギ 副操縦士
赤字の人は、裏切らなかった人と思いましたが….


撮影が、ポルトガル、モロッコ、スペインで行われたそうですが、すごいダイナミックなシーンが多くてびっくりです。
外国でこんな派手なアクションシーン撮れましたね。と感じる始まりのシーン。
スリル満点というか、アクションシーンの迫力はすごいとは思いますが、ちょっとやりすぎ感も感じました。スタントマンだけれど、こんなに動けるの?グリーンベレーじゃあるまいし、なんて思いながらも……

韓ドラあるあるの編……….二人が雰囲気のある場面の車は、どうして赤なのか?
「ボーイフレンド」「太陽の末裔」

一方スジさんは、大人になった女という面と、ダルゴンといる時の子供っぽい可愛い女と、スパイ要員としてのハードさを演じ分けてこういう方がお似合いだと思いました。ラブロマンスでベタベタのドラマよりも….

人間の仮面を被った強欲な人物ばかりで、登場人物が誰でも怪しい。
飛行事故が発覚した時のシーン、大統領府、青瓦台での大統領と側近の様子がなんかリアル。「セウォル号事件」たくさんの一般の人々が犠牲になった事故を思い出しました。
国家ぐるみの陰謀、その背景には、影の実力者がいる。その影の実力者は、大統領も動かせる力の人物であり、その人物はダルゴンやヘリの近くにいいる。
そんな権力支配、捜査関係者をも支配する勢力が存在する作品ですが、これって、韓国の現実の社会的批判や政治批判を彷彿とさせる設定ですね。なんかこういうドラマが多いな〜
そんな中でもクオリティの高い作品には仕上がっていると思いますが。
「KILL IT」「WATCHER」臓器売買を扱っていましたが、韓国って現実にこんな事起きているの….日本ではまさかぁ?

この作品の凄いやり手の女社長、ジョン&マーク社のジェシカ・リ社長は、戦闘機の落札を有利にする為にこの飛行機テロを計画しました。テロに気づいたチャ・ダルゴンを消すため殺し屋(キラー)雇ったり、心臓発作を起こす薬を使って彼を殺害する計画も立てます。全てはここから始まるのです。でも彼女も、踊らされてた人間の一人でしたが。
ヘリがテロと築き、ブラックボックスでの会話を精査すると副機長と怪しい男との会話がマッチすることがわかりますが、それすらも全て相手側に伝わってしまっています。国家情報院の情報が全て筒抜け状態だったのです。

国を司る大統領、首相もそれぞれの思惑があってそれぞれのルートで情報を入手しています。お互いを牽制しあっているようですね。
国家情報院の情報はテロ側に筒抜け状態、捜査機関も権力に屈しているのかまともな動きをしていません。
韓ドラのこういうジャンルのドラマを見るたびに、イライラさせるというかここまで無能さと、権力闘争とお金に執着する人間が国家の中枢に存在していることを描くことに抵抗はないのでしょうか。

人間の弱さに漬け込む手段を武器にする輩ばかりです。

その中で奮闘する、感情で突っ走るスタントマンと決して優秀ではない国家情報院の要員。

米国のこういうジャンルのドラマにはないタイプ、スマートではなくて感情的な人間を配したのはやはり韓ドラだからですかね。
イ・スンギssiは、ある瞬間非常にスマートなスタントマンにも見えるのですが、それ以外の表情は、どこかの気の優しいお兄ちゃんのような風情でした。そこがこの世知辛い内容のドラマには必要だったのかも。それが韓ドラの良さかもしれませんね。
「ジャッキーチェン」がダルゴンの憧れの的とか、なんか想像すると笑ってしまいます。

でも回が進むにつれて、さっきまで信用していた人が、裏切っていることの繰り返しで、悪いサークルに入っているような気分になりました。
とにかく、ここまで大統領、取り巻く人間を悪者にしていいものでしょうかね。国家情報院、捜査機関も権力にひれ伏す人ばかりを描いて大丈夫なのでしょうか。

「サマエル」と呼ばれるこのテロの本当の黒幕であり、影の大統領は、エドワード・パクだとわかった時にはやっぱりと思いました。でも彼はブラック要員も、大統領も捜査機関も全て動かせることのできる力を持っているのです。表には出ないで韓国を操れる男です。こういうアクションヒーローの相手は、影の黒幕を倒すことですからね。

この「サマエル」にたどり着くまでがこのドラマのほとんどです。ダイナミック社のエドワード・パク。
ジョン&マイク社を影で操り、そして潰し、本来の目的である次期大統領を思いのままに操ろうとする陰謀を計画していた男。
その配下にはNISの要員もいました。

そしてそのサマエル、エドワード・パクを追い詰める過程で、ダルゴンは殺されてしまう。本当は助けられていたのですが。そして本当の「ブラックサン」の要員になって真相を追い求めていく。ヘリは、ダルゴンが殺害されたと確信して、彼女もその真実を追い求める為に、ロビイストになってモロッコへ行く。

それが最終回の場面。そしてその場面が1話の最初の場面と重なります。

この作品、確かにイ・スンギssiでなければ見なかったかもしれない。

この作品は、内容がリアリティがあって、面白かった。俳優陣がとても良かった。その中にスンギssiとヘリさんがいるといった感じがしました。
チームワークが良かったというか、重厚に出来上がった映画のようなビジュアル的にも評価の高い作品だったと思います。

次作を期待します。でもあの影の黒幕は、絶対生き残りますよね。
「サマエル」を失脚させる手段は、なんのか?
全てお金で動く政府高官たちを追い詰めるには、やはりお金なのか?

 

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