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シグナル 〜時間を超えて深くなる絆

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シグナル Signal 全16話(2016年 韓国tvN)

時間を超えて深くなる絆。

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過去の刑事と現在の刑事が古びた無線機を通じてPM11:23に話し合うことって現実にはありえないことですが、このタイムスリップというか時空を超えながら迷宮入りした未解決事件をミステリータッチと、サスペンスタッチで描く犯罪捜査ドラマです。

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未解決事件を追っている最中に失踪してしまったイ・ジェハン=過去に生きる刑事

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未解決事件を専門とするプロファイラーのパク・ヘヨン=現代に生きる警部補

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ジェハン刑事の後輩であり、ヘヨン刑事にとっては先輩にあたるチャ・スヒョン刑事
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この3人が、1980年代から2015年までを行き来して事件を解決していきます。

過去を変えてしまうと未来が変わってしまう。未来を変えると過去がかわってしまう。

キム・ウニ作家のクライムサスペンスドラマ、犯罪捜査ドラマに必要なスピード感と集中力、没入感がすごいです。
「ファントム」「サイン」「スリーデイズ」すべて視聴しましたが、どれも驚きの展開がありました。
この「シグナル」は、6つの事件で構成されていますが、すべて違う事件なのですが、終盤には密接に関係しあっていることに驚かされます。
「嘘」をつくとその嘘の上塗りをしないと最初の「嘘」がバレます。でもどんなに嘘が変化しても根底ではつながっているという感じです。

この「シグナル」は長期未解決事件をという重い題材を扱っています。
どんな未解決事件も、諦めなければ、未来は変わる。それを信じて奮闘する刑事ドラマなのです。
どうしても過去と未来を行き来するという設定のストーリー展開ばかりに目がいってしまいますが、このドラマは骨太な刑事根性ドラマなんですよ。


演出 キム・ウォンソク「ミセン-未生-」「トキメキ☆成均館スキャンダル」「シンデレラのお姉さん」
脚本 キム・ウニ「サイン」「ファントム」「「スリー デイズ~愛と正義~」「冬のソナタ」

出演者
イ・ジェフン(パク・ヘヨン役)
キム・ヘス(チャ・スヒョン役)
チョ・ジヌン(イ・ジェハン役)
チャン・ヒョンソン(キム・ボムジュ役)
チョン・ヘギュン(アン・チス役)


最初の場面に出てきた女の子、愛らしい少女でした。その少女を拉致して殺害した事件から始まります。

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「ボーンズ」「クリミナルマインド」を彷彿とさせる場面もあります。「骨」から犯罪を紐解く。「プロファイラー」が犯罪を予知したり解明する。そこにある犯罪の証拠としての骨から、今までの経過を立証する。犯罪の起きた場所の遺留品などの物的証拠から立証する。すべて過去なんですよね。その過去と現代と未来を見つめて検証、立証するプロファイラー。
未解決事件は、遺族を悲しませる。そのためには過去との架け橋が必要。その架け橋、無線機からの情報で、解決に導くという斬新な設定がすごい。
過去に解決できない、物的証拠も現代の科学捜査では可能ですからね。

でもこのドラマはそんなテクニックを使って、人の悲しみを一刻も早く取り除いてあげたいという願いを伝えたっかのではないかと回を追うごとに感じました。
財閥の権力支配へのどうしようもない苛立ち、司法、警察への失望感から、このドラマが出来たのではないかな〜
だから韓国では人気があったのではないかと。。。

韓国で実際に起きた6つの事件をモチーフにして物語は展開します。

  • 1話         キム・ユンジュン誘拐殺人事件 2000年
  • 1〜5話    ギョンギ南部連続殺人事件 1988年
  • 5〜9話    大盗(テグ)事件、ハンニョン橋崩壊事件 1994〜1995年
  • 9〜11話         ホンウォン洞事件 1998年
  • 11話〜16話     インジュ市女子高生集団暴行事件 2000年
真犯人たち
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とにかく事件の伏線が全て繋がっているのです。この脚本ってどんな綿密さで構成されたのか、すごいな〜と感心するばかりです。
でも、よく見ていないとなんかわからなくなってしまいます。年数も飛びますので。頭の体操になりました。

キム・ユンジュン誘拐殺害事件、パク・ヘヨンが目撃者でした。しかし、幼いヘヨンの話を聞いてくれなかった。同時に兄パク・ソヌの冤罪、誤認逮捕(インジュ市女子高生集団暴行事件)その後の自殺とどうしようもない空しいさ、激しい怒りもあり、彼は警察官、プロファイラーになったようです。それが描かれた序章。兄ソヌは自殺ではなく殺されたのです。
テグ事件、ハンニョン橋崩壊事件も罪のない人間が、富裕層の人間達に見殺しにされた事件。
ホンウォン洞事件は、サイコパスな人間の連続殺人事件。これも世間から見捨てられた人間が犯してしまった事件。

イ・ジェハンは無線機でヘヨンと通話します。彼は2000年、1988年、1995年、1998年に起きた事件で。ヘヨンは2015年にいます。なので、正直、時の動きと事件を重ねあわさないとこの物語の進行に追いつけないのです。

二人で事件を解決しようとしましたが、大盗事件は、ヘヨンと通話したせいで、オ・ギョンテを誤認逮捕してしまい、それが2015年での出所後の彼の運命を狂わせました。
ジェハンは、2015年でも未解決の事件を解決しようとしたことで、過去を変えれば未来を変えると悩みました。
それが原因でチェ・スヒョンも爆死してしまいます。

風が吹くのです。風が吹くと過去も変わり、2015年も変わります。風という流れでこの物語の不都合なつじつまあませをします。でもそれがなんか自然に受け止められる展開なんです。すごい脚本力です。

大盗事件は、検事長の息子ハン・セギュの犯罪とわかりますが、それを1995年に解決してもらうことで、スヒョンは生き返ります。未来の結果から過去を変えるのです。

ジェハンは、問います。金と権力があれば、何をしても構わないのか。そこ(未来)も同じですか?20年もたてば少しは変わりましたよね?そうでしょう。
なんか、20年経っても、この国の秩序は(韓国の秩序)は、権力に押しつぶされているという閉塞感を感じます。この閉塞感を日本に向けて欲しくない。そんな感想です。

イ・ジェハンは過去で、パク・ヘヨンは現実で、成長していきます。
色んな事件を経験したことで残された遺族の痛みを理解することができる、そして、どんな事件も絶対解決しなくてはならないと強い使命を感じる刑事になっていくのです。

大盗事件は最終話でチャン議員のチニャン市開発事業の汚職事件につながります。

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10話で、主人公3人が同じテーブルに着きましたね。

2000年は、ヘヨンの兄ソヌがインジュ市女子暴行事件の犯人とされて逮捕され、その後自殺したことになっていましたが、事件も自殺も仕組まれていたのです。
兄は無罪だったのです。そして殺されたのです。殺した犯人は、キム・ボムジュ、警察庁の長官でした。保身と出世のために事件を闇に葬ろうとしたのです。

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ジェハンが収賄で失踪したのではなく、キム・ボムジュの権力への執着が招いたのです。
2000年8月3日、ジェハン刑事が殺されてしまった時間。この時を境にしてドラマは展開していると視聴する時のポイントですね。

金と権力があれば何をしても許されるのか。
金持ちでも、権力者でも法を犯せば、罪を償わさせるべきだ。それが警察の役目だ。
ジェハンは最後まで諦めませんでした。何があろうと真相を暴こうとしました。

そんなジェハンの思いがヘヨンを成長させました。

このドラマは一貫して諦めなければ事件は解決する。世のなかは変えられるというメッセージを伝え続けていました。
ジェハン刑事をやられたチョ・ジヌンさん、すごいオーラでした。
正義感に燃える熱血刑事役で存在感がすごかったです。Signal12-00217

ヘヨン役のイ・ジェフンさんは、初めてでした。でもキム・ヘスさん、チョ・ジヌンさんと3人主役で、全然違和感ありませんでした。

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キム・ヘスさん、イメージは強い悪女という感じを個人的に持ってました。でもさすが、大女優さん、キレのある貫禄のある演技で男二人と対等でしたね。
若い頃のスヒョンさんはちょっとでしたが、可愛らしくて抜けている新米刑事役は、自然でした。女優さんはすごいなーと感心しました。

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このシグナル、続編あるのでしょうか?

最後は、「え!!!」でした。でも続編なくても、思わせぶりな最後でしたが、ありえます。

最後まであっという間のドラマでした。ラブロマンスではなくてこんなに感想書くのに前後を年数を考えたドラマはないかもしれません。

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