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『わかっていても』長い感想と考察になってしまいました

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わかっていても Nevertheless 全10話 (2021年 JTBC)Netflix

愛を信じられなくても恋愛したい女ナビと面倒な恋愛はせず友達以上恋人未満を楽しみたい男ジェオンの面倒くさい関係を、描いたラブロマンスドラマ。
ナビの心情をモノローグの様に語り、反対にジェオンの心の声も、ナビが不安になる彼の行動に対しての説明もないもないので、見ている側にとっては、よくわからない、もどかしいドラマという感じがした。ある意味韓国恋愛ドラマの道に外れたドラマだった様な気がする。(イライラした方は、退室されたと思いますね)

でも面白く興味深く、美しいハン・ソヒさんとソン・ガン君を愛ながら見ることできて楽しかった。グズグズするナビにはちょっとイラつきましたが、23歳になっても真面目な内向的女性はこうなのかと。ビンナは違いましたが。
ジェオンが、ソン・ガン君んでなかったら、許せない男だったでしょうが、若くてセクシーで、悪い男の匂いがする男のドラマっていいですよ。あのナム・ギュヒョン(ビンナの彼氏)君もイケメンではないセクシータイプだと、早く問題を片付けて、活躍して欲しいです。19禁だったドラマでしょうね。淡々とナビの視点から語られる女性の恋愛、性を語るドラマで、見る側がナビと一体化できる演出だった様に感ずる。だからリアルすぎてと言う様な感想もあるのかもしれない。

目次

書き留めておきたいあらすじと感想

演出:キム・ガラム 『魔性<マソン>の喜び』『コッパダン〜恋する仲人』
原作:NAVER Webtoon 「わかっていても」作者:ジョンソ

「わかっていても 」人物相関図

ナビは、モラハラ彼氏と別れた。身勝手な考えや、行動でナビを束縛していたクズ男でしたが、ナビは、愛のある特別な存在関係だから仕方ないとしたがっていたけれども、「踏みにじられた象徴の彼の作品」を見て、ついにそのドアは開かれ、やっと自由になったナビでした。

そこに現れたジェオン、バーでさりげなく彼女の隣に座り、ダーツをしながら彼女の腕に触れながらも「うちに蝶を観にくる?」と誘うジェオン。整った顔、セクシーなボディ、響く声で….
バーでは何もなかったけれど、大学で再会し、「運命なんかないとわかっていても」彼に強烈に惹かれしまう。


ナビのアパートの前で、美大の仲間の女性とキスする様な男なのに、私だけじゃないとわかっていても」ナビは自ら彼にキスをしてしまう。

キスの後、連絡もしないジェオン、そして見知らぬ女、彼の初恋のソラといるところを目撃するナビ。でもジェオンはナビの様子を伺っている。「始まってしまったとわかっていても 」風邪で倒れたナビを気遣うフリをしてついにナビとの体の関係に。

朝起きて、一人でさっさと帰ってしまうジェオン。温かいのか、冷たいのか、本気なのか、冗談なのかわからないジェオン。手作りサンキャッチャーをプレゼントするジェオン。
愛でないとわかっていても」彼と過ごす夜はかなり楽しいナビ。

彼氏ではないから、一緒にいると虚しくなるナビ。「変わらないとわかっていても」モヤモヤするナビ。セフレに同意したどうしようもない関係だとわかっているけれど、気持ちがジェオンを独占したくなっているのです。
ナビの誕生日の日、実家に行くが、母の男の影を感じて逃げ出す様に駅に向かったが、そこにジェオンがいた。昼間のデートをして、ワンピースを彼がナビにプレゼントする……優しいのか、逃したくないのかジェオン。
「わかめスープ」を作ろうとしていたジェオンなのに、ソラからの電話で、取り残されたナビ。
学内の階段で、飴を舐めたジェオンが、キスで、その味を教えているところを仲間に見られて、噂は広まり、ナビは開放的と思われてしまい傷つくナビ。


教授からも、「無茶な真似をしないほうがいい。自分の人生は誰も責任を取ってくれないと。卒業前にこんなことでいいの?」かと忠告される。元カレも来て非難される。
最悪なことばかりでうなだれるナビの前に、思い切り殴られるジェオン。女の問題で誤解したそその女の兄に殴られた様ですが。そういう男とそういう関係になっている女である自分に腹が立つナビ。
ソラと話した後、ナビは消えた。

ナビは愛などないとわかっていても」ジェオンに「終わりにしよう」と言う。なんかナビが可哀想になりました。「別れよう」ではないのです。ジェオンの返事は「友達でいよう」
「いつも壁を作り、適当に遊びたいだけ。依存されるのが怖いの?」「君が決めることだ」「君の作品は好きだ」
幼なじみのじゃがいも君ことジヒョクとデートするナビ。
それでもジェオンは携帯に電話してくる…電源を切っているナビ。

合宿先で、ナビとやっと会えたジェオン。「元気だった」「なぜ電話を無視した」「そんなに嫌いか」と言いながらナビの髪を触ろうとする。「君を思っていた」「会いたかった」「素直になれよ」「君が嫌なら何もしない」と毎度の選択権を委ねるジェオン。「取り返しがつかないとわかっていても」弄ばれたくないと思いながらもキスしてしまうナビ。

「歯止めが効かなくなる」とジェオンに言われて、おじげつくナビ。
ジェオンと過ごした時間は黒歴史だと、じゃがいも君に言うナビ。
ジェオンから逃れるためにここに来たと素直にじゃがいも君に言うナビ。
ウソだとわかっていても」ジェオンの行動は受け入れしまうナビ。

病気がどうなったのか、ジェオンとの過去もわからないままソラは、再び渡米する。見送りに行き、「また会おう」と言うジェオン。ソラは、あの蝶の描かれたライターを捨てる。


「もう終わりだとわかっていても」ジェオンから、容赦のない言葉を浴びせられて、ドヒョクが見ているのを知りながらナビの家に上がり込んだことや、「俺に飽きた。スペアあるもんな」「俺と寝ていたくせに」「ソラに何と言った。俺への当て付けか」
「あなたとの関係も行為もすべて自ら招いたことだから恨んでない。答えが出ないとわかっていても。あなたを信じた私が馬鹿だった。決めるのは私だと言ったよね?二度と現れないで」
ずぶ濡れのままで立ち尽くすジェオン。


「ぶち壊したのはオレだ」とやっと気がつくジェオン。
ソラにも言われましたよね、「本気で好きなら冷静じゃいられない」ソラには見透かされていたのです。
でも本気なのは自分だけで、ジェオンに惑わされたくないナビは、本当の気持ちを打ち消すためにドヒョクを利用してる。だから、本当に関係が終わってしまったのかと玄関で泣き崩れたナビの姿。


「わかっていてもそれでもやっぱり」になった最終章。
雨の中、言い争いをして別れた二人でしたが、お互いに心の中のモヤモヤは治りません。
ソルからの電話で、ナビの展示会に出す作品が壊れてしまったと。
「手伝って完成したら二度と君の前に姿を現さないから」とジェオンに言われて、作業を開始する二人。
もう以前のような思わせぶりな態度を取らない彼に戸惑うナビ。作品が完成した後に「頑張れよ、それと……」と、何か彼女に伝えようとする素振りを見せたのにジェオンは結局何も伝えずに彼女の前から姿を消した。
消えたジェオンが気になるナビ。破壊された作品の修復しながらのジェオンとの関係でも、雨の中で喧嘩したのもかかわらず、彼の本心はわからなかったナビ。彼女はそれ以来、考え込むシーンが多かった。

ジェオンは飼っていた蝶を解き放ち、自由にさせる。これまでの女性関係の精算のように思えるシーン。

最終話の最後のシーン、やっとジェオンがいた。ナビが気持ちを伝えて歩み寄っていく。
「チャンスはまだある?」
「縁を切るつもりだった?」
「君に嫌われるのはつらい」
「ええ嫌いよ。人の心をもてあそぶ最低のクズだもの」
「でも会えてホッとした。 どこにも行かないで」
「君のことを考えると頬が緩んでしまう。すごく好きだ」
「パクジェオン、付き合おう」
「後悔しない?」

「後悔する 当たり前でしょう。それでもいい」

ドラマ全体を通して決定権をナビに委ねたジェオンは最終回でも変わらなかった。

ナビは、何も解決していないけれどジェオンを選択した。どうしようもないくらい好きだからだ。
カップルになったナビとジェオンが手を繋いで歩く。カフェにドヒョクを見つけたが、一瞬、ジェオンの手を離そうとするが、再び強く握る。自分の選択を確認したかった様に……
そんな彼女に「猫を飼いたい」と言い出すジェオン。
「もう何も飼わないで」と答えるナビ、「蝶も?」と笑いながら言う彼に「うん」と返すナビ。
やはり可愛いと思ったら、飼いたがるジェオンの性格を描いたラストシーンでした。

このドラマに対する勝手な考察

ジェオンの首の蝶のタトゥーはどうして、ジェオンは、どうして謝らないのか、ジェオンの恋愛は今まであったのか、ユン・ソラとの関係は、母親へのトラウマは、依存症なのでは、ジェオンの心情を理解させるための説明が一切ないのです。なぜにいつも一定の距離間を持ってしまうのかetc………

でも、ジェオンの両親、ナビの母親どちらも、ああだから、こんな23歳の男女になってしまった様な気がする。
ジェオンは、きっと愛情不足で育って、人間関係や、女性との関係を怖くて距離を置いている様な気がする。孤独なジェオンだから、蝶を育てている。素直に女性と接することができないからわからないから、友達の様に侍らせて気の向くままに行動している。「決定権は女性に持たせて」「別れは」女性から言わせる男。束縛しないことで自分の側に居させる様にしている様にしか見えない。

クールにナビとの関係を進めていたジェオンも、自分の中に始めて芽生えたいつもと違う感情に気付き始めて取り乱し、ナビを追いかけ回す男になってしまう。

ナビは、性欲に振り回されることを悪いことのように思うから、いつもオドオドした態度や行動をジェオンに見せている。内向的で、優等生というナビ、「愛」のある特別な存在にならなければ、男とは関係を持ちたくないと思っているのに、ジェオンとはそうならない。彼女が女性として自立できていないからとも思いますが。

それは、あの母親の問題でしょう。男を追っかけている母親の姿と自分が同じに見えてしまったからでしょう。だからジェオンとそういうことをした時から、悪いことをしていると思っている。

美大の友達が、ジェオンと付き合っているとの噂で、彼女を大胆な女性なんだと言われたのを聞いて、彼女は落ち込みます。セフレと思われたことが許せなかった。その怒りがジェオンにも向けられました。ジェオンにも自分たちの関係を内緒にしてほしいと言ってましたから。若い二人なのに、隠そうとするから、余計に興味をもたれるのに。母のせいで、きっと正義感や臆病さが、増してしまったのでしょうね。

過去の男の方がクズだった。愛という言葉で、女を利用した男が過去の男です。自分を思いのままに操る男を、ナビはクソ男という。でもそれは自分自身もはっきりしないからだと気がついていない。いくら強い言葉で、ジェオンを叱責すればするほど、自分も苦しくなるよね。だってジェオンが好きだから。

女性の性欲は何故、悪いことのように思われているのか。ビンナのようになると、今度は男の方が逃げ腰になる。ナビのような女は、ジェオンのような男には気になって仕方のない女のです。真面目で、性に対して臆病なくせに、ある瞬間大胆になる女だからです。

ジェオンには、美しいものを捕獲して、いつもそばに置いておきたいと言う欲望が強い。だから、ナビをあの美術館で見かけた瞬間、欲しくなったのです。そして側に置いておきたかった。でも、ナビを側に置いておくには、「付き合おう」と言わなければダメだと思った。それも違っていたと気付く。ナビは「愛のある特別な関係」を望んでいるのに。
10話で気がついたのかわからないけれど、相手の気持ちを思いやることは気がついた様ですね。

でも引き合う磁石の様な二人でしたが、9話まで、ウジウジしたナビが、10話最後で、突然翼を得たナビの彫塑のようび羽ばたく女性に変化してなんか…….ジェオンは飼い慣らされた子犬の様になってしまって。とっても違和感ありでした。

このドラマは、あまり深く考えず、ミステリアスでな魅力を持った男に、「ダメだとわかっていても」吸い寄せられてしまう女性の話で、エモーショナルでエロチックで、メランコリックなOSTを楽しむドラマでした。そしてこのナビもジェオンも心に「闇」「病み」を抱えているのにそれには触れずにいたのは、新鮮でした。韓国ドラマっぽくなくて。「君は私の春」は、その闇を描いたドラマで、同時期にこの差は、面白かった。ソルもそうでしたが、周りがあまりガチャガチャ二人の関係に口を挟まないのも、韓国ドラマっぽくなかったですね。演出家のせいなのかもです。

サイドストーリーカップルと🥔じゃがいも君は、爽やかでした

ジェオンと対照的なドヒョク。安全、安心なドヒョクです。ジェオンとの関係は闇で、ドヒョクとの関係は清純そのもので、あまりにも普通の恋愛を真正面から挑むドヒョクにも、癒されてはいるが、はっきりした態度の取れないナビ。

じゃがいも君は、いい人で、陰りのない男、ナビを特別な人として大事に扱ってくれるので、その気持ちには感謝しているけれども、ナビは、本来の姿を知られたくないとも考えている。彼の前では、ナビは、いい女性として振る舞えるのが心地よいのだと思う。
ナビは、ジェオンが好きだけれど、ジェオンといる時の自分に嫌悪感を持っている。ドヒョクといる時は、その感情を持たないでいられるから居心地がいいのだと思う。
爽やか、笑顔の素敵なドヒョクでした。

サブカップルの助教カップルのプラトニックでスローな関係、なんか歪な関係のナビとジェオンとを対比している様で、こう言う男もいるけれどと言う様な気持ちで見ていましたが、やはり胸がキュンとします。

マイサンシャインのビンナとギュヒョンカップル、ビンナとジェオンが同類という様な描き方でしたが、奔放なビンナに呆れてギュヒョンは別れを切り出す。ちゃんとした恋愛カップルになれないからと….でも復縁。ビンナの方がジェオンより単純だったのかな。

ナビの親友、ユン・ソルは、いい女でした。多くを語らないけれども、肝心なところでナビをサポートする。
「強烈に惹かれ合う相手に出会うのは、奇跡だ」とナビとジェオン応援する。
親友以上の同性への気持ちを持つソルとジワン、ジワンは、どうしたらいいのか分からなくて悩みますが、本音を隠さずに話し合い歩み寄っていく姿も、ごく自然でした。

ナビへの応援歌

呪術にかかったナビよ、目を覚ませ。
ジュオンのような男に特別な関係は求めるな。
わかっていても引き寄せられてしまうナビ。
女の欲望は、深く深く落ちていく。それに気が付けナビ。
目の前の欲望に目が眩むならば、しっかり味わい尽くせ。
そうすれば、先が見えてくる。自分がいかに愚かかと。
その愚かさは、これからのパワーにもなる。
女の性の喜び、それに振り回されるなナビ。
自分を大事にできた時に、きっと優しさに溢れた喜びが手に入る。
若さとは、惑う時間が許される時代。
だからじっくり楽しめナビ。

ナビの心もよう

ジェオンは私を浮かせる。彼しか写らない。彼に何を望んでいるのか。彼が視界に入ると目が離せない。ジェオンの本音が聞きたい。ジェオンのこの手、この匂いをよく知っている。彼は日常の一部になった。温かいのか冷たいのか。本気なのか、冗談なのか。一緒に過ごす夜はかなり楽しい。彼氏だけではダメなのか。おどおどしているのはいつも私だけ。今後も友達でいようというジェオン、私に何を望んでいるの。いつも壁を作り、適当に遊びたいのに、依存されるのが怖いの。クールなふりをしてごめん。彼を好きだから、そうしていた。セフレでいいと合意したのは、ジェオンが好きだから。

最後に、ジェオンってクズ男?

セックス依存症だからか?
一番クズな男は、女を利用する男、暴力を振るう男だと思っているのですが。

自分自身に自信があって、堂々としている。女性の喜ぶ台詞がうまい。行動も素早い。思わせぶりな雰囲気で女性に迫る。自分本位で、誠意のない行動が目立つからか。

クズな男というのは、主導権は自分なのに、女性にあたかも決定権も持たせているかの様な言葉や行動だからでしょうね。「君が嫌なら何もしない」「君が決めることだ」という様に。

ナビが、元彼との中でも主体性を持たないと、あの場面でわかっているのに、そうするジェオンは嫌な男だと言えます。

彼が成長する過程で身につけたアイデンティティーが、ナビと合わないだけだと思う。ただソラもそうだった様に、彼には麻薬の様な強烈な刺激物で、忘れられない様な欲望の記憶を女性に植え付ける男だったから女にとってクズに写るのかも。

それが彼の罪なのか? モテる男の罪か…….

この先、傷つくであろうと、裏切られるかもしれないと「わかっていても」やはりジェオンの肌から立ち上がる匂いがナビの身体を貫くのよ。安心感を与えてくれない男。特別な関係を認めてくれない男、相手との適当な距離感を保つ男・・・・ジェオン

ソン・ガン君、素敵でした。

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