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ペントハウス War in Life シーズン1・2への雑感

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ペントハウス War in Life シーズン1・2

  • シーズン1:2020/10/26 〜2021/1/05 日本では2021/2/19〜4/30 全21話
  • シーズン2:2021/2/19〜4/2 日本では2021/6/19〜7/24 全13話
  • 韓国ではSBS、日本ではKNTVで放送されました。
  • もうすぐ、シーズン3がスタートするのでその前に感想を記録しておきます。
全体的感想をはじめに…..

久しぶりのドロドロのザ韓国ドラマでした。”mine”を視聴して、”結婚作詞離婚作曲”を視聴してしまい、あの撮り溜めていた”ペントハウス”に挑戦してみようかと思い、シーズン1・2完走しました。

このドラマは、たくさんの賞を受賞したドラマであり、視聴率を稼いだドラマでした。裕福な人々のドラマで、愛憎渦巻くドロドロ系ドラマだとわかっていましたが、その理由が分かった様な気がしました。”mine”と比較すると、とにかくあまりにマクチャン度が破壊級で、笑いの世界かと思ってしまいました。登場する人々のキャラが、あまりにレベルが低く描かれているのですが、それが単純で現実離れし過ぎているから、面白く見られたからではないかと…….ストーリーを追うだけで楽しめるドラマになっている。だから殺された人が生き返っても許せる。

復讐がらみの恨み・妬み・欲望・不倫が絡む韓国ドラマや、財閥もの、「これでもか〜」という様に、畳み込むような同じストーリー展開が、当たり前だった。が…………韓ドラは鮮やかな進歩を遂げている。社会や時代で視聴者のドラマへの価値観が変わったのでしょうが、Netflixなどの登場により、グローバルコンテンツとして地位を確固たるものにしたのだと感じる。この「ペントハウス」のハチャメチャなドラマ展開の中で、女性は泣きながらも立ち上がるのです。泣いて慰めてもらうのではなく、顔上げて堂々と戦うのです。その爽快さが魅力でした。

ストーリー展開がジェットコースターの様とも言われていますが、一番ジェットコースターの様に起伏の激しいのは、登場人物の感情でした。泥まみれの満たされない歪んだ欲望から起こす殺人、復讐、不倫……..
「考える」時間を登場人物に与えないのです。「考える」ことが苦手なのかもしれませんが、結果、皆さんは、欲望の赴くままに動き回るのです。そしてペントハウスの様に一番上の欲求に向かって上り詰めたのです。ちなみに欲求の低階層は、生理的な欲求です。(食欲、睡眠、排泄、性欲など)

舞台になったペントハウスは、ゴージャスでしたが、やはり”mine”の方が上だった。ゴージャスさとエレガントさと高貴さを備えた大邸宅でした。(そりゃー美術館が邸宅で、お庭が”シークレットガーデン”や”キム秘書はいったい、なぜ?”のMaiim Vision Villageでしたから)登場人物のドレスも、ハイセンスでした。「ペントハウス」のソジンさんは、常にゴージャスなスーツやドレスを、まとっていましたが、まるで戦闘服の様で、スヒョンさんの優雅なドレスや部屋着は、雰囲気にぴったりでした。やはりドレスもしっかりとキャラを表すのですね。

ドラマの概要には、子を守るために悪女になるしかなかった3人の女性の歪んだ欲望とその女性の連体と復讐を描いたと書かれてありましたが、目立ったのはキム・ソヨンさんの悪女ぶりと形相の怖さと、オム・ギジュンさんのクソ男ブリでした。オム・ギジュンさん演ずるチュ・ダンテは、ちっとも怖くなかった。虫けら以下の男だったから。もっとキレて鋭いクールな男だと思っていたのですが。ペントハウスまで登りつめた男の執着と欲望だけが目立ち、彼の配下も馬鹿としか描かれていなかった。このドラマは3人の女性の生きて来た道が歪んでいた為に、子供への愛も、いびつな形となり、その子供も屈曲した感情を持つ人になってしまっていた。

演出:チュ・ドンミン 「皇后の品格」
脚本:キム・スノク 「皇后の品格」「私はチャンポリ」「天使の誘惑」「蒼のピアニスト」


「私はチャンポリ」(2014)は、楽しく視聴したドラマでした。もう憎たらしい悪女イ・ユリ演ずるヨン・ミンジョンが、強烈で、ストーリー展開もありえない〜、どうしてあの悪女が最後まで堂々と生き残るのか…といらつきました。
「天使の誘惑」(2008)もありえなかった….「蒼のピアニスト」(2012)は、チュ・ジフンとチ・チャンウクが出演したので視聴しましたが、如何にもこうにもストーリーについていけなかった。
「皇后の品格」(2018)チャン・ナラさんが可愛かったのが救いでしたが、シン・ソンロクさんが嫌な皇帝役でしたが、憎めないキャラでした。その皇帝の母役シン・ウンギョンさんが、演じられましたが、とにかく憎たらしい悪女で、視聴していて不愉快さだけが残りました。

という様にキヌ・スノク脚本家のドラマは、強烈な高飛車な悪女が登場し、不倫あり、復讐あり、殺人あり、死んだと思った人が生きていたりが当たり前にストーリーに盛り込まれているのです。

シーズン1あらすじーKNTVより

ソウルのセレブが集まる100 階建ての超高層マンション、ヘラパレスでパーティが開催された日、最上階のペントハウスに暮らすスリョン(イ・ジア)は少女が転落するのを目撃する。だが、マンションの住人たちはへラぺレスの価格が下がることを恐れ少女の遺体を別の場所に遺棄する。
遡ること2ヵ月前、元声楽家のソジン(キム・ソヨン)はじめとしたヘラパレスの住人は 我が子をチョンア芸術高校に合格させる準備を進めていた。一方、高校時代にソジンによって声楽家の道を断たれたユニ(ユジン)は苦労しながら娘のロナ(キム・ヒョンス)を育てていた。ユニが声楽科を目指していたとは知らないロナはチョンア芸術高校への進学を夢見て、レッスンを受けようとソジンの元を訪れる。こうしてソジンとユニは因縁の再会を果たすことに。ソジンを見返すため、ユニは娘の夢を後押ししようとするが、チョンア芸術高校にはソジンの娘や、スリョンの夫ダンテ(オム・ギジュン)の子もいた。欲望渦巻くヘラパレスと名門高校で激しい闘いが幕を開ける―。

シーズン2あらすじーKNTVより

“ヘラパレス”のクイーンと呼ばれるスリョン(イ・ジア)が殺され、殺害容疑で逮捕されたユニ(ユジン)も姿を消してから2年。スリョンの夫ダンテ(オム・ギジュン)は共犯のソジン(キム・ソヨン)と婚約する。だがソジンの元に脅迫メッセージが届き、ソジンはユニの仕業ではないかと疑う。ダンテがソジンに公開プロポーズした瞬間、そこに警察がやってきてダンテをスリョン殺害容疑で逮捕。ユニをスリョン殺害犯にしたいダンテだったが、自身が窮地に陥ったことからやむなく家政婦を殺人犯に仕立てあげ釈放され、ユニの冤罪は晴れる。3か月後、ダンテとソジンの婚約パーティーが行われる日、ソジンの元夫のユンチョル(ユン・ジョンフン)が突然現れ、ユニと結婚したと発表、ヘラパレスに入居する。亡くなったと思われていたユニの姿にヘラパレスの住人たちは動揺する。こうして壮大な計画を胸に秘めたユニはソジンへの復讐を開始する!

超高級タワーマンション、ヘラパレスで起きた転落事故を発端に、このドラマは始まる。現在の韓国の現状も象徴しているかの様に、不正入学、不動産投資を背景に、いじめ問題、脅迫、そして不倫が絡んだストーリーが次から次へと展開する。
これでもかというくらいにあくなき人間の欲望が、言い換えれば、人を思い通りに支配したいという独裁者的な欲望が渦巻いていて、モラハラ、パワハラが、可愛く見えてしまいます。思い通りにならなければ、殺してしまうのですから…..
欲望エネルギー全開で、怒鳴り、まるで阿鼻叫喚状態なのですが、ヘラパレスの住人は成功者の象徴ですから、悲惨な人たちではないのに、どうして泣き叫ぶのか?  ヘラパレスは、無間地獄だった様です。
いじめの描写も、どぎつい。プールに落として金を投げ込むシーン。「時間」にもあったなこんなシーン 車の中に拉致して鍵をかける。物は投げる、コップも投げるから水が飛ぶシーン。感情を抑えられない大人とその子供達。

シーズン1人物相関図  KNTVより

シーズン2人物相関図  KNTVより

3人の悪女達…👑チョン・ソジン👑シム・スリョン👑オ・ユニ

ソジンとスリョンは、財産のある家の娘、ユニだけが、そうではなかった様です。ソジンは、父親が財団理事長である家に依存してその中で葛藤しながらも、汚い手を使ってもその家の娘であることに執着した女性でした。そして結婚した後は、その家の跡取りとして君臨できる様に、娘をそして夫も操っていた。
スリョンは、財閥家の娘で育った様ですが、性格も温厚で上品な女性で、双子の子供へも優しい愛情を与えている様に見えましたが、その双子は、ソリョンの子供ではなかった。でもヘラパレスのヘラクラブでの女王の威厳とオーラを備えていた。彼女は、自分の価値観を持っている女性でした。自分の意思と力で生きていく女性だった。ソジンにもユニにも、「女の敵は女」ではなく、女同士であの引っ張り合いをしたくはなかったのに、ソジンは最後まで、ユニ、スヒョンを憎悪することしかできなかった。
対照的に、ユニは、苦労しながら自分の力で生きていたのに、ソジンに痛めつけられて、夢を破壊され、そしてその後は、娘ロナが彼女の全てであり、その娘の幸せを願う母親だった。この3人が、ペントハウスで出会い、子供巻き込んでの愛憎の世界が始まったのです。

👑チョン・ソジン/キム・ソヨン

「純情に惚れる」「検事プリンセス」「ロマンスが必要」など、拝見していましたが、まさかこんな狂気の悪女を熱演されるとは…..彼女のジェットコースターの様な形相の変化は、もう怪演としか言いようがない。

👑シム・スリョン/イ・ジア

「私のおじさん」での不倫妻のジアさんがとにかく美しかった。今回もヘラクラブのクイーンと言われるオーラと優雅さと美しさを存分に発揮されました。双子の子供の母親ナ・エギョ、クールで大胆な女性も演じられました。このナ・エギョが、ダンテをここまでのし上げてきた女で、影のラスボスだった様ですが、よく分からなかった。でも、スヒョンの変わりに殺されてしまった。この展開も、スヒョンの「女の敵は女」ではないという価値観がそうさせたのかしら?

👑オ・ユニ/ユジン

シーズン2ではオ・ユニさんが、女性達のメインなんですよね。娘を守るために、必死に這い上ろうとする女性でしたが、娘は、ソジンの夫との間にできた娘だったのですね。ソジンは、ユニから奪っていたのです。声も潰され、男も奪い、娘も蹴落とそうとするソジンは、悪魔です。懸命に生きてきたユニですが、やはりお金がないとこんなに惨めな思いをしなくてはならないのか….でもユニが求めた世界が、娘までも引き込んだ世界が間違っていることに気がつかなかったのかな。

3人と関わる男達….オム・ギジュン🎩ユン・ジョンフン🎩パク・ウンソク

ここに登場する男たちは、ローガン・リー以外は、みんな権力と名誉とお金の亡者です。男としての魅力はない。ダンテに女性が近づくのも、お金や子供のためですから。権力とお金のある男に依存しようとする女性を巧みに操るダンテは、クソ男です。比較はできませんが、「結婚作詞離婚作曲」の不倫を正当化するユシンも、クソ男。妻や愛人、継母までオールインで愛してますが、精神科医だから、病院に来る病んでいる人を片っ端から入院させて、悪化させて金儲けしているようで、それもある意味人の命を軽んじているようで。優しい仮面を被ったクソ男。だって仕事していない雰囲気だったから。。。

🎩チュ・ダンテ/オム・ギジュン

「ドリームハイ」では教師役だった。「被告人」では嫌な奴。「ペントハウス」では、クズで冷血な不動産投資家。多分、投資家としては、能力あるからここまで這い上がってきたのでしょうが、正統法ではなくて裏取引で成功してきた様な胡散臭男でした。いくら叫んでも人を殺しても狂気ではなくて、楽しんでいる様で、胸糞悪く男でした。でも殺人を楽しんでいるかの様な姿は、やはりサイコパスなのか???

🎩ハン・ユチョル/ユン・ジョンフン

このジュンフンさんは、優秀な医師の様ですが、それを武器に金儲けしようとしたからソジンと結婚したのに、ソジンの本性に気がついて、元カノのユニへ戻っていくなんて、女に依存している情けない男でした。

🎩ローガン・リー/パク・ウンソク

シーズン3では、ローガン・リーの兄役で出演される様ですね。本当に兄なんでしょうか?
スヒョンの娘から、骨髄移植を受けて生き延びた男。両親がその後、娘を養子縁組解除してしまった為に、娘ハン・ソラは、韓国に戻ってきて厳しい現実の中で生き、そして殺されてしまったのです。その為にスヒョンを助ける様になるわけですが、彼女に好意をもったからでしょうね。彼もマディソンタワーの所有し、会社も経営している金持ちなんです。

コメディー担当の3人……シン・ウギョン👻ユン・ジュヒ👻ポン・テギュ
👠カン・マリ/シン・ウギョン

娘ジェニーをプリンセスにしたい母親でした。彼女は、お金持ちのご婦人方のアカスリ?スパみたいなのを経営している女性だったのです。ユニ同様にの這い上がって今を手に入れたのでした。夫は、ダンテの罪をきて服役しているから、このペントハウスに住めたのです。夫は、シーズン3でしかわからないかな……
でもカン・マリは、娘を愛していましたね。彼女と娘のシーンでポロッと涙が出ました。

🌵イ・ギジュン/ポン・テギュ  コ・サンア/ユン・ジュヒ夫婦

夫ギジュンは、法曹財閥家の一人息子で、マザコン。弁護士とは名乗っているけれど実力はない弁護士の様です。妻サンアは、どうしてこんな男と結婚したのか。義母にも小姑にも嫌味されながらも夫を立てている女性ですね。だから息子も夫の様な男に育っている。でもお金にだけは目が無い弁護士でした。このドラマでは、ダンテ夫婦とソジン夫婦のクッション薬の様な存在。

👨‍👩‍👧‍👦その子供達………

ダンテの子供・・チュ・ソクフン/キム・ヨンデ、チュ・ソッキュン/ハン・ジヒョン


ソジンの娘・・ハ・ウンピョル/チェ・イェビン


ユニの娘・・ペ・ロナ/キム・ヒョンス


カン・マリの娘・・ユ・ジェニ/チン・ジヒ


ギジュンの息子・・イ・ミニョク/イ・テビン

子供を思う気持ちが強い親達の様に見えますが、子供を自分が引いたレールの上を走らせたいだけ。そうすれば、あなた達は、幸せに、今まで以上の生活や未来が保障されるのだと、子供の意思を考えない親達の子供です。
その親達は、親の敷いたレールに乗ろうとして頑張ったソジン、自分がどん底に落ち込んだのは、あのトロフィーを取れなかったせいだから、娘にはそのレールに載せたかったユニ。娘にはステータスを与えたかった成金の母、カン・マリ。

そんな親達への不満、苛立ちから、友達へ、いじめや脅迫をしてしまう子供達。この子供達も「考える」時間というものを学んでいない。物事を性急に短気に動かそうとする。そうしないと今の自分の場所が不安定になると、わかっているから。可哀想な子供達。

シーズン3はどうなるのか


死んだ人が生きていた….シム・スリョン…自分の娘だと騙されていたヘイン…ユニの娘ペ・ロナ…スリョンが画策して命を助けた❗️❗️
唯一気になるのは、本当に殺されてしまっていたのかスリョンの娘ミン・ソラ..まさか生きているのかしら。シーズン3での反転劇か???と思ってしまうこのドラマ。
シーズン2の最後で、車を爆破されたローガン・リーも生きているのかしら???

一応シーズン2では最後、囚人服を着る羽目に。当たり前ですが。罪状もチュ・ダンテが終身刑だったのですが、それ以外は軽かったな〜。虫けら男ダンテは、壁の中でも、野望は捨てずに体のトレーニング。看守もしっかり巻き込んでいる。ソジンは、刑務所暮らし自体が窮屈で、それが最高の罰かもしれない。反省なんかしないでしょうし。

カン・マリの夫って、服役中でしたが、ドバイに海外赴任中と言ってましたが、真実は、ダンテの関係者で、ダンテの罪を被って刑務所に入っていた様です。その見返りにあのペントハウスの45階の部屋が提供されたのです。その夫が、ついに出所して来ました。ローガンの車の爆発も彼が関与している様だし……この様に伏線を引いてシーズン3へ。

こういう流れのドラマに、期待した最終章はないと韓ドラを完走してきて場数を踏んでいるので、ダンテはどんな生き残り作戦を行うのか。それを攻防する3人の悪女達や子供達、そして群がる大人達がどうなるのかが気になります。またきっとどんちゃん騒ぎになるのでしょうが。気になる3人はどんなどんでん返しを見せてくれるのか。

上へ上へと這い上がる人間、蹴をとされる人間達の姿を描いているオープニングの画像、まさにこういう修羅場がまたも繰り返されるのです。

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