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サンガプ屋台   躍動感のある、前世の罪を償う女の話です。

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サンガプ屋台 Mystic Pop-up Bar 全12話(2020年 韓国jtbc) Netflix

冒頭の史劇の部分では、可哀想な悲劇の巫女(パク・シウン)の登場で、なんかしっとりとした雰囲気から、ファン・ジョンウムさんに変わってから、同じドラマとは思えない展開に。

ポスターなどで、ファン・ジョンウムさんのお顔の変身になんか違和感を感じましたが、それは最後まで続きましたね。彼女のコスチュームは独特でしたが、「運勢ロマンス」でも独特のファッションセンスでしたから、こういうスタイリストさんが好きなのかもしれませんね。濃いお化粧も、この世の人間ではないというイメージを与えるためなのかな。

「10万人の恨み、悩みを解決しなくてはいけない」という大きなノルマをこなさなくてはならないウオルジュが、最後の10人の恨み悩みを1話で完全解決していくという展開と、それぞれのエピソードには、特別出演の俳優さんが豪華に登場されたので、エピソードが充実していました。

ただ、そのエピソードは、感動させるポイントもあるのですが、どのエピソードも教訓がたくさんあって、道徳の教科書みたいにも感じました。カウンセリングドラマみたいな感じもしました。

なんかあのドラマのパロディだな〜と感じさせるエピソードが多かったですね。でもファン・ジョンウムさん、チェ・ウォニョンさんの演技力は、やっぱりすごい。チェ・ウォニョンさんは、とっても温かさを感じる演技で、いつもの変質的な役柄よりも素敵でした。

霊界・霊魂・恨み・転生・前世・地獄・霊魂の浄化……

過去の因縁、イ・ホン世子とウォルジュの恋をずっと引っ張ってこのドラマは進行するのですが、その真相をどこで明かすかがポイントだと思うのですが、このドラマは、それがとってもいいバランスで明かされたので、ストレスなく視聴できました。500年遡るのですから、史劇と現代劇のコラボドラマになっていますが、そのバランスも絶妙でしたね。

ファンタジーヒーリングドラマのジャンルに入るようですが、こんなヒーリングドラマって、好きです。過去の因縁、悪行で、何百年も魂が浄化できずに転生できないでいるヒロインを描いた「ホテルデルーナ」と比較されているようですが、エピソードは、こちらの「サンガプ屋台」の方が面白かったし、わかりやすかった。「ホテルデルーナ」は、現生で生きることの辛さが強く暗く描かれていたけれど、「サンガプ屋台」は、現生で生きることを明るく、力強く生きろというメッセージも伝わってくる描かれ方でしたから。ドラマの余韻は「ホテルデルーナ 」の方が強かった。

原作:ペ・ヘス「サンガプ屋台」2017年 大韓民国漫画大賞受賞

演出:チョン・チャングン 「家族なのにどうして」「恋するパッケージツアー」
脚本:ハン・ユナ

キャスト

ファン・ジョンウム=ウォルジュ

チェ・ウォニョン=クィ班長

ユク・ソンジェ=ハン・ガンベ

ヨム・ヘラン=閻魔大王

イ・ジュニョク=ヨム部長  閻魔局部長。死んだ霊魂をあの世に導いて閻魔大王の伝言を伝える部長死神。
オ・ヨンシル=産神

あらすじと感想

このドラマの始まりは、「太陽を抱く月」を彷彿とさせます。世子と巫女、二人の中を裂こうとする人達というドラマの構成が。

およそ500年前、他人の人の夢に入って病や悩みを解決するという能力を持った巫女ウォルジュ(パク・シウン)、母親も巫女です。悩みを解決する度に「ありがとう」って言われるのが大好きな明るい少女でした。

そんな時に、世子の健康がすぐれず、王妃は、神の木に何度も祈りをささげるが、世子の容態はよくならず、眠たっままでした。
ウォルジュの巫女としての能力を聞きつけた王妃は、彼女に世子の命を救うように懇願します。

ウォルジュ(パク・シウン) は世子の夢に入り、苦しめている要因を突き止め、世子は、だんだん元気になります。王妃からは王家を救ったと褒められますが………夢の中で、ウォルジュに惚れた世子は、ウォルジュに好意を持っている事を告げます。彼女は、戸惑いますが、強引な世子に負けてしまいます。世子を救ったのに、「世子を惑わせた、誘惑した」という噂や、過分な褒賞などが、ウォルジュの立場をどんどん悪くしていきます。

その悪い気を感じた母は、ウォルジュにこの街を去るように言いますが、そのすぐ後に、家が炎で覆い尽くされ、母親は息絶えます。

「私を守る」といった世子、母親を殺した人達を呪いながら、神聖なる神の木で、自殺を試みますが、母からもらったかんざしが地に落ちて、ウォルジュの魂は彷徨い始めます。

そして現在に時間は移動して

サンガプ屋台、あの世とこの世に行き来する女将ウォルジュが、切り盛りする屋台
サンガプとは、双方が、甲(強者)であるという意味。(jtbc HPより)
あのかんざしをつけて元気にお店を切り盛りするウォルジュ(ファン・ジョンナム)がいます。

前世で、神聖な神の木で自殺を図ったウォルジュは、子供を授かっていたのです。後半で詳しく語られるのですが、信仰の木でもあった神の木で自殺したこと、そしてお腹の子の命も奪ったことは、重罪なのです。霊界の裁きで、「10万人の恨みや悩みを解決しろ」というノルマを課せられたのです。
彼女の側には、見張り役のように側にいるクィ班長、と死神のヨム部長がいます。

悩みを持つ人の夢の中に入って解決してきましたが、ノルマ達成まであと10人なのに、ここにきて暗礁に乗り上げ気味です。霊界から、早くノルマを達成しないと地獄行きだと脅されるウォルジュ。

そこへ、スーパーの「お客様相談センター」で働くアルバイト店員ガンべ(ソンジェ)が、助っ人として現れます。でも彼は自分の能力がウォルジュを助けることは知りません。
彼の手が、触れた瞬間、相手が悩みを勝手にペラペラ話し出してしまうというガンぺの特異体質、特殊能力を利用して、ノルマをこなそうと考えたウォルジュです。3人の力を合わせて、残り8人の恨み、悩みを解決し始めます。

キャストさんへの感想をちょっと………………………………….

ファン・ジョンウムさんは、相変わらずのキャピキャピ演技で、人間の夢の中に入って恨み、悩みを解決する強い女性を、上手く演じられていましたね。人の悲しみを察することの出来る大人の女性を。でも、巫女時代のパク・ジウンさんとは、どうしても違和感がありました。500年前の清純な少女と現生の逞しい彼女、でも500年生きれば、女性は変わるのです。(「星から来たあなた」のキム・スヒョンさんは、全然変わらなかったな〜。「トッケビ」もそうだったな〜。IUさんも変わらなかった。。。)

クィ班長、ウォルジュを守るために側にいる男を演じたチェ・ウォンニョンさんが、いい味を出していましたね。3人のケミがとても良かったのは、彼がいたせいかもしれません。ソンジェ君より素敵でした。あのウォルジュを守ると約束した世子が、転生してクィ班長になっていたというのは、なんか分かってはいましたが、500年経ってしまって、切なさがなくなってしまい、ただの守り人状態だったのがちょっと残念でした。

若さのソンジェ君、「トッケビ」以来、拝見していなかったのです、とっても大人になった感じがします。彼の手が触れただけで、悩みを告白されてしまう特異体質のために、コミニュケーションを避けて、おどおどしながら生きている青年を好演していました。子供の頃から変な子と言われて育ったにもかかわらず、一生懸命生きているガンぺです。そして、ウォルジュのお腹に宿っていた子供は、転生を重ねてなんとガンぺだったのです。だから特殊能力があったのですね。彼がそんな体質になってしまった訳にもウルッときてしまいました。

ガンぺの恋人役、逞しいSP役で登場していたヨリン役のチョン・ダウンさん、前世は、鏡面朱砂だったのです(よくわかりません)そう彼女も特殊能力を持つ人の転生した姿だったのですね。彼女も特異体質のために、恋愛や人付き合いに苦労していたのです。そんな2人が好意をもち、それが恋愛に貼ってしていく姿が、初々しくて、ガンぺとやっと人間らしいロマンスに発展して良かった。

閻魔大王役のヨム・ヘランさん、すごーい迫力と存在感でした。怖さと人間らしさの弱点もある閻魔大王で、なんか可愛らしかったです。

12話、ウォルジュもノルマを達成したと閻魔大王に認められて、転生するように言われましたが、彼女は、今んままでサンガプ屋台の女将で、人の悩みを解決していきたいと伝えます。消滅したクィ班長も戻り、ガンぺもヨリンと特異体質を克服し、笑顔で過ごしています。そしてサンガプ屋台に訪れます。

ウォルジュが、無意識の階段からどうやって戻ってこられたのかは、多分「徳」を積んでいたからでしょうね。霊界の人も「徳」を積んでいる事で、評価される場面がありましたから。ノルマのために人を助けたかもしれませんが、ウォルジュの行為は、一生懸命でしたから。口は悪くても行動は潔い女性でした。ハッピーエンドで終わりましたが、このドラマ、この終わり方しかないでしょう。

 

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