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ビューティー・インサイド 爽やかな風を感じるドラマ!

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ビューティー・インサイド Beauty Inside 全16話(2018年 Jtbc)

バカバカしいのに、なんかシリアスで目元が熱くなるドラマに出会えました。

テーマは、「人の内面を愛することができるか」

愛する人が、どんな姿になろうが、どんな姿であっても、外面に惑わされずに愛し続けることができるか!

セゲが、月に1回変身するいろいろな人間像にドジェが、驚かないどころか、自然に寄り添えた。
セゲが変身した人間達は、セゲの分身でもあり、セゲの生きるプロセスでもあり、セゲ自身なんです。その人間達の目を通して、姿を通してセゲは成長し、その変身した自分と向き合うことによって「愛」を知るのです。どんなに変身しようと寄り添うドジェの「愛」は一途でしたね。

このドラマでは、お互いの障害や病気を、「傷」という言葉で表現している。
「傷」は、この恋愛の障害にはならないのだと、それは一つの要因に過ぎないからと。
すごく前向きな生き様を伝えるドラマなのです。

コミカルさとシリアスさもあり、前向きな爽やかな風を感じたドラマでした。

ソ・ヒョンジンさん、すごくおおらかに伸びやかにこのハン・セゲを演じられていました。だからすごく綺麗で輝いていて素敵でした。

イ・ミンギssiも、いい味出していました。落ち着いた大人の男の魅力を。恋に落ちたら一途になってしまう男を。

俳優って、作品のキャラクターのイメージに左右されます。そしてそのイメージ通りに演じられるか、視聴者によく評価されるかが勝負ではないのかな。
でもそのキャラクターとの出会いって、その俳優さんの生き様に関わってくるはずです。ドジェ、セゲへのその作品のキャラクターへの賞賛なのか、イ・ミンギssi、ソ・ヒョンジンさんへの賞賛なのか……..
賞賛に感謝して、自分だけの力ではないと謙虚に受け止める俳優さんであれば、きっと素晴らしい演技者に人間になれるのでしょうね。
このドラマ見てふっと感じました。

お二人、とても素敵な大人のカップルで、いい感じ。34歳、同じ歳なんですね。

原作は映画の「ビューティー・インサイド」2015年。

月に1週間、他人の顔、姿に変身するトップスター、ハン・セゲ。

「毎日」という設定を「月に1回1週間」変身する…..というように構成を変化させたのが、とにかく視聴していて理解しやすくさせましたね。「毎日」だった映画では、あまりにファンタジーを超えてホラーっぽく感じて馴染めませんでしたから。


あらすじ……..

韓国で知らない人はいないトップ女優、ハン・セゲ(ソ・ヒョンジン)。演技力はあるものの、撮影をすっぽかしたり突然いなくなるためトラブルメーカー扱いされていた。だがセゲには誰にも言えない秘密があった。それは1ヶ月に1度、一週間だけ顔が別人になるということ…。ある授賞式の夜、突然その症状に襲われたセゲは授賞式会場から逃げ出し、その結果彼女を広告モデルに起用していたティーロード航空は対応に追われることに。本部長のドジェ(イ・ミンギ)は姿をくらましたセゲの悪口を言いつつ彼女を探し出すよう部下に命じる。だが相貌失認のドジェはセゲの顔が認識できないでいた。そして部下との通話を目の前で聞いていた女性こそがセゲだった!ドジェに対し最悪の第一印象を抱くセゲ。その後ある契約のためドジェはセゲを伴って出張に赴く。無事契約は終了するが、その帰りの飛行機でセゲに症状が現れ、ドジェの目の前で顔が変わってしまう!だがドジェは動じずセゲの窮地を助け出す。驚かないドジェに対しセゲは興味を抱き始める。一方セゲの態度を不審に思った ドジェはその後彼女の秘密を知るが、何故か他の人は見分けられないのにセゲのことはどんな姿でも分かることに気がつき…。一方、ドジェの血の繋がらない妹のサラ(イ・ダヒ)はドジェのことが気に入らず、何とか兄の弱みを見つけようと躍起になっていた。そんな中ウノと出会ったサラは次第にウノの存在が気にかかるようになる。

演出:ソン・ヒョンウク
脚本:イム・メアリ

キャスト
ソ・ヒョンジン(ハン・セゲ)
イ・ミンギ(ソ・ドジェ)
アン・ジェヒョン(リュ・ウノ)
イ・ダヒ(カン・サラ)
チョン・ジュファン(イ・テリ)
ムン・ジイン(ユ・ウミ)


他人の顔を識別できない、相貌失認の財閥3世ソ・ドジェという設定もスゴイ。この脚本家、初めて名前を拝見しましたが、キム・ウンスク作家のアシスタントをしていた方だそうですね。
男女問わず、国籍関係なく、年齢も関係なく月に1週間だけ変身してしまうなんてありえない設定なのに、それを納得させてしまうパワーに彼女の才能を感じます。
このシーンの本屋さん、トッケビの本屋さんですね。

演出家のソン・ヒョンウクssiは、「海雲台の恋人たち」「恋愛でなくて結婚」「また!?オヘヨン」「ブレイン」などを手がけた方なのですね。みんな視聴済みで、忘れられないドラマばかりですね。

心に残るセリフ、印象に残るシーン、綺麗な映像、その背景に流れる心に染みる音楽、そして素敵な俳優陣、こんなにバランスが取れているからこそ、人に好かれる好感の持てるドラマになったと実感できる作品です。
OSTはどれも素敵な音源でした。

セゲもドジェも公には出来ない「傷」を抱えて生きています。セゲの「傷」を知っているのは、ウノとセゲの事務所代表のウミ。ドジェの「傷」を知っているのは、オムニと秘書のジュファンだけ。
人に言えない、理解してもらえない「傷」を持つ二人が急接近した流れもなんか納得できてしまうシナリオに拍手です。

セゲは、「歯に衣着せぬ」女性です。ズケズケと思ったことを言ってのけますが、月の1週間他人になってしまう10年間を、自分の力で生き抜いてきた芯の強い信念です。
ストレートなハン・セゲの言葉が強く感じることもありますが、でもなんかジーンとくる奥深さがあるのよね。心の奥に響いてくるのよね〜

授賞式会場から脱げ出すと時に、ハイヒールの靴が脱げてしまったセゲ、まるでシンデレラ物語のようなシーン、白磁の陶器のような凜とした佇まいと透き通るような美しさを兼ね備えたトップスター、ハン・セゲ。
ちょっと派手さが足りない感もありますが、庶民的なトップスターという感じで個人的にはいいなぁと。
そんな女性を演じたソ・ヒョンジンさん、ますます綺麗になられていますね。「また!?オヘヨン」の時より「愛の温度」の時より輝いて見えました。
シリアスな場面ですらコミカルさを感じさせる演技力は、かっこいい!!

その脱げた何処かに消えてしまっていたハイヒールを持っていたのは、ドジェのオモニでした。1話で無くしたハイヒールが6話でオモニから渡される、それは、ドジェとの交際を承諾したというオモニの気持ちでした。韓ドラにありがちな高慢でわがままな財閥のオモニでなくて良かった。このシーンでも感じたのですが、コメディー要素とシリアスな要素のバランスが絶妙で、とにかく面白い。

1話から6話まで前半では、お互いの「傷」の探り合いの中で、セゲがドジェに心を許すまでが描かれました。後半はベタベタロマンスな構成でしたが、3話で、このドラマに嵌りましたね。前半の方がシリアス感が強くて面白かったかな。

このシーン、胸がドキドキしました。10代の少年に変身したセゲ(キム・ミンスク)に、ドジェが髭の剃り方を教えるシーン。
鏡に映るセゲは、10代の男の姿だけど、ドジェの目に映るセゲの姿は、セゲのまま。セゲのときめきとドジェの一途な想いと二人の間に生まれた信頼感を感じるシーンでした。ベタベタしたキスシーンよりずっと官能的でした。

大好きなドラマ「大丈夫 愛だ」でもこんなシーンありました。お互いの信頼関係を物語るシーンでしたね。

ドジェは、自分の顔すら認識できなくなって、外面で判断するのではなく、声や歩き方、雰囲気など、その人をいろいろな角度からじっくり観察することで、その弱みを力に変えていました。財閥3世で、人に言えない隠さなければならない「傷」がある彼が、人間関係を狭めて生きてきたというのは理解できますが、とにかくコミニュケーションが普通ではないのです。それに戸惑うセゲ。その彼らの会話のちぐはぐさに目が離せません。

事故で「傷」を追ってからの10年間で、ドジェは財閥の中でマイナス面を隠して生き抜く強さを、セゲも、女優として人に見られる世界で、絶対に見させられない自分を隠し通す強さを持っている二人の恋愛ですから、大変です。セゲのストレートな表現は、生きる強さなのかな….

「一緒に寝よう」と言ったかと思えば、「僕は君がどんな姿でも見つけることができる」言われれば、そりゃー思いますよね….
でもその言葉の真意を知ったら、笑えます。でも、気になって仕方がなかったのです。ドジェは、セゲより先にセゲに恋してしまっていましたから。

彼女の「傷」を守るヒーローにもなるドジェ。

「僕は君がどんな姿でも見つけることができる」究極の愛の言葉なんですが……

5話、6話まで自分のことを認識できないセゲとドジェの苦悩の会話が続きますが、相手の目に映るのはセゲであり、ドジェなのです。
でも自分のことを認識できないって、どう言うことなんでしょう?
顔が認識できないこと?
他人に変身してしまっていつもの自分に戻れるかどうかいつも不安に駆られているから?
セゲのペンダントは、その証だし、ドジェの大量の洋服は、きっとそれを身につけた記憶で自分を認識しているのでしょうか?

イ・ミンギssi、「この人生初めてなので」でも心が温まるヒーローでしたが、このドラマでも思慮の深い、思いやりのある大きなヒーローをかっこよく演じてくださり、心が清々しくなりました。

もう携帯から目が離せない、携帯にまで笑顔を振りまくドジェ、ヤッパリ一途な男です。

どうしてセゲが変身するのか?

「今日のセゲはここまで」

セゲが他人に変身して、その変身した人の時間を過ごすことで、彼女はいろいろな人の人生に踏み込んでいたのです。その時間が、そのシーンがまた心温まりました。その中で成長していくセゲ。
その時間の重要性がしっかり描かれていたのが、このドラマを飽きさせなかったのはもちろん、心にジーンときたのです。脚本の秀逸さと綿密さに感心しました。

セゲとドジェは本当は運命的な出会いをしていたのです。セゲがパリに旅行中に初めて変身した時、ドジェは一人の老婆をかばい交通事故で相貌失認を患いました。その老婆がセゲだったのです。
でも、この事実を知ってしまったセゲは、ドジェの前から姿を消します。

ドジェの「傷」は自分のせいだったのです。彼は彼女の負担をなくすために、成功率が低い手術に踏み切ります。
そして成功…..

サラとウノのカップル、癒されました。

ド派手な衣装に負けないくらいの強い女性カン・サラ。
容姿端麗なカン・サラと神父として生きる決心をしているリュ・ウノ、このカップルはなんかすごく良かったし大好きでした。
サラは、10年前に、ドジェの母親が再婚した相手の娘です。だから、家族に認められたい願望と本来の才色兼備の気性とがマッチしてあんな表現しかできない女性になっていたのでしょう。
最初の登場シーンでは、鼻持ちならない最低の女性かと思いきや、心が開かれていくと本来の彼女の姿が現れてくるという設定もすごくよかった。
もちろん心が開いた原因は、ウノの心の温かさでしょう。

新しい女性像を見せてくれましたよね。
世の中の女性に対する偏見と戦いながら、ウノとの運命の出会いに感謝するサラは、本当にいい女です。

私は、彼を新婦=神父にしますって。クールですよね。

アン・ジェヒョンssiは、年下男子ウノの魅力で、癒してくれました。
「君はペット」ではないですが、思い出してしまいました。

二人が信頼する、秘書のジュファンとセゲのマネジャーウミも味のある素敵な役柄でした。二人ともきついことを言っても、それは相手を思っての厳しい助言だったわけです。わがままな二人をお世話する頼もしい助っ人でした。ジュファンもお金しっかり貯めてお家買えたようですしね(笑)

あと車がレクサスでしたね。「アルハンブラ宮殿の思い出」ではあまりレクサスがかっこよく見えなかったのに、このドラマではすごく素敵に見えました。
なぜだろう?  ヒョンビンが広告モデルですよね。韓国で人気がある輸入車種だったなんて知らなかった??

「人に愛されるためには、まず自分自信を愛すること…それが、負の要素であっても」

「人は、愛する人がどんな姿であっても愛し続けることができるか」

「人を理解することと状況を理解することは別だ」このセリフいいなぁ〜

ブレないテーマで最後まで、楽しく面白くドキドキしながら視聴できました。無駄のないシーンばかりのドラマって久しぶりですね!!

「今日のハン・セゲはここまで……..」

セゲが変身した人たちを演じた方々

お婆さん
キム・ジョンヒョン
キム・ソンリョン
キム・ミンスク
ムン・ジウン
ラ・ミラン
お爺さん(この方、映画での出られていましたよね?)

最後に愛犬 キンカン、可愛かったですね。

セゲとドジェのベタベタなシーンは、見ていて面白かった。

 

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