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愛の温度 愛とは同じ方向を見つめること…

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愛の温度 Temperature of Love 全20話 (2017年 SBS)☆☆☆☆☆

吸い込まれるように視聴しながら、考えたこと。

ドラマは恋が終わった時から始まる。
恋はタイミング。

「愛ってなんだろう?」
29歳の女と、5歳年下の男の「愛」のドラマ。
20話で描かれた二人の「愛の温度」というドラマは、大人の恋愛ドラマでしたね。
キム・ジェイクssiのキャラクターは、二人の愛の温度差を鮮明に浮き上がらせたのかもと、全てを見終わった時に感じました。
初めてジェイクssi、素敵と感じました。

年下の男に好きと言われて、彼を警戒しながらも自分の気持ち・ときめきに揺れてしまう大人の女、ヒョンス。
どんどん彼に惹かれて行ってしまっている感情を、世間体や、仕事が大事だと言い訳をして自分をコントロールするヒョンス。
でも彼女もジョンソンと「あっという瞬間」を共有していたことを認める。
「Fall in Live」の瞬間を….

このドラマはそんな瞬間とその恋を受けいれて新しい自分の世界に立ち向かおうとする彼らのドラマですね。

愛の温度ってタイトル面白いです。
主人公達の揺れ動く心模様を描くドラマ。
目先にとらわれるように流れるドラマではないのに、こんなに心が奪われる。
しっかりとした脚本のせいなのでしょうね。

温度の変化で料理の味は美味しくもなり不味くもなる。
温度の変化で愛はどうなるのか?

感情の温度差を描いた作品です。あまりにゆっくり、丁寧に描きすぎた感もありますが、落ち着いた作品で個人的には好きなドラマに入りますね。
アンニュイな感じで、静かに流れるようなOSTがドラマ全体に流れていて、心地よかったな〜

このドラマの会話の言葉が全て、印象的でそしてクールでした。映像だけではなくて….

ソ・ヒョンジュンさん、自然体の演技がとにかく圧巻で素敵でした。さすがロマコメクイーン!!
セジョンさんは新鮮な可愛さをばらまいてくれましたし、ジェイクssiは、こんな温かい大人の男性を演じられるお年になられたんだと。


演出:ナム・ゴン 「テバク~運命の瞬間~」
脚本:ハン・ミョンヒ 「ドクターズ~恋する気持ち」「上流社会』

原作は、このドラマの脚本家の長編小説「優しいスープは電話を受けない」
小説を脚本にしたせいなのか、心理描写が非常に細かい。こんな会話するかしら・・というようなシーンがたくさん。
でも丁寧に描かれていて、フンフンと頷いてしまう場面ありましたけれども。
ハ・ミョンヒ作家は、パク・ヒョンシクssiを「上流社会」で、パク・ソンジュンssiを「温かい一言」で、ヤン・セジョンssiを「愛の温度」で素敵なナムジャとして登場させました。濃くなく、さらっとした感覚の男性がお好きなのかしら。。

【主なキャスト】

ソ・ヒョンジン(イ・ヒョンス役)ドラマの脚本家
ヤン・セジョン(オン・ジョンソン役)フレンチチェフ「グッドスープ」代表
キム・ジェイク(パク・ジョンウ役) 制作会社オンエンターメント代表
チョ・ボア(チ・ホンア役)ドラマ脚本家 わがままなお嬢様
イ・ミスク(ユ・ヨンミ役)ジョンソンの母親 夫の暴力で離婚する。
シム・ヒソブ(チェ・ウォンジュン役)ジョンソンの兄貴分・元医師から料理人になる。ホンアを愛している。
イ・チョヒ(ファンボ・キヨン)ヒョンスのアシスタント


あらすじはこの言葉で包括されるような気がします。
ヒョンスとジョンソンの5年後の再会から始まります。

「彼に再会した。自分が大声を出し、騒いでいるこの場所で。ただの一瞬も忘れたことはなかった。偶然にでも会いたいと願っていた彼に。29歳。青春の最後の最後で出会った、私の初恋。」

新進気鋭の若きフレンチシェフ(オ・ジョンソン役)のヤン・セジョン君とランニング同好会で出会った脚本家の卵ヒョンス役のソ・ヒョンジンさんの再会、その後、そして新たな旅立ちを丁寧に描いた作品です。
ジョンソンは、フランスに料理修行に行くことになり、ヒョンスとは別れてしまいます。5年間の料理修行から帰国して「グッドスープ」というレストランをオープンさせ、そこで偶然にもヒョンスと再会することになります。その5年の間、ヒョンスを支え脚本家としてデビューさせたのは、ジョンウでした。
ジョンウは、ヒョンスの事務所の代表でもあり、ジョンソンの理解者でもあり、「グッドスープ」へ投資もしています。
そのジョンウもヒョンスを愛していたのです。
ヒョンスとジョンソンとの出会い、別れて、後悔して、愛して、揺れる。遠ざかったり、近づいたりする過程で彼女は揺れたり、苦しんだりしたけれど再びそこから二人の方向性を見つけ出すドラマでした。

サン・テグジュペリの言葉

「愛とはお互いを見つめることではなく、共に同じ方向を見つめることである」

この言葉にこのドラマ凝縮されているというのが感想ですね。
恋人同士の愛も、それを見守る人の愛も。。

ヒョンスとジョンソン

前半は出会い、恋のような感情に陥るが、年上のヒョンスは「もう少し若かったら付き合ったかも」と拒絶。でもジョンソンは諦めずに強烈にアタックする。
….とヒョンスの心は揺れ動きます。とにかくジョンソン(ヤン・セジョン君かどちらか)が、初々しくて可愛くて、恋に落ちるでしょう。
二人のデートシーン、初めてのキスシーンの映像はウットリしっ放し。

「キスしたいです。この気持ちが愛なのかまだわからないけれど」

「そんな風に正直に言う男に女はキスしないわよ。女は幻想を抱くの。愛しているからキスしてくれると」
さすが、ハン・ミョンヒ小説家。

若さと無謀さと強引さで押しまくる年下男が全然似合っているヤン・セジョン君です。

大好きな浪漫ドクターキム・サブであの嫌な病院長の息子を演じている時に誰なのかな〜とはちょっと感じていましたが、こんな魅力のある青年だっとは。。

ジョンウssi (キム・ジェイク)

このドラマの存在感を与えたのがキム・ジェイクssiの活躍でした。
ヒョンスを見守る男として。。
意地悪い男になったり、子供ぽい表情をしたりと素敵な二枚目でした。

同じ女性を好きになる・・・三角関係
恋はタイミング。「応答せよ1988」でも ジョンファンの独り言が印象に残っています。
もし、ジョンウがヒョンスの肩を抱かずに、あの時抱きしめていたら。。
プライドも捨ててヒョンスに迫っていたら。。。

ジョンウssiは、大人、会社の代表、ヒョンスの理解者そんな肩書きをなくして一人の男としてヒョンスに「告白」するタイミングを逃していた。でも彼のプライドが邪魔していたように感じてしまう。ジョンソンのストレートな愛の告白の前では何のパワーもなかった。ジョンソンは、若さゆえの暴走とヒョンスは感じていましたが、彼女の心の中心に突き刺さった。ヒョンスも気がつかない中で。。

ヒョンスとは事務所の代表と脚本家という関係、ジョンソンとは兄弟のような良き理解者の関係。
ジョンウは冷静なビジネスマン。彼の仕事ぶりは、いろいろな問題を丁寧に時には素早く決断して解決する。
ヒョンスの脚本家としてのいろいろな問題も恩着せがましくない解決してしまう。これにはヒョンスも揺らいでしまう。
ジョンソンのお店の問題も同様に解決してしまう。代表としてではなく、そこにはジョンウssiのヒョンスとジョンソンへの信頼感と愛情があったのです。

彼は、彼の成功を祈って遠い世界へ行ってしまった父への愛、それから長い時間を孤独の中で戦い抜き、今の彼がいる。
彼は、そんな時に出会ったジョンソンとヒョンスは何にも代えがたい大事な存在だったと思うのです。
男同士の固い友情と純粋な愛情を注いだ二人が、彼のそばから離れてしまう状況になってしまった。
ジョンウは、行動を起こす。

でもそれは彼の感じている不安感、虚脱感、孤独感の表れだったような気がします。
そういう複雑な感情を彼は、さらりとクールに演技されましたね。これからの活動も気になり始めました。
ジョンウさんは、「足長おじさん」でした。若き才能を見守り、育てる事業家でした。
その彼が、ヒョンスを見守りながら、男として彼女を愛し始めてしまっていたのです。

ジョンソンに向けた彼の挑発の言葉、「君がヒョンスに与えることができるのは何?私は望むことを全てを与えることができる」と…..
この言葉は彼自身に投げかけた侮蔑の言葉のように聞こえました。哀れさと凄まじさと手放したくない悲しさが入り混じった感情。
そこまでやらないと彼は諦めきれなかった…..
そうしないとジョンソンとの友情も消えてしまうような気がしたのかな…

彼女の家を見るジョンウssi…..刹那さすぎる….

夢にまでヒョンスが出てきてしまう、これが彼の切ない愛…

俺が一番好きな男=ジョンソン、俺が好きな女=ヒョンス、俺が一番好きな男が好きな女にプロポーズする男=ジョンウ、その女の心には俺がいないことはわかっているのに。そんなジョンウssi

大人の男のセクシーさとクールさが際立った彼の存在感でした。
大人の男のセクシーさを感じる男優さんリスト作ろうかしら。まずは、ユ・ジテssi、イ・ドンゴンssi、ソ・ジソブssi、チャン・ヒョクssi、イ・ソジンssi、コン・ユssiが頭に浮かびました。キム・ジェイクssiもです….

ヒョンス (ソ・ヒョンジン)

ソ・ヒョンジンさん、ますます演技がナチュラルで素敵でした。
このドラマの立役者でした。三角関係が嫌にならないで視聴できたのも彼女の力です。

彼女も、ヤン・セジョンさん、キム・ジェイクさん、目で会話する俳優さん。

目つき、表情で感情の機微を表現できてしまう。そこに小説のような会話?で引き込まされました。
だからじっくり目を開けて見ないとドラマの流れについていけない、理解できない。

彼女は自分の気持ちを繕わない女性でした。
彼女の愛は、ジョンソン。
彼女の人間愛は、ジョンウssiに向いていた。

このシーンで彼女はジョンウssiを好きという感情を持ったこともあると告げます。でも愛しているのはジョンソンだと。
こんな素直で可愛い女をジョンウssiは、自分のものにしたかったでしょうね。未練がいつまでも続いても仕方ないかな。

このドラマがだるくなってしまうか、ならないかは、ヒョンスが理解できるかどうか。
ヒョンスの感情に共感できるかどうかではないかと。。。

前半10話まで視聴していて、ヒョンスの態度には正直共感できない私がいました。
ジョンウとジョンソンの間で揺れ動いているような描かれ方でしたから。

後半をじっくり見ないとヒョンスに共感できない。

でもこれでもかっていうくらいのラブラブなシーンが延々と続く……………………

前半は、ジョンウssiとジョンソンssiのナムジャ二人があまりに切なかったから、ヒョンスが嫌な女に見えたこともあります。

でもジョンウssiの愛は、「思い込みの愛」のように思うのです。彼のビジネスマンとしての資質からか、彼女を自分に向かわせるやり方が、一方的だと感じたから。
普通、こんな男性に愛していると言われたら、普通の女性は傾きます。男性としても事業家としても成功しているのですから。
ジョンウssiは、両親を早く亡くし苦労して今の地位を築き上げた成功者です。でもずっと孤独だったのかな。代表、社長と呼ばれる人は社会的には孤独者だと思うので、家族が、唯一の孤独を慰めてくれる女で初めて自分が家族にしたくなった女がヒョンスだった。

そんなジョンウssiをきっとヒョンスは理解していたような気がします。だからはっきりとした態度には出れなかったと。
ヒョンスの才能を見出し、理解し、育ててくれたジョンウssiを、代表として感謝しているのか、彼女自身も戸惑っていたようにも見えます。ただ、ジョンソンへの愛を確信して、彼女は一歩前に歩みだしました。

ジョンソン君 (ヤン・セジョン)

ジョンソンの愛はストレートにヒョンスに向かっていましたが、フランスに行く前にヒョンスに告白するも、またも拒絶されてしまいました。ヒョンスは仕事を取ったのでした。5年後のジョンソンはの気持ちは、変化していませんでしたが、ヒョンスにはその気持ちを隠していました。

ジョンソンは、ジョンウssiとは違い、ヒステリックな母親と父親がいる家庭で育ち、両親が離婚した後は、その厄介な母親の面倒を見ていました。
母親は、憎めない性格の女性だとは思いますが、一生ジョンソンを悩ませるでしょうね。できちゃった結婚から、夫のDVに耐え、それから逃げた後は、好き勝手な人生を歩み始めた。でもお金にルーズなのは困ったものですが。そのためにジョンソンはどれだけ切なく悔しかったか。男にとってこのような家庭的な問題ってプライドが傷つきますよね。

でもお母さんのファッションとても素敵でした。それはお金が必要だわ…..

父親のトラウマを抱えたジョンソンは、母親とも一定の距離を保とうとしているくらいに家族間の問題で心を病み、頑なな性格になったような気がします。真面目さとも感じますが、それよりも人には触れられたくない問題だったと思うのです。ヒョンスはそれが理解できないことが、後半がイラついた原因かな。

男はプライドで生きている人間って聞いたことがありますが、ジョンソンもその家族の問題には愛している人だからこそ触れられたくなかった。
でもヒョンスへの恋はストレートでしたね。直感で感じる「愛」だったのかな?

ジョンソンは、ヒョンスとの愛情を確認してからは、もっと生真面目になりましたね。その愛を守るために。
ヒョンスから「一緒に住もう」と言われたジョンソンはまだ無理と断ってしまってから、ヒョンスが彼の態度が理解できずにきつい言葉を彼に投げかけます。
ヒョンスには両親の問題で苦労して欲しくはないと彼の思う気持ちが、ヒョンスには理解できなかった。
両親の仲が良すぎで、愛されて成長したヒョンスには、「愛」があればどうにかなるという思いがあったように思えます。

「仲の良い両親を見ていると恋愛なんて大したことがない。大したことのない恋愛に大切な今を使ったらもったいない」と言われて断られたジョンソンでしたし。(5年前)
ジョンソンが、ヒョンスの母親が入院している病院へお弁当を毎日届けるのも、「機能的に行動するあなたが理解できない」みたいなセリフがあるのですが、温度差があるとジョンソンの誠実さが、そんなように受け取られてしまうなんてかわいそうなジョンソン君。

でも最後はまた、海外への仕事に出かけることになったジョンソンをヒョンスが追いかけて二人の未来の扉が開けました。

そう、ヒョンスは「愛という感情に酔っていただけ」現実を見ていなかったんですよね。。

ジョンソンは、思い合ってる二人の運命は絶対だと信じている男なんですよね。若いのにある意味頑固ですね。揺らがない。
きっとこの人だと思った瞬間から、彼は絶対に自分の感情を裏切りたくなかった。両親のようにはなりたくなかったのかもしれません。
ジョンウssiはそういうジョンソンが羨ましくもあり、いじめたくなりヒョンスへの気持ちをジョンソンに伝えたような気がします。

7話〜8話で流れたOST、「運命のように君を愛す」で使われたAileeさんの「Good my Love」とチェ・ドンハさんの「Ypu’re Like Fate」が流れました。もうグッドきてしまいました。

日本バージョンの、Seven O’clockの「君だったし、君だし、君のはず」のOST、なんか好きになれませんでした。日本語が拙くて聞きづらかった。せっかくのドラマなのにね〜。韓国版の方がバック音楽として良かったのに。。

この場面でも流れましたが、このOSTが一番好きでした。

エンディング〜

ジョンウの誕生日のジョンソンシェフのケーキは美味しそうでした。それを豪快に味見するジョンウssiの嬉しそうな顔。ジョンソンとの信頼関係、お互いを認め合う尊重し合う関係にゆるぎないのが分かるシーン。

ジョンウssiは、大人ですね。今後3人が今までの関係を保っていくには、お互いの素直な心を明らさまにしてからこそ、その過程でもっと固い関係が築かれることを予想していたのかな。。

このドラマ、三角関係ではない。だってヒョンスは揺らいでいなかった。そうジョンウssiが言ってましたよね。

愛は愛し合う二人がするものだから。

ホンアとウォンジュンのカップルはわがままお嬢様と一途な男のカップルでしたし、キヨンとジュナのカップルは、ドラマに必要だったのかよくわからなかったです。ドラマには必要なティータイムカップルのようです。

20話という長い恋愛物語….
飽きずに、心地よく鑑賞できました。

もちろん私の中での☆5です。

ソ・ヒョンジンさん、ヤン・セジョンssi、キム・ジェイクssi皆さんがとってもいい味を出されていました。
ヤン・セジョンssiの繊細な演技、本当に韓国の男優さんはすごいな〜と感心するばかりです。
キム・ジェイクssi、「コーヒープリンス」「赤と黒」「ボイス」と拝見していましたが、今回、初めて大人の味わいのある男優さんに成長されたとやはり感心いたしました。なんか今までの役柄は屈折した心で、折れそうな役柄ばかりでしたかから。今回はやはり屈折した心を持っていても、それを表に出さずに生き抜く強さを演じられました。今後の活躍が楽しみですね。

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