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哲仁王后 全体を通しての感想

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哲仁王后-チョルインワンフ Mr.Queen 全20話(2020~2021 tvN)衛星劇場

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このドラマは、とにかく素晴らしいエンタテイメントな作品で、リスペクト出来る作品でした。フュージョン時代劇としては最高に面白かった。シン・ヘソンさん、キム・ジョンヒョンさんのケミも熱くて、韓国で大ヒットしたのがよく分かりました˘⌣˘♡
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中国で放送されたウェブドラマ「太子妃升職記」のリメイク放送権を購入して企画された作品という事だったが、その原作小説家が、過去の作品で韓国に対して否定的な発言がったとか、朝鮮王朝実録に関するセリフで、表現が不適切であったとかで、制作陣が謝罪した….というニュースもあり。歴史歪曲騒動に巻き込まれ、公式動画全て非公開になりました。一つの作品として評価できないのか? 不思議です。
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そして、哲宗役のキム・ジョンヒョンのプライベートな問題、事務所との契約の問題が話題に上がり、このドラマに水をさしてしまった。日本での放送も危なかったという噂も…….
でもどうして日本ではNetflixで配信してくれなかったのか?このドラマは、「宮」の様に後世に残る韓国フュージョン時代劇の傑作となると思うのは私だけか。
哲仁王后(チョルインワンフ)の独特な世界

おおまかな時代背景は踏まえながらも、史実にとらわれず、自由なドラマづくりをするのがフュージョン時代劇というジャンルですが、今までにもたくさん楽しませてもらいました。が!!………


この「哲仁王后」は、大統領府で最年少シェフを務めるボンファンが、哲仁王の時代にタイムスリップして、その后になる予定のキム・ソヨンの身体に魂が入ってしまうことから始まるコメディ要素満載の時代劇。
「現代の男性の魂が、過去にタイムスリップして后の体に入る」外見は女性ですが、中身は現代に生きる自信家で、傲慢で一流のシェフにまで上り詰めた男が、朝鮮時代の后の体の中に入ってしまい巻き起こる大波乱の時代劇でした。
タイムスリップしてしまって戸惑ったのは、ボンファン/ソヨンではなくて、哲宗や、その周りの人間だったというのが、このドラマの最大の面白さ💥
カルチャーショックを受けたのは、哲宗だった。

哲仁王后の時代背景ー史実とファンタジーのバランス

第25代哲宗(チョルジョン)王は、歴史上実在した人物(1849~1863)、朝鮮王朝としては最後から2番目の王の時代。
純元王后やキム・ジャグン率いるキム氏一門の政治的思惑により、江華島から連れてこられた哲宗が即位したが、純元王后に垂簾政治を行われ、実権を握れなかった王として記録に残っています。安東キム氏たちに抵抗する力もなく、酒や女に溺れ在位14年32歳で亡くなったと言われています。哲宗の亡き後の次の王は高宗ですね。
「雲が描いた月明かり」パク・ボコム演ずる世子イ・ヨンのモデルは、哲宗の兄、孝明世子です。


ドラマではそれをベースにしながらも、敵の前では、何もわかっていない操り人形の王様のフリをしながらも、実際は、ひそかに同志を束ねて反撃の機会をうかがっているという構図になっているところが面白い。ボンファンには漢字や歴史の知識があったというのも、この時代へタイムスリップしても適応できる状況だった様です。(両親が漢文と歴史の教師だった様です)

企画意図を読んでみて

公式サイトに掲載されていたこのドラマを制作する意味と目的と、このドラマのぶっ飛んだ面白さとは、一致し難い様に初めは思いましたが、じっくり見直し感想を書いていると、その意味がよくわかってきました。

ロマンスでもなくブロマンスでもない新しい形のロマンス

配偶者に従属と犠牲を要求した今までの時代劇の境界線を崩し、ソヨンは各々の人生を尊重しようとする。このような型破りな中殿・ソヨンの態度は視聴者にタブーを行き来する姿を見て楽しませる。偽りか真実かわからない2人の仲は、ロマンスでもブロマンスでもない新しい形態の愛情関係だ。私たちはこれを「ノータッチ・ロマンス」と呼ぶことにする。

「ノータッチとはそれぞれ幸せになるということだ。“各自”に強調点があるのだ」

「中殿の言った通りにしましょう。ノータッチ!」

料理する男、狩りをする女

朝鮮時代、宮内の食事を取り仕切っていた使用人の熟手(料理人)と働き手のほとんどは男性だった。「宮廷女官チャングムの誓い」のイメージを覆す厨房、食刀を振り回す男性。これをもう一度覆した中殿は、私たちが漠然と抱いてきた朝鮮のイメージを遠ざけている。ここに弓を射って狩る中殿と側室の神経戦まで加わり、さらに能動的に人生をリードする劇中の女性人物を見ることができる。

宮殿の中ではみんな秘密を持っている

宮内にはそれぞれの身分と位置によって、言えない秘密と内情がある。『哲仁王后』は宮廷の雑犬さえ隠した秘密があるという設定で、様々な人物の内側、秘密を加えた。視聴者が秘密を知り、反転を経験し、外見だけでは予測できない人間の素顔と向き合う楽しさを感じてほしいと思った。

番外編「竹の森」を見るとよくわかりました。

まるですれ違った夫婦関係の様に

ドラマチックに変化する哲宗とソヨンの関係は、古い夫婦の関係に似ている。互いに相手を殺したいほど憎んでも後悔し、振り返ろうとする時はその都度タイミングがずれてしまうが、外部の攻撃の前では結局、固い関係になる。哲宗とソヨンは初めは仮面夫婦のふりをするが、結局は戦友愛のような粘り強さでお互いの頼もしい援軍となる。

哲宗とソヨンの関係は、最後にオールインし、お互いの持つ知恵とパワーであのキム氏一族の陰謀を排斥して勝利しました。

演出・脚本:主要キャスト

演出:ユン・ヨンシク/ チャン・ヤンホ 「花郎ファラン」「王の顔」「最高です!スン・シンチャン」
脚本:パク・ケオク/ チェ・アイル 「ドクタープリズナー」「カインとアベル」

哲仁王后 人物相関図 衛星劇場より
冒頭あらすじ〜 

青瓦台の最年少シェフのボンファンは、優秀だが野心家で自信満々な態度が敵を作り、何者かの差し金で彼が作った料理から釣り針が見つかるという事態が発生する。さらに、食材横流しの疑いをかけられて追われ、ホテルのベランダからプールに落ちてしまう。気がつくと自分が朝鮮時代にいて、第25代王・哲宗の王妃に選ばれたキム・ソヨンの体に入り込んでしまったと知りびっくり。哲宗に自分が男だと打ち明けるものの、信じてもらえるわけはない。結局、婚礼の儀式に臨み初夜を迎えることに。その後も状況は変わらないなか、王妃となっても中身は美女に目がないボンファンのままのソヨンは、哲宗の側室・ファジンに一目惚れ。妙になれなれしく親しみを表す彼女に、ファジンは警戒感をあらわにする。

宮廷を牛耳るキム氏一族の娘であるソヨンは、実は哲宗にとっては形だけの王妃で、キム氏と対立するチョ氏一族のファジンこそ哲宗と想い合う仲だった。そんなことは知らないボンファンは、なんとか元に戻る道を模索。ソヨンも自分と同様に宮中の湖に落ちて意識を失っていたことから、鍵は水にあると思いつき、水を求めて走り回る。奇妙な行動で女官たちを慌てさせるソヨンの、それまでとは違う生き生きとした姿を見て、哲宗はいつしか惹かれていく。一方、哲宗の知らなかった一面に触れたソヨンの心にも変化が生まれる。果たして、2人の関係はどうなるのか? そして、ボンファンは元に戻ることができるのか……!? (衛星劇場より)

シン・ヘソンの演技がすごい

今までは、大人しいしっかりとした役柄が多かった女優さんです。こんな破壊力のあるコメディ演技力のある女優さんだっとは、とにかく圧巻の演技力でした。


時代劇で、ソヨンという家門を背負いながら皇后になる女性が、自信過剰気味で、女好きでイケメンチェフの魂が入り込んでしまい、まるで現代でも嫌がられるチャラ系の男になってしまったという二つの人間、男女をここまで面白く引き付ける女優魂には脱帽してしまう。

チェ・ジニョクssiの話し方を真似ているのか、ボンファンの話し方として統一しているのかよくわからなかったが、シン・ヘソンさんの皇后の話し方は、まるで現代の男性! それもどちらかといえば粗野で、自己中心な男の話し方でした。声色も変えて、ソヨンとボンファンの魂が入った皇后を演じ分けていて、圧巻な演技でした。


ボンファンが王妃のライバルである側室ファジンに、一生懸命アプローチするところとか(女好きなボンファン)王様と寝ちゃったと思い込んで落ち込むところとか、水刺間で、現代の料理にチャレンジするところとか、とにかくボンファンが前面にでて笑えました。

ボンファンを演じているシン・ヘソンさんは、生き生きとしていましたね。今までの「黄金の私の人生」「30だけど17です」「ただ一つの愛」で、主演されていますが、この役が一番素敵!! 耐える強い女性より、痛快な強い女性の方が、お似合いだと思ってしまう。

キム・ジョンヒョンの魅力

歴史的には、無能な王で、色恋ばかり追いかけて民人や国を貧困にさせた王様の様ですが、ドラマではそれは表向きで、影では身体を鍛えて、兵を募り、国民の為の王になる計画を着々と推進している男でした。

不遇な生い立ちからか、寂しげで孤独感を漂わせながらも、とにかく、ボヤ〜とした気怠い目つきの王って初めて見た。でももう一人のキリッとした王とのギャップがたまりません。こういう王様ができ、それがとてもセクシーなのは彼しかできないでしょう。


またもう一つのギャップは、どんなにソヨンが現代的な言葉で、テンポ良く喋りまくるのに、常に冷静に、落ち着いた受け答えする哲宗に痺れましたし、そしてその言葉を書き留めて「中殿辞典」とするなんて。手紙の誤配から、やり取りするシーンでも、丁寧にきちんと対応する態度にもうやられました。ボンファン入りのソヨンとの会話がたまらなく可愛くて面白かった。

アクション演技もキレが良くて素晴らしかった。
キスシーンとラブシーンは、コメディっぽくもあり、シリアスな感じもありで、なかなかでしたね。
こんなぬけている様で、キリッともしていて、繊細で、女性には常に優しい落ち着いた態度で接する男という役柄は、彼のそのものなのでしょうか? 彼しか演じられない役がある俳優さんですね。

ギャグのセンスが光るフュージョンコメディ

タメ口で、カジュアルな喋り方のソヨンを「記憶喪失と池に落ちたショック」だと思い込んでいる王宮の家臣達。
そんなソヨンの変化は、この哲宗の宮廷での立場、政治の派閥争い、後宮内のパワーバランスが、ロックされた様に動きが取れない状況下の中で、大きな爆弾を投げ込まれた様になってしまいました。
皇后の言葉を理解できないけれど、その言葉の持つ力強さや、新鮮さに圧倒されて気になってしまう哲宗。
「中殿辞典」というメモまで書いてソヨンの言葉を記録」する哲宗。

ノータッチ・ロマンスーロマンスでもブロマンスでもない二人の関係

初夜の儀式がついに….どうにか阻止するボンファンの攻防が笑えます。哲宗にとっても耐えがたい屈辱的な結婚だったから、ソヨンには冷たい態度をとりますが、ボンファンが入り込んでいるソヨンには好都合でした。

男なのに…..哲宗に引かれていく自分に喝をいれるボンファン「この女がしっかりしろ!」
いつしか哲宗の心の闇を知り、彼を理解するように…….

最初はソヨンを良く思っていなかった哲宗だが…。
徐々にソヨンに惹かれていく過程が自然で愛らしい。

哲宗との熱い夜で妊娠してしまったボンファンですが、でも彼をホヨンと勘違いしてしまった結果だったというのも面白い。

哲宗もまた、ボンファン入りソヨンに心惹かれていく様子がコメディタッチで描かれて….
二人に降りかかる政治的な策略の中で、強くたくましく戦うボンファン入りソヨンと哲宗の姿には胸が熱くなりました。


コメディー・シリアス・ロマンスの3本柱が、どれも力強くバランスが絶妙で最後まで飽きさせない展開でした。
二人の関係を、想いを切実に知らしめるOSTも、ヒップホップあり、バラードありで、楽しまさせて頂きました。

色彩の鮮やかさー朝鮮時代の王と王妃の衣装

ソヨン皇后の衣装も、哲宗の衣装も、背景となる王宮、調度品やその周りも全て、伝統的で鮮やかで煌びやかな美しさであふれていた。

現代的なテンポのあるスカッとしたコメディタッチの展開と、重々しく優美な衣装や背景も楽しませてもらいました。
シン・ヘソンさんは、何着のあの豪華な皇后の衣装を着られたのでしょうか。どの衣装もバッチリ決まり、御髪の髪飾りも豪華で、本当に美しかった。

ソヨンを取り巻く人たち

ファジン……

夢が殿下だった後宮、哲宗が島流しに行く前に出会った初恋の人です。
ソヨンに子供の頃からコンプレックスがあったのに、あの井戸の件で、ソヨンの強さにかなわいと思った。それなのに、助けてくれたのがファジンだと間違って思い込んだ哲宗から離れないと思ったのでしょう。こんなチャンスは二度とないと思ったのかもしれません。でもソヨンが中殿になり、哲宗の気持ちが揺れ動き始めた時に、ダーク化してしまった。しかし、最後は、廃位を決断して去って行く。ソヨンへの劣等感から解放されたのだと思います。「王は死んでいない」という張り紙をしたのも、ソヨンへの色々な思いからでしょうが、2人を助けたいと心から思った行動だったと理解します。ファジンも行動力のある強い女性だったのです。

ソヨン・チェ尚宮・ホンヨン…。
この三人トリオの強い絆と笑いが最高に良かった。チェ尚宮の表情が…目で語るシーンが、ボンファンが入り込もうが、ソヨンを愛する姿に、母を感じてしまった。

チェ尚宮も濃いキャラでしたが、「賢い医師生活2」のヨヌママ、「愛の不時着」の主婦アベンジャーズ、「梨泰院クラス」「ホテルデルーナ」「熱血司祭」と視聴したドラマでも忘れられない印象を残す名脇役さんですね。

水刺間のマンボクも、ユニーク。彼の守る場所である水刺間に勝手に出入りするボンファンを警戒しながらも、その料理テクニックに惚れ、感化されていくさまは、可愛かった。チェ尚宮とはいいコンビでした。

ソヨンを一途に愛するビョンインの気持ちは痛いほどわかりますが、このドラマの中で古臭いタイプの愛を押し付ける男の様に見えて、少々ウザい人物でした。このドラマが今までのパターンならば、彼が王様役の顔だし、イメージだと思ってしまいました。ソヨンに変な男が帰依していることを見抜きましたが、前のソヨンも哲宗を愛していたのですから、彼の恋は、実らなかった。ソヨンの良き理解者でいれば良かったのに。
自分の中のソヨンのイメージを守ることに頑なになっていて、ソヨンの変化に気がつかなかった男です。哲宗は、「どんな中殿であっても受け入れようとした」と比べると、男の大きさがわかります。

哲宗を取り巻く方々……..悪役が、あまり憎たらしくなかった。

このお二人、ただ権力が欲しかっただけの二人で、あともう一人、ファジンを手下にしようと思ったあのご婦人、チョ大妃もよく深いだけの方だった。哲宗とボンファン入りソヨンの執念の方が色濃く描かれたのが印象的でした。

ホン別監、永平君、存在意味があまりよく分かりませんでした。永平君は、哲宗の想い人ファジンを想っていた。それに気がつかない哲宗にもビックリですが、それを利用したファジン、仕方ないのかな….

脇が甘い哲宗、だからボンファン入りのソヨンが、強い味方になったのです。

OSTも素晴らしかった。心惹かれた曲…..

ー『Here I am』 ソヨンが優位の時に流れる曲

ー『Puzzle』この曲も軽快で素敵

ーOSTではないですが、『初雪のように』キム・ジョンヒョンssiの声、素敵です。


最後に………

フュージョン時代劇というジャンルのドラマ、視聴したドラマは、ほとんどそういう時代劇だったと思いますが、この「哲仁王后」は、フュージョン+コメディ+シリアス+ロマンス+豪華さが、際立つ素晴らしい作品だったと思います。とりわけ、主人公お二人の相性がとても良かったのが一番でしょう。シン・ヘソンさんの男らしい演技とキム・ジョンヒョンssiのなんか頼りなげな女っぽい感じの王様の演技が、絶妙なバランスで、融合された結果だと思います。

色々な問題で、賞に結びつかなかった様ですが、こんな素晴らしいドラマの俳優さん達ですから、いつかきっと素敵な賞をドーンといただける日が来るのではないでしょうか。と勝手な期待込めて……………………..💕💕

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