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品位のある彼女

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品位のある彼女 Woman of Dignity 全20話 (2017年 JTBC) ☆☆☆☆

大豪邸に住む財閥一家…….そこでうごめく欲望と渦

そこに財閥のオーナーの介護人として現れる一人の女性。

その女性と財閥家に関わる長男、長男の嫁、息子、次男、次男の嫁、長女、家政婦、次男の浮気相手との物語です。

あの邸宅イ・ミンホさんの相続者の邸宅でししたね。

セレブ妻(次男の嫁)と介護人という真逆な女性二人の数奇な運命を描いたヒューマンコメディというキャッチフレーズ。

セレブ妻➡︎キム・ヒソン

介護人から財閥の後妻になる女➡︎キム・ソナ

以前見た「黄金の帝国」、財閥の賢くて品位のある女と野望を持つ男との物語でした。「マイダス」でも品位あるキム・ヒエさん扮する財閥のオーナーと野望に燃える男との物語でした。どちらにも共通しているのは品位のある賢い女性と野望のある男との対決でしたね。最後はどちらも女性が勝ちましましたが、寂しい結末でした。

この「品位のある彼女」は、対決の構図が、品位ある女性と介護人で、キム・ヒソンさんとキム・ソナさんという二大女優さんがそれを演ずるということで興味がわく構図になっています。

欲望の塊ばかりの人間模様で視聴意欲はダウンしかけました。が、キム・ソナさんの演技に惹かれて「家政婦は見た」というような覗き見感で見終わりました。

脚本がペク・ミギョンさんだったので、興味もあったし。

脚本:ペク・ミギョン「愛するウンドン」「力の強い女ト・ボンスン」

不倫、浮気、整形、お隣の情報は家政婦さんたちから。「ロマンスタウン」面白くなっかったドラマでしたが、あのドラマの設定もセレブが住む住宅地での家政婦さんたちの物語でした。家政婦さんたちのお茶飲み話って怖いな〜って、家政婦さんを教育できるような雇い主でないと家庭の事情が全てバレるという話です。

そんな役柄を演じたキム・ソナさんが面白かった。

彼女は、こんな役柄の方が似合っている。「私の名前はキム・サムスン」でもヒョンビンを振り回すパティシエでした。使用人でしたよね。彼女はなんか綺麗なラブコメではなく、斜めに構えた目線で人を見る、そんな役柄があっているような気がする。

その欲望渦巻く財閥の主はアン・テドン会長。大企業テソンパルプのオーナー。しかし病気で下半身が不自由。

キム・ヒソンさん(ウ・アジン)は、その財閥に嫁いだ元スチュワーデスで、財閥の次男のお嫁さん。聡明で、ファッションセンスも良くて周りから一目置かれている女性です。美貌と財力と完璧な家庭を持っているという女性の憧れの存在ですね。

キム・ソナさん(パク・ボクジャ)は、会長テドンの住み込みの介護人として働くのですが、アジュンマの雰囲気で登場しますが、本当は詐欺の前科もあるしたたかな女。テドン会長の後妻になり、贅沢したいのかと思いきや、彼女が会社を奪い全てを手に入れようtしたのです。

親に捨てられて過去を持ボクジャ、貧乏で何もないボクジャが、テドン会長をあの手この手で手玉に取り後妻になってしまう。

それを面白くない財閥家の家族との戦いを描いているのです。
財閥家の面々は、ただ目を吊り上げてわめく長男の嫁、その母親に頭の上がらない息子、金ばっかりをせびる長男と長女、そして頼りないアジンの夫とどうしようもない人ばかりです。
ストーリーとしてはよくある話です。

そんな人たちは、キム・ソナ演ずるボクジャには立ち向かっても勝てません。

ちょっとヤクザ風でもありますが、純朴なアジュンマで訛りのある言葉で周りを安心させたかと思うと、今度はマシンガンのような口調で脅しにかかる。
身体全身から、野望をふつふつと感じさせるのです。圧巻の演技です。

キム・ソナさんの演技が、非常に不気味で怖いのです。

アジンさんは、苦労して育った過去もありますが、優しい親に育てられたおおらかな性格です。だからボクジャを介護人として雇ってしまったのです。
こういう女に狙われたら、素直な女性はそれを見抜くのは無理ですよ。そんな強面の女をキム・ソナさんが演じました。

そんな女性が1話で殺害される場面からスタートします。

その状況からは家族しか犯人は考えられないということ。犯人は誰か?

殺害した犯人、家族の誰かを探っていくサスペンスでもありましたね。

ボクジャはこの財閥家に入りたがった。ウ・アジンは夫の不倫でこの財閥家を捨てます。

財閥の人間は傲慢で、排他的で自分のことしか考えない集団です。甘やかされて育てられているから、自分中心に世界は回っていると考える人たちです。そんな人間がこのテドン会長の息子や娘や長男の嫁なんですね。その中にあってはアジンは違う人種でした。それをボクジュはとっさに見抜いていましたね。このテドン会長宅の中では、アジンは唯一信用できる人間であるけれど、その行動はしっかり把握しておかないと怖い存在になると。

アジンの夫でテドン会長の次男は、人は良さそうですが、ただのおぼっちゃまです。アジンのような聡明で賢い女性を妻にしたことはでかしたのに、そのあとは遊び心から浮気をします。その相手がまたしたたかな女なんです。ヒステリーで「愛している」という言葉でアジンの夫を振り回し、アジンの後釜を狙い、それがダメなら、法外な慰謝料を取ろうと画策している女です。

アジンは、聡明で美人で財力も人望のある女性なのに、夫がどうしようもない女と浮気して、それが原因で目覚め、自分の力でこれからの人生を生きようとする女性。
そんな女性をボクジャは憧れるんですね。アジンは心優しく思いやりがあり、心理カウンセリングルームにも参加し、自分の考えをはっきり持っている女性です。
セレブ妻たちのあのくだらない会話にも、今ある自分の立場を考えて参加しているような女性のように見えました。頭がいいのですよね。

ボクジャを殺した犯人は長男の息子でした。財閥一家は崩壊していきます。

介護人から、テドン会長の後妻になり、会社を乗っ取り財産を手にしたボクジャは、幸せになると思いきや、ちっとも幸せになりません。アジンにはなれないのです。アジンにはなれないけれど心を入れ替えてテドン会長の元へ戻ろうとした時に、殺されてしまったのです。自業自得かもしれません。彼女はたくさんの恨み、野望を持って生き抜いてきたかもしれませんが、そんな彼女の生き方を疎ましく思ったり、邪魔だと思う人もたくさんいたはずです。

お金を望んだ彼女ですが、そのお金で殺されたわけです。

対照的にアジンは、自分らしい人生をそしてパートナーを見つけました。

財閥一家の崩壊を描くというよりも、アジンとボクジャという対照的な生き方になってしまった女性を描きたかったのでしょう。

どちらも強い女性ですが、心のあり方が違うとこんなに人生は変わってしまう。

なんか奇妙な面白さと怖さがあるドラマでした。

キム・ヒソンさん、このドラマと同様に美人で、心が素直な方のように見えます。

キム・ソナさんは心の隅っこになんかひっかるものを持っている方ですね。だからこのドラマには適役だったのかもしれません。

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