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マイネーム:偽りと復讐 

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マイネーム:偽りと復讐 全8話 (2021年 Netflix)

作品概要

 演出: キム・ジンミン 「人間レッスン」
 脚本: キム・ハダ
 キャスト: ハン・ソヒ / パク・ヒスン / アン・ボヒョン
 制作会社: スタジオサンタクロース

キャスト

ユン・ジウ|オ・ヘジン▶︎ハン・ソヒ
暴力団に入っていると思っていた父親を、目の前で殺された。その復讐の為に、父のいた麻薬組織の構成員として鍛錬し、本名を捨てオ・ヘジンと名乗り、警察に偽装潜入する。

チェ・ムジン▶︎パク・ヒスン
国内最大の麻薬組織トンチョン派のボス。冷酷で無慈悲な男。裏切りは死んでも許さない。ジウの復讐を助けるために、組織内で訓練させる。ジウの父ドンフンは、彼の右腕であり、無二の親友でした。

チョン・ピルト▶︎アン・ボヒョン
オ・ヘジンの同僚、麻薬捜査隊のメンバー。初めはへジンを目の敵にしたが、共に捜査するうちにへジンの心の傷に気がつく。

マイネーム:あらすじ

ユン・ジウの目の前で、ヤクザだと思っていた父親が銃で殺された。
父親のせいで、高校も退学させられ、父親を罵ってはいたが、唯一の味方だった父親が殺された。
父親は麻薬組織、トンチョン派のボス、チェ・ムジンのお気に入りであった。「父を殺した人間は見つけ出して殺す。」ユン・ジウは父親の復讐をするために、トンチョン派に入り戦い方を学ぶのであった。

チェ・ムジンから父親が殺された時に見つけた警察仕様の銃を手渡され、警察の中に父親殺しがいると教えられる。ユン・ジウは、本名を捨て、オ・ヘジンという警察官になりすまし偽装潜入(アンダーカバー)する。
その父親殺しの警察官は誰か?
潜入して捜査する中で、父の死に隠されている秘密を知ることになる。
果たして、父を殺した者は犯人は誰なのか……….

ハン・ソヒさんの鬼気迫るアクションと絶望感のある表情が、圧巻でした….

復讐の為に鬼気迫るハン・ソヒさんの血塗れになって這いずり回るシーンの連続、彼女の凄い演技は圧巻でした。
ハン・ソヒさんの目は、物悲しさを湛えながらもギラギラとした生命力を感じる。獲物を狙うハンターみたいな野生を感じるからかもしれない。

自分の名前を捨てて、未来も捨てて、ただ復讐だけに命を捧げた女の生き様…..そして葛藤….絶望をこれでもかと見せつけられた。

Ep1、組織で構成員同士でのデスマッチのシーン、逞しい男相手に勝てたシーンは、?でしたが、その気迫に迫る演技でなんか納得してしまいました。
キレのあるボクシングシーン❗️や、アクション、演技というよりも相当に訓練されたのだろうし、彼女の身体能力の高さを十分に知らしめるドラマになりました。

ナイフを振り回しながら身を捨てて戦う女、あんなはかなそうなお顔とのギャップ感が、すごい。

そしてふらつきよろめきながらも戦う女、深い傷を身体に負いながらも諦めずに戦う女。全神経と全身で戦う女、最後はふらつき呆然とその場を去る女を、ハン・ソヒさんの演技は、すごかった。

こういうはかないノワールな闇のヒロインでのアクションも出来る女優さんは、初めて見た気がする。ハ・ジウォンさんや、パク・シネさんのアクションは、強く逞しさが前面に出て、女優オーラー全開。女優としての立ち位置の違いからというのはわかりますが、それを超える迫力のある彼女の演技力だったと思っています。

ノワール系ヒューマンドラマだった…..ジウとムジンのドラマでもありました。

ここからの感想は、ネタバレありですので、ご容赦ください。

麻薬組織トンチョン派のボス、残酷で、冷酷で孤独なボスとジウのヒューマンドラマとしてのメッセージを強く感じました。

父親を殺したのは、チェ・ムジンでした。ムジンの巧みな罠と、麻薬捜査課チーム長のチェ・ギホの敵味方を二重に騙す罠とお互いの探り合い、騙し合いの連続で交差しながら、ドラマは進行します。そして、父ドンフンは、警察官で麻薬組織に偽装潜入していたという展開は、なんか納得しました。あんな善人な顔の父親が、ヤクザとは初めから思えなかったから。

チェ・ムジンは、闇の世界でボスとして君臨しているが、「自分は裏切ったことはないが、周りの人間が裏切る」と言う。偽装潜入して、自分を騙したドンフンを、組織のボスとしては殺さなくてはならなかった。が、自分を助けてくれたドンフン、そして友として愛してしまっていたムジンは、その感情にずっと揺れ動いていた。彼の机の上の写真が、それを物語っていました。

ムジンは、親友ドンフンを殺してしまったことに未だに気持ちの整理がついていなかった。誰も理解できないであろう孤独さと悲しみを彼は抱えていた。

ジウも、彼とは違う意味で、感情を捨て、復讐を遂げるその時まで、人には言えない悲しみや怒りを抱えながら、独りで生きるしかなかった。

「弱音を吐ける人が、周りにいなかったようだな。」とジウに言うムジン。
「生きるということは、辛い時に弱音を吐ける人を見つける過程なのかもな。」と思うムジン。

ムジンは、なぜ、ドンフンの娘ジウの面倒を見たのか?

ジウを見て、その悲しさや孤独を感じたこともあるでしょうが、初めは、復讐するターゲットをチャ・ギホと思わせて復讐させることで彼女の深い悲しみを少しでも取り除くことでドンフンを殺してしまった哀しさを紛らわせたかったのか。いえ、もっと冷酷にあの目障りなチャ・ギホを、ジウに殺させたかったのか。

ムジンは、真相がジウに分かって、ジウが自分を殺しにくる事を願っていたようにも思えた。自分が信頼したドンフンを自分が殺し、そのドンフンの娘ジウを戦士に育て、自分と戦う事で、命を預けた。なんか仁義の世界なのか…..
ジウの父の死の真相を知っての絶望的な表情のシーンは、見ていて辛くなった。

ジウを理解するもう一人の男、ピクト

麻薬捜査課の先輩であり、同僚のピクトは、ジウの行動に不信感を感じながらも、彼女の深い悲しみや苦悩を感じ取る。それは彼も過去に妹を殺されてその復讐の為に生きていた時間があったからだ。

そんな二人、Ep8ではジウがピクトに心を許すシーンがある。ラブシーンというより傷を負った者同士の、ひと時の安らぎのシーンのような気がした。ジウの顔に微笑みが宿ったのは、この時だけだった。人間らしい感情をジウが持っていたというのを表すシーンでもあり、彼女も一人の女性だったという印象的なシーンでした。

でも容赦無く過酷な運命が、ジウに襲いかかる。ピクトをムジンが銃で射殺したのだ。
自分に向かうべきジウの「復讐心」の変化をいち早く、ムジンは嗅ぎ取ったのだ。自分に向かわせるのには、ピクトが邪魔だったのです。

ジウの笑顔が見られたシーンは、ピクトが気になってジウを追いかけ、優しく話かけているシーン。ピクトといる時は、きっと人間的な感情が持てたのでしょう。

サイドを固めた俳優陣

ムジンの片腕のチョン・デジュ▶︎イ・ハクジュ、彼も最後まで孤独でしたね。ムジンを信頼しているけれど、二人の関係は腹の探り合いもあった。なんか、ムジンの気持ちが、ドンフンへ、次はジウへと向かうのが許せなかった。自分を愛して欲しかったのか。信頼関係だけはない、何かを求めてしまっていたような気がする。

あの狂気な男、ト・ガンジュ▶︎チャン・リュル、最初はいい人かと思ったけれど、きちがいでしたね。でも頭はキレたらしいので、しっかりムジンを脅かす麻薬組織を作っていた。彼もムジンに捨てられたから、強烈な仕返しをやってのけた。

麻薬捜査のチーム長チャ・ギホ▶︎キム・サンホ、最後まで彼はどんな人間なのかわからなかった。でも生き残りました。運の強い男だった。

父親役のユン・ドンフン▶︎ユン・ギョンホ、どう見てもヤクザには見えなかった。偽装潜入した警察官というのに納得できましたが、彼も娘を一人にしてまでも、こんな仕事したのは何故なのか?わからない。ジウが恨んでも当然ですが、優しかった父だけに、ヤクザなんて許せなかった。

最後に

「マイネーム」とはどういう意味なのか?

自分という存在を示す名前、それを捨ててオ・ヘジンになったユン・ジウ。
ソン・ジュンスという名前を捨てて、ユン・ドンフンになった父。それは、ムジンに関わったために失ったのです。
父親の真実を知り、その復讐をやり遂げたへジンは、再び、マイネームをに戻りました。そういうことではないのか。

人間は餌になるか、捕食する側になるのか….そんなテーマも感じました。

エンディングでは、マイネームに戻り、強く生きていく姿に映りましたが。

規制のない自由な空間のNetflixだからこそ、このノワールな世界が完璧に創れた…というのが最後の感想です。

ハン・ソヒさんへ 

ハン・ソヒさん、「わかっていても 」は、長い感想を書くくらい好きな感じのドラマでした。確かにはっきりしない優柔不断な女性を演じられていましたが、惚れた弱みで、男に翻弄されてしまっていただけ。ソン・ガン君が、相手ですからね、揺れますよ。でも真逆の女性をこんなに迫力あるアクションと共に演じられるとは、ポテンシャルの高さを感じました。どんどんいろいろな役に挑戦していって欲しいです。型にはまらないフレキシブルな女優さんになって欲しい。

「わかっていても 」「マイネーム偽りと復讐」でのラブシーン、どちらも、受け身の女性ではないラブシーンでした。なんかさもなくそういうシーンが演じられるクールさ、なんかあの気怠い寂しそうな表情とのギャップが好きです。可愛いフリしたラブシーンは、もう見飽きたし、うんざりでしたから。

でも、確かにこういう表情は、あのソン・ヘギョさんを彷彿とさせますね。わかりし頃のソン・ヘギョさんですが……..



「海街チャチャチャ」の余韻に浸りながらこのドラマを視聴しましたが、ただのノワールな世界の復讐劇ではなく、人間だから、こんなにも悩み苦しみながら、父を殺した相手への復讐が、ジウを人間としても強く逞しくさせ、なんか人間ドラマだったので、見ていて感動しました。優しいイメージのドラマにも闇があり、闇が深いドラマにも光が見える。どちらのドラマも、人間は、生きる力があるんだと教えてくれました。




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