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ポッサム〜運命を盗む   切なさ満点の史劇でした💕

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ポッサム〜運命を盗む Bossam-Steal the Fate 全20話(2021年 MBN)

初めてのRakuten Vikiで視聴いたしました。KNTVでもやっています。『哲仁王妃』で久しぶりに、時代劇視聴に火がついた感じです。
正統派、切なさ満点の上品な時代劇でした。『イ・サン』『トンイ』のような描かれ方の時代劇だと感じました。
チョン・イルssiは、時代劇5作品目との事ですが、『美賊イルジメ伝』以外は視聴しましたが、『ヘチ王座への道』は途中リタイアしました。リタイアしたのは、シンプルに王に魅力を感じなかったからです。『夜景日誌』も女性ヒロインの魅力がイマイチでした。やはり『太陽を抱く月』のヤン・ミョングン(陽明君)と今作品のバウ役、切ないラブストーリー展開と、愛する女性を守る強い男のイメージにやられてしまった。

ヒロインの翁主、スギョンを演じたクォン・ユリさん、気品と何よりも清楚な雰囲気が、時代劇の王女としての堂々たる風格を醸し出していて、チョン・イルssiとの粗野で孤独な風貌の男とのギャップが、たまらなく素敵でした。時代劇のヒロイン、『イ・サン』『トンイ』の、ハン・ジミンさん、ハン・ヒョジュさんは20代でしたが、ヒロインとして初々しさとあどけなさが、ユリさんと同じように感じました。王様とのギャップ感、そして今でもこのドラマが人気があるのは、ヒロインのそうした雰囲気が好まれるからではないでしょうか。

正統派時代劇の男優さんは、知性と強靭な精神力と、強靭な肉体を持っていなくてはならず、そのヒロインには、賢く慎ましく気品のある女性を演じられる女優さんが必要なんだと感じています。 このドラマを視聴しても強く感じました。そう言う意味でも『哲仁王后』のキャスティングに携わった方々は、すごいな〜と。既存の時代劇イメージを覆して成功させた作品だったと思います。『哲仁王后』の視聴後に、このドラマと言うのは、何ともかな不思議な心境です。

チョン・イルssiの両班スタイルより、ポッサムスタイルの乱れた髪型、荒くれ男の方がとってもセクシーでした。
ワイルドだけれど、温かくて、真っ直ぐな気持ちを持っている男、感情に流されてしまう、ちょっとセンチメンタルな男を魅力的に演じられました。初父親役だったそうですが、息子のチャドルが可愛くて、何よりも二人の親子の愛情が熱いので、ウルウルしてしまいました。

この二人のラブシーンは、せいぜい抱き合うだけ。 でも二人が見つめ合うシーンは、とにかく切なすぎて、胸キュンになってしまいました。ただくっつけばいいというラブシーンよりも数十倍エロティックな情感が醸し出されていました。史劇らしい上品さがあって、素敵でした。何よりもやはりヒロイン、ユリさんの溢れ出るような気品と、凛とした翁主としてのプライドを持って生き抜く強さに、惹かれました。

作品概要

演出:クォン・ソクチャン 『パスタ〜恋ができるまで』『マイ・プリンセス』 
脚本:キム・ジス 『産後ケアセンター』
   パク・チョル 『それでも青い日に』

第15代王・光海君治下の朝鮮時代を背景に、生計のためにポッサム(朝鮮時代、男が寡婦を連れてきて再婚すること)の仕事をしていたバウ(チョン・イル)が、間違って翁主スギョン(側室所生の王女クォン・ユリ)をポッサムして繰り広げられるストーリー

あらすじ……….KNTVより

第15代王・光海君(キム・テウ)の娘、ファイン翁主スギョン(クォン・ユリ)は父の政敵であるイチョム(イ・ジェヨン)の息子と政略結婚するが、夫に先立たれる。婚家からは疎まれ、窮屈な生活を強いられるが、夫の命日に久しぶりに外出できることに。出かけた先で彼女はバウ(チョン・イル)を見かけ、寂しそうな姿が気にかかる。その夜、スギョンは突然頭から布を被され連れ去られてしまう。スギョンを連れ去ったのはバウ。実はバウは寡婦を再婚させるポッサムで生計を立てており、本来連れてくるはずだった女性と間違えてスギョンを誘拐してしまったのだった!

ポッサムー運命を盗む 人物相関図 (KNTVより)

歴史的背景

イ・イチョムは、先王の宣祖を毒殺し、光海君を王位につけた大北派の重臣。大北派は戦争(壬生倭乱・丁酉再乱/文禄・慶長の役)で大きな手柄を立てた側室の子である光海君を推し、小北派は宣祖の正妃が生んだ永昌大君を推す。日本軍の撤退後は、さらに政争が激しくなるが、光海君が政争を制して15代王に即位。 
これにより巨大な権力を手にした大北派は永昌大君を亡き者にし、対立する西人派に謀反の濡れ衣を着せて一掃する。これが1613年の「癸丑獄事」。この時、永昌大君の母、仁穆大妃の父にあたるキム・ジェナムも死罪に追い込まれた。しかしこれが、光海君廃位の名分を与えることとなり、1623年、西人派は綾陽君(後の仁祖)を擁立し、クーデター「仁祖反正」を引き起こすことになる。 光海君は、宮廷を牛耳るイ・イチョムに危機感を募らせ、イ・イチョムの粛清は、多くの政敵を生んだ。バウは癸丑獄事で死罪に追い込まれたキム・ジェナムの孫という架空の人物設定で、イ・イチョムへの復讐心を抱えている男。
光海君の側近には、あの悪女で策士と言われたキム・ゲシ尚宮がいましたが、このドラマにも登場します。
光海君は民政や外交でも成果を残し、外交では日本と和議を結び、清(後金)とも友好関係を保っていたと評価されていますが、このドラマでは、腹心のイ・イチョムが、国王よりも強い権力を持った人物で、光海君は、イチョムとの腹の探り合いで、娘まで政争に巻き込んでしまう哀れな王として描かれていました。
『華政』では、光海君の苦悩が描かれていました。『王になった男』では、暴君ブリが描かれていました。光海君が登場するドラマは、10以上ありますから、激動の人生を歩んだ王なんですね。

※壬生倭乱・丁酉再乱/文禄・慶長の役▶︎ 日本から豊臣秀吉により1592年から2度にわたって攻撃を受けたが、政争に明け暮れる朝廷は何もできなかった。 世子(王位後継者)だった光海君の活躍などでかろうじて持ちこたえた。

生計型ポッサム家バウと翁主・スギョン

ポッサムされたスギョンと、ポッサムしたバウとの出会いは、「人違いの出会い」というにはあまりにも理不尽ですが、一つ屋根の下でバウの可愛い息子チャドルと3人で生活することになったスギョン翁主は、反発しながらも、バウの優しさ、正直なところに心を開いていき、いつの間にか、お互いが大切な存在になっていったのでした。

バウは、ポッサムしたスギョンが翁主だったので、王朝内の政争、陰謀、謀反に巻き込まれていくのです。

スギョンを屋敷に戻せば全て元に戻ると考えていたバウの人生は大きく狂い始めました。スギョンは、ついに崖から身を投げて、この問題に決着つけようとします。そんなスギョンの行動を非難するバウ。そして「自分自身のために生きるように」と言う。

可愛い息子チャドルとバウ、スギョン

バウの息子役チャドルを演じたコ・ドンハ君、カワイイですね。なんかヨ・ジング君の幼い頃を思い出してしまっています。時代劇だからでしょうが。

イ・イチョムと光海君

結構、史実を反映してドラマは進行するので、光海君とイ・インチョムの出番が多かった。でも光海君の廃位に至るまでを描かれているので、仕方がないような気がしました。史劇ですから…….

とにかくイ・イチョム(イ・ジェヨン)は、最悪の重臣。多くの人々を陥れて殺害した人物。光海君を王にした正当性を確かなものにするためにも、障害になる人々を排除し続けたという事のようですが、でも光海君は、朝鮮王として君臨はしていても、実質的な権力者は、イチョムだと思われいることに脅威を感じている。「疑心暗鬼の王」という姿、朝鮮王朝というか、韓国時代劇で、精神的に追い詰められて、疑心暗鬼になってしまい王としての威信をなくしてしまったと描かれた王ばかりですね。そしてイチョムは、自分が牛耳れる違う王を、建てようと反乱を企てている。そんな二人、『敵は己の中にあり』と考える器があったら…..
この二人の確執が、全ての人々を不幸にした。

光海君と翁主・スギョン

光海君(キム・テウ)の真意、本意は最後までわからなかった。キム・ゲジ尚宮に、スギョンを殺させようとしたり、助けたり、王の悲哀なのか。イチョムから変な薬を、頭痛薬として与えられていたから、精神錯乱を起こしているように描かれていたようにも見える。そのくらいに激動の王だった光海君。

翁主・スギョンとイ・テヨブ

イ・テヨブ(シン・ヒョンス)は、イ・イチョムの息子という設定でしたが、最終話で、彼を庇っていた叔母のヘイン堂イ氏の息子で、叔母ヘイン堂イ氏と臨海君の間にできた息子だったのです。イチョムは、それを利用して、彼は反乱を企てていたのです。


スギョンが、義理の姉になり、寡婦となってしまい、ポッサムされても、スギョンを諦めきれずに探し続けた一途な男性でした。全く「哲仁王妃」のナ・イヌ演じたキム・ビョンインと同じ性格の男として描かれていました(・・?)
女性の方から、「好きだ」「どうにかして」と言われた時は、後退りしたくせに、その女性が、他に好きな男性ができたときには執拗に追い回す男。その間にどんどん女は強くたくましく生き抜いているのに、男は、昔の感情に溺れて現実を注視していないのです。そしてこのドラマでもテヨブは、スギョンのために命を落とします。父に殺されてしまう。息子を道具としか思っていない怪物の父に。

バウとの三角関係という構図でしょうが、スギョンの気持ちがバウに動いてしまっていたので、ただの2番手君という存在でしたね、テヨブは。

コメディ担当の方々…..

バウの元嫁、強烈でした。バウの母も、上品さもかけらもない女性になっていましたが、スギョンが翁主だと知ってから、彼女の元嫁の扱い方を見てから、だんだんとスギョンの良さを把握していったところが、微笑ましかった。

バウの片腕チュンベ(イ・ジュニョク)とスギョン翁主の乳母、チョ尚宮(シン・ドンミ)のドタバタコンビも、このドラマを明るくしてくれました。

とにかくこのドラマも面白かったで〜す🎉🎉

でも、海辺でのシーンがエンディングに使われる事が多いような気がします。海は、色を変え、表情を変えて変化していきます。そういう意味が含まれているのかな〜と思いながら………..

これから、史劇が、多く登場するようですが、楽しみです。ただ、背景的な歴史観も気になってしまうので、厄介です。韓国の俳優さんは、皆さん勉強されているのでしょうね………でも光海君の時代のドラマは、面白いから見てしまっている??

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