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模範タクシー ダークヒーローでもいいじゃないですか。

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模範タクシー Tax Driver 全16話(2021年 SBS)KNTV

イ・ジェフン&イ・ソム主演の模範タクシー、見終わりました。悪い奴らを一網打尽にやっつけ、復讐するというダークヒーローものでした。「ヴィンチェンツォ」とかぶるイメージもありましたが、ソン・ジュンギssiのダークヒーローは、マフィアという西洋かぶれしたヒーローで、このイ・ジェフンssi演ずるヒーローは、韓国の社会問題や事件の犠牲者に代わって、復讐するという復讐代行サービスのダークヒーロー!!

あなたの復讐を代行します。ムシゲ運輸・模範タクシー

演出・脚本・相関図

演出:パク・ジュンホ 「ドクター探偵」 
脚本:オ・サンホ/ イ・ジヒョン

模範タクシー相関図 KNTVより

企画意図&あらすじ

“Right is right only when entire” – Victor Hugo

企画意図に、ヴィクトル・ユーゴーの名言が書かれてありました。「全体に正しい場合にのみ正しい」
読んだ時に、ヴィクトル・ユーゴーは、死刑廃止論者で、博愛主義者、「生きている限り、人間は再生できる」と強く訴えていたということを思い出しました。

✔︎犯罪を犯した者が、罪を償う事で被害者は、納得できるのでしょうか。
✔︎犯罪被害にあった人は、深く傷つき、人生が狂ってしまう。
✔︎その元凶である罪人は、殺しても飽きたらないでしょう。
✔︎被害者は苦しみぬいているのに、あるいは苦しんで殺されたのに、なぜぬくぬくと彼らは生きているのか。
✔︎法が解決してくれないならば、自らが私刑したくなります。法に変わって無念を晴らしてくれる私的復讐劇。

Ep1~2 知的障害者奴隷事件 知的障害のある女性を利用したブラック企業

Ep3~4 校内暴力事件 こういう知能犯で、いじめを楽しむ学生は増える一方ですね。

Ep5~9 違法映像流布、暴行事件  

2018年に韓国で報道されたIT企業ヤン・ジンホ会長のパワハラ事件がモチーフになっている様ですが、社員を土下座させたり、平手打ちしたり、その現場を役員に撮影させていたり、社員の髪の毛を赤く染めさせたりなど、当時報じられた内容そのままだった様です。
ムシゲ運輸のアン・ゴウンの姉は、違法に撮影された動画の被害者だったのです。

Ep10 オレオレ振込詐欺事件

イ・ジェフンssiの変装姿もド派手でしたが、オレオレ詐欺団のボスの女性を落とし方は、Fall in Love作戦でしたが、こういう女優さんもいらっしゃるのだと。

Ep11~14 遺体なき殺人事件・違法臓器売買事件

ついに核心に迫ってきました。ムシゲ運輸代表ソンチョルの片腕と思われたペク・ソンミは、復讐代行で拉致された加害者達を地下室に閉じ込めていましたが、その加害者の臓器を摘出し、違法に売買して多額の利益を得ていたのです。その遺体を薬品で処理するという残酷な計画を彼女は行っていたのです。
狂気の欲望で支配された女で、過去にお金持ちの会長と結婚し、その会長も殺していたのです。

Ep15~16 オ・チョルヨンの告白

連続殺人犯オ・チョルヨンから届いた殺人日記、カン・ハナ検事とソンチョン代表は、ドギの母を殺害した犯人が、オ・チョルヨンだったという真相を知らされます。
殺人犯の告白で、冤罪で20年も服役した男が、ギドに復讐代行を依頼しますが、それは、意外な結末でした。殺人犯オ・チョルヨンの息子は、刑務官の男だったのです。その事実を伝えた事で、チョルヨンはの息の根は止まりました。彼は成長した息子への愛情が、生きる糧だったのです。(あんなに暴行した刑務官が息子だったなんて、それで入院していた認知症の母も、息子を探し階段から転落死したなんて)

キャストの感想

ドライバー/キム・ドギ➡︎イ・ジェフン


陸軍の特殊部隊出身、生まれつきの直感力と冷静な判断力の持ち主で、飛び抜けたフィジカルで、バッタバッタと敵を倒す男。Ep10まではいろいろな変装とコミカルさを演出していました。

「ファッション王」「秘密の扉」「シグナル」「輝く星のターミナル」「ストーブリーグ」「ムーブ・トゥ・ヘブン」とイ・ジェフンssiは、進化され続けていられます。個人的に、気になり出したのは「輝く星のターミナル」からでしょうか。寡黙だけれど、熱くて潔い男というイメージです。今回もそういう役柄でしたね。お鼻がピーんと高くて、そのエッジがすごく気になります。

代表で、犯罪被害者支援センター「青い鳥財団」の代表チャン・ソンチョル➡︎キム・ウィソン 


両親をオ・ヨンチョルに殺害され、その後の警察や検察への不信感を募らせ、被害者をサポートする財団を作り、裏では復讐代行サービスを請け負うムシゲ運輸を始めた男。
善良さと悪を同時にイメージさせる男にぴったりの不気味なキム・ウィソンさん。

経理部社員アン・ゴウン➡︎ピョ・イェジン 


コンピューターハッキングの技術力でムシゲ運輸のメンバーを支える。姉が、違法映像流布の被害者で、その姉を助けられず、深い悲しみと葛藤を抱えていたが、ムシゲ運輸の社長に誘われて復讐代行サービスに参加したのです。
「VIP」では、イ・サンユンさんの不倫相手、「キム秘書はいったいなぜ?」では秘書役でした。何を考えて生きているのかよくわからない女の子という雰囲気。

整備のエンジニア/チェ・ギョング➡︎チャン・ヒョクジン&パク・ジンオン➡︎ペ・ユラム

復讐代行サービス・ムシゲ運輸のメンバーは、全て悲惨な事件の被害者でした。この5人の円滑なチームワークが、このドラマを盛り上げましたね。足でまといなメンバーがいないというのは、イライラしなくて済むのでグッドです。

ソウル北部検察庁検事カン・ハナ➡︎イ・ソム


情熱が溢れて粘り強い捜査力で、次長検事にも抜擢される。彼女の考える正義のために戦う熱血検事。
しかし、ムシゲ運輸のギドや代表との出会いで、警察・検察ができない事を痛快に解決するメンバーの姿を見て、彼女は、公権力と被害者の私的復讐で混乱してしまう、人間らしい感情を持った検事でした。

「この恋は初めてだから」「第3の魅力」で、サバサバした小気味の良い女性を、演じたイ・ソムさん、今回もブルトーザーみたいに強力で突っ走る女性検事がお似合いでした。スラッとした風貌とジクジクしていない感じが好きです。気になる女優さんの一人ですね。

地下金融界のゴットマザーペク・ソンミ➡︎チャ・ジヨン


迫力のある女王蜂でした。ミュージカル女優さんだそうですね。手下の双子兄弟イ・ホチョルさんが一人二役やられていたそうですが、怖かった。無期懲役でよかった。

全体の感想〜ダークヒーロードラマはなぜ受けるのか

Ep10までは、毎回サイダーな展開でした。アクションあり、コメディタッチのシーンもあり、スッキリ爽やかに復讐劇が進行していきましたが、Ep11からは、脚本家が変わり、復讐劇に重みを置くのではなく、企画意図が、前面に出てきた感じがしました。

法や正義の限界
被害者側が納得できない処罰によって更なる苦しみが被害者を襲う

だから、法で裁けない悪に対して、犯罪者に対して制裁を下す、「復讐代行サービス」ムジゲ運輸と、タクシー運転手キム・ドギとその仲間達が、被害者側の苦しみ、無念さを晴らそうとしたドラマでした。
ドラマでは、実際に起きた事件をモチーフにして描かれているそうです。

復讐代行サービスへの依頼は、ゲームアプリで選択させる……

あなたは復讐しますか……..

OKを選ぶ時の、被害者たちの気持ちが伝わってくる演出にジーンときました。

そしてEpの終わりには、メッセージが流れます。

最後に、相手を壊すだけじゃ復讐は完成しない。どんな時も自分の人生をちゃんと歩んでこそ、復讐は完成する…とソンチョル代表はいうけれど、復讐したい被害者は、切羽詰まっているからそこまでの考えは及ばないでしょう…と思ってしまった。

ハナ検事:100人の犯罪者を逃しても、1人の罪のない人を罰してはならない。100人の犠牲者を、あなたは守った。自分を犠牲にして。
ギド:検察官が犯罪者を見逃すんですか。責任はとります。
ハナ検事:その犠牲者達をあなたが守ってくれてありがとう….とギドに告げるが、法を裁く側は、犠牲者よりにもなれないでしょうが。でも人間味あふれるハナ検事だから、こういう判断になってしまうのでしょう。

あのオ・チョルヨン連続殺人犯、サイコパスが、こんなにも脆く崩れるとは….でもサイコパスな男でも家族に対する愛情は異常なくらい濃い様なドラマが多かった様な気がするので、こう納めても仕方ないのかと。

シーズン2もありそうな雰囲気ですが、「法と正義の限界」犠牲者の無念さ、残された家族のどうしようもない無念さは、決して落ち着くところに落ち着くとは思えない。

Ep10までのサイダーアクション的な流れとブラックコメディー的な雰囲気から、Ep11からは、ガラッと考えさせられるドラマになりました。どちらが好きかというよりも、「復讐は、復讐を生む」という教訓を、どの様に表現するかの違いでしょうけれども、「ヴィンチェンツォ」でも最終章は、考えさせられる言葉で閉じていました。

復讐という負のサークルですが、ドラマになると、どんどん幅広く大きな解釈に広がっていきます。時代とともに変化する「復讐」という負のサークルを扱うドラマは、今後も躍進続けるのでしょう。

最後に、このドラマを見ながら、現実的に葛藤を感じているこの事故について、ちょっとだけ……..

東池袋自動車暴走死傷事故の奥様と娘を、交通事故で失った遺族の夫の「人と争い続ける私というのは、二人が愛してくれた私ではないから」という言葉に、胸が痛くなりました。裁判までの2年以上の時間を苦悩と葛藤の中で生きて、加害者からの謝罪を求めたのに、それにもなんら対応しない加害者。高齢者ドライバーとか上級公務員という問題よりも、一人の人間としてこういう加害者が、存在するということに、法とは裁判は、なんの力になるのかと。

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