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病院船 〜人生の計画表に恋愛を加えるならば、それはクァク医師です

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病院船  Hospital Ship 全20話(2017年 MBC) ☆☆☆☆

全編、飽きることなく視聴できました。ドラマにはまるというよりも
医師とは?
医療とは?
医学とは?なんてことを考えながら視聴しました。

脚本: ユン・ソンジェ 「ファン・ジニ」「秘密の門」「大王世宗」
演出:パク・チェボム 「グットドクター」

ハ・ジウォン(ソン・ウンジェ役) ストイックで完全主義の敏腕外科医

カン・ミンヒョク CNBLUE(クァク・ヒョン役) 心の温かい思いやりのある内科医

イ・ソウォン(キム・ジェゴル役) 軍医で漢方医
キム・インシク(チャ・ジュニョン役) 軍医で歯科医
ミナ(ユ・アリム役)病院船の看護師
キム・グアンギュ(チュ・ウォンゴン役)病院船の事務長
チョン・ギョンスン(ピョ・ゴウン役)病院船のベテラン看護師

チャ・ファヨン(オ・ヘジョン役)ウンジェの母親
チョン・インギ(クァク・ソン役)ヒョクの父親 国境なき医師団でアフリカで人を助ける
パク・ジュングム(ハン・ヒスク役)ジェゴルの母親

企画はハン・ソヒ、「奇皇后」の演出をやられた方、脚本はユン・ソンジェ「ファン・ジニ」と2年ぶりのドラマ出演のハ・ジウォンさんをメインに企画されたドラマですね。
若手の俳優さんを相手役に据え、風光明媚な巨済島での撮影、「海に浮かぶ病院」での若き医師たちの成長とロマンスを描いたドラマです。

メディカルドラマというカテゴリーの中で、過疎地のインフラが整っていない島への医療サービスを提供する病院船という設定は、異色でした。「Dr.コトー診療所」が思い出されました。島の病院のドラマでした。コトー先生の人間味あふれるキャラクターが素敵でした。「病院船」のヒョク医師もそういう先生でした。

そこへ、完璧主義者で医学を信ずる外科医ウンジェが、赴任してきます。


簡単なあらすじ

次期外科科長を期待されるウンジェ(ハ・ジウォン)は、ソウルの有名総合病院のエース外科医。天才的な手術の腕前ではあるが、クールすぎる性格で、故郷の母親とも長年の確執を抱えていた。一方、内科医のヒョン(カン・ミンヒョク)は医療インフラの整っていない島の人々を助けるため、皆が敬遠する病院船への勤務に志願する。病院船には亡き兄へのコンプレックスに悩む軍医のジェゴル(イ・ソウォン)やムードメーカーの歯科医ジュニョン(キム・インシク)など個性あふれる医師が集まっていた。そんな中、外科手術が必要な患者が発生するが、病院船には外科医のドクターがいなかった。そこにある事件をきっかけに病院船での勤務を決意したウンジェが赴任してくる。


ハジォンssiは、「奇皇后」「チュオクの剣」のような時代劇の方が安心してみていられる女優さんだと思っています。「シークレットガーデン」もああいう堅物な役柄でしたけれど、ヒョンビンさんとのケミが良かったからヒットしたのではないかと思っています。このドラマでのラブシーンもありましたが、やはりどうも。。。。でした。
個人的には、韓ドラでの永遠のお嬢様で女王のような女優さんのお一人だと感じます。だからラブシーンも女王さまに膝まづく家来のようでなんかしっくりきません。

でもこの「病院船」での天才外科医役は、結構はまっていたと思います。頑固で一途で真面目な役どころですから。
医師とは。。。
医療とは。。。。
患者さんに一番の薬は、心の安心感を与えて治療することだと悟っていく過程が、違和感なく丁寧に描かれていました。
ヒョン医師が、彼女を導く王子様でした。

過疎地をめぐる病院船という設定上、どうしても若者はいなくて、老人と子供と残された家族という人との交流がメインになるのですが、そのひとたちとの心理描写をもっと丁寧に描けばよかったのではと思っています。
エピソードが盛りだくさんなのに、それがどうも繋がらない。内容が飛びすぎてしまっている。
ウンジェの父と弟、ジェゴルの母、ヒョンの父クァク・ソン、ヒョンの母と妹、ヒョンの恩師で詩人のソル・ジェチャン、ウンジェの恩師キム・ドフン、どうなってしまったのでしょうか? それに元カノも?

ヒョン医師の父は戦乱のアフガンで国境なき医師団で働いたが、今はアルツハイマーになってしまっている。医療をお金儲けの手段と考えていた母親や、わがままな妹を抱えている。中盤で家族で理解し合えたような場面もありましたが、その後はどうなったのか?

ウンジェ医師の母親は、ウンジェに迷惑ばかりかけている。その母の病を医師のくせに気がつけず、母親を亡くしてしまう。父親は家庭を守るために詐欺師に成り下がってしまっていた。ウンジェは未だに給料の半分を返済にあてなければいけないような状態。そんな家族を抱えるウンジェ医師とヒョン医師。

ジェゴル医師は、巨済第一病院の息子で、院長もウンジェ医師に一目を置き、嫁にしたいと思いました。ジェゴルも好きになりますが、なんかこれももどかしい設定でした。
ウンジェ医師の医師として尊敬する気持ちの方が、ジェゴルには強かったように思えます。なんかちっともヒョンの恋敵にもならなかったし。。。

ヒョン恩師の詩人のソル・ジェチャンはヒョクとウンジェのロマンスに一役買いましたが、手術は受けないで静かに生を全うする選択しました。
ヒョン医師は、死は医師にとっては失敗だと思っています。でもソル詩人は、死は人生にとっては失敗ではない。誰にだって死は訪れるのだから。死は人生の結論だからと。彼は今の選択がこの結論がいいと言いました。

こんな素敵なソルさんのその後もわかりません。ヒョンにはかけがえのない人なのに。。

(余談ですが、「シークレットガーデン」で共演された方が多数出ていらっしゃるのにびっくりでした。)
エピソードに引っ張り出してきていて、しり切れとんぼで消えてしまうキャラクター設定はお粗末に思えました。
たくさんのエピソードのあらすじを追うだけのドラマになってしまっているから、せっかくのウンジェとヒョンとのロマンスも、付け足しのように見えてしまう。残念なドラマの流れです。

今回初めて、カン・ミンヒョクさん拝見しましたけれど、笑顔の素敵な男優さんで、いいな〜と思っています。
ハ・ジウォンさんのお相手役を、素敵に勤め上げられたと思っていますよ。弟と言ってもいいような年の差ですから、その中でこれだけの存在感出せれば、いいのではないかな。大女優を前にして、役柄といえども彼女を支える医師役なんて。。。

彼女を支える若き心の温かい医師役をミンヒョクさんは好演していたと思います。ジウォンssiと共演する男優さんはみんな年下でしたね。
ミンヒョクッさんのあの笑った時の目と口元が爽やかです。それに癒されてしまいました。
ミンヒョクssiの役割はしっかりやり終えたと思います。ジウォンssiを支える役柄なんですから。

ヒョンビンssi、ジヌクssiとは4歳差、イ・スンギssi、チ・チャンウクssiとは9歳差、ミンヒョクssiとは13歳差ワオーです。

ヒョンの元カノ役のワン・ジウォンさん。「運命のように君を愛す」でもわがままな元カノ役でした。そしてなんか同じようなキャラクター設定に、手抜きすぎと思ってしまいます。ニューヨークへ留学も同じだったような。。。
わがままで自分勝手、自分から言いよれば男は振り向くと思っているような自己中女性。。
そのエピソードも、なんかプッツンと途切れたように終わってしまいました。このドラマに必要なキャラクターだったのでしょうか?

ウンジェ医師の口から「人生の計画表に恋愛を加えるならば、それはクァク医師です」ということがを引き出せたのがこの元カノの役割でした。
急性骨髄性白血病だなんて嘘をついてヒョンを騙し、自分の方へ興味を引こうとしましたが、これもなんか中途半端でした。だってヒョンは医師としてしか彼女を見ていなかったから、なんか彼女だけ騒いだエピソードでなんかいらなかった。ウンジェの本心をあぶり出すためだけの存在だったなんてかわいそうにも思えました。

頑固な女医さんのドラマで、すごく感動した「愛の選択〜産婦人科女医」を思い出しました。同じように年下の背年医師と人生を歩もうとしました。なんかそっくりです。

その頑固で完璧主義者の外科医ウンジェは、冷静な目でヒョン医師を観察します。母親を診察した時のカルテを見て彼の誠実さを知ります。医療現場での彼の分け隔てのない温かい診療を見続けている中で、ウンジェの心も変化していきます。
彼女の人生の中で、ヒョンは大事なかけがえのない男性と変化していく過程を彼女ははっきりと、同僚のジェゴル医師にも元カノにも伝えます。うじうじせずにはっきりとした態度の彼女は素敵でした。

ヒョンは、「彼女の前と僕の前には壁があるのではない、扉があるだけだ」というようなセリフがありましたが、その扉をウンジェが開けて心を開いてくれるのをじっくり待つ男でした。後半はヒョンとウンジェのロマンスに関しては、ヒョンの辛抱強さと、ウンジェの頑固さとの戦いでしたね。

ただ、わかっていても頑固さが災いしてなかなか素直になれないウンジェを演じたジウォンssiは適役かもしれません。お身体も、とても大きくなられたような気がします。トレーニングされているのがはっきりわかりますね。

最後は、巨済の大病院でも経営難問題も出てきました。
ウンジェが、左足の骨肉腫にもなる最後のエピソードにも驚かない。ここまでこれでもかこれでもかとエピソードの乱立にはお疲れ様と言いたい気分です。

いったい、「病院船」をどこに向かわせたいのかよくわからなかった。

これが一番のポイント。

だから感動する気持ちも分散してしまったような気がしました。そういう意味では残念な感じのドラマでした。

40〜50話位のホームドラマにしてそれぞれのエピソードをじっくり描かないとこの内容の豊富さでは無理です。

でもジウォンssiの安定した演技力で、スピード感と緊迫感は常にあったメディカルドラマでした。

最終章。。。

ウンジェ、「Love is everything」とヒョンとの愛を大事にする姿が描かれます。
でもウンジェの愛は、やはり頑なで頑固でした。ヒョンを優しく包んであげたい。。。そういう愛がウンジェの愛でした。でもウンジェが骨肉腫とわかった時に、ヒョンの前から消えようとする愛。。ヒョンに迷惑をかけたくない、重荷になりたくないという彼女の気持ち。そういう愛の形ってやっぱり自分本意なんですよね。まだまだヒョンとは同僚の域を超えていない同志の愛です。

人に迷惑をかけない、人を頼らないで、自分の力で生きてきたウンジェ。病院の患者さんたちの病魔と戦う姿をずっと医師として観てきたウンジェ。最後は自分の決心だと考えてきた医師としてのウンジェ。

でも人は一人では生きられない。

ヒョンは「君の隣が僕の居場所」だから頑張って病気に二人で立ち向かおうと説得します。
こんな素敵なパートナーを逃してはいけませんよウンジェさん。。

ウンジェは一人で頑なにストイックに病気と闘っていました。ヒョンの愛にその頑なさは解けたのでしょうか。

病院船の患者さんたちの頑張れコールにも心が動かされたウンジェ。

でもウンジェの父と弟、ジェゴルの母、ヒョンの父クァク・ソン、ヒョンの母と妹、ヒョンの恩師で詩人のソル・ジェチャン、ウンジェの恩師キム・ドフン、ウンジェがこんな状態なのに、どうしたの?

医師たちの人間的に成長する流れは感じました。

「科学の力で無理な状態。だから人間の力で」と言ってヒョン医師が、自分の体温で乳児を温めるシーン、ヒョンの温かい医師としての姿が描かれました。設備整っていない医療現場での医師の判断、「人間の愛」。。

ヒューマンドラマというシーンでした。

ヒューマンドラマって最後はやっぱり色々な愛の大きさを感じるのだと思います。

ウンジェとヒョンの人間的な繋がり、病院船で働く医師や看護師との繋がり、肉親との繋がり葛藤。。。。

このドラマだけの問題ではなく、医療ドラマってやっぱり最後は「人間の生死」「人間愛」を描かなくてはいけないと思うから、ポイントを絞らないとドラマが散漫になってしまうのかもしれません。

個人的には、カン・ミンヒョクssiが演じられたヒョン医師の「人の愛」の温かさを感じました。とても素敵なドラマだったと思っています。
ジウォンssiも適役だったし、メディカルドラマとしては、女性医師部門、第2位ですね。やっぱり1位は「愛の選択〜産婦人科女医」です。

最後にウンジェとヒョンのシーンを。。。

 

 

 

 

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