シークレットガーデン Secret Garden 全20話(2010年 SBS)
人生には魔法のような時が来る。その時までがんばった人は、自分の人生を魔法で変えることができるようです。(キム・ウンスク)
典型的なシンデレラストーリーにファンタジー要素が絡み合った物語。
キャスト・脚本・演出・音楽・映像が全てが統合されていて感無量という感想です。
もちろん、ヒョンビン落ちは間違いありませんが、この物語に魅了されました。
韓国ではものすごく評判の良かったドラマで日本で視聴できるのを楽しみにしていたのを思い出しています。
17話までの集中した感激が、突然ダウンした残りの3話。
俳優さん、スタッフの方々の疲労度のために残り3話が不出来だったとキム・ウンソク氏は語られていましたが、17話で終わってもおかしくないストーリー展開だと思う私です。その方が、このドラマ中毒になっていたと思います。
このドラマは魂が入れ替わることによって、お互いを知り合う、お互いの人格を理解しあっていきます。自分の中で入れ替わる「キャラ」を感じて、基の自分自身をより深く知らされてしまうというすごいシナリオになっています。恐るべし「キム・ウンスク氏」
魂が入れ替わるというおとぎ話の世界でもありましたが、夢の中に浸れた時間でした。
素敵な言葉でエンディングでした。
今でも私たちは結婚式の写真は1枚もない。
でも私たちは毎日毎日愛し、愛されながら
魔法みたいな日常を生きている。愛するということはもしかしたら庭園を作るのと同じなのかもしれない。
皆さんの庭園にもきれいな花が咲きますように。
さわやかな風が吹きますように。
きらめく太陽の光が照らしますように。そして時々、魔法のような雨が降りますように。
あらすじ。。
キム・ジュウォン(ヒョンビン)はロエルデパートのCEOで母方の一族が大財閥という御曹司。ハンサムでアメリカの1流大学を卒業し、広大な邸宅に住んでいるセレブ。社員からはちょっと変わり者と思われている。週にたった2回しか出勤せず、エレベーターではなくわざわざエスカレーターで出勤することから、従業員たちからはしばしば白い目でみられているが、経営判断は鋭敏。一見したところ、付け入る隙は全くない。従兄のオスカー(ユン・サンヒョン)はプレイボーイの韓流スター。ユン・スル(キム・サラン)はジュウォンの見合い相手だが、オスカーと昔恋人関係だったことがあった。キル・ライム(ハ・ジウォン)はスタントウーマン。アクションスクールの監督イム・ジョンス(イ・フィリップ)を尊敬していて、オスカーのファンでもある。ある日、ジュウォンは、オスカーに自分のデパートのイメージキャラクター契約を結ばせるために、その交換条件として彼がトラブルを抱えている女優と交渉すべく撮影現場を訪れるが、スタントの女性を、その女優だと勘違いしてしまう。間違えられたスタントウーマンのキル・ライムは、オスカーのファンで、たまたま撮影で一度共演したことがあったため、勘違いに気付かないジュウォンはライムとオスカーの仲を誤解する。ライムに対して失礼な発言を連発し、2人の出会いは最悪に近い形で始まる。しかし、ジュウォンはなぜかライムのことが片時も頭から離れず、いつしか彼女の姿を追うようになっていくのだった。ある日済州島で行動を共にすることになったジュウォンとライム。道に迷ったライムを探しに行き、二人は怪しげな食堂に辿り着く。ソウルに帰り、食堂のおばさんにもらったお酒を飲んだ二人は、翌朝、二人の魂が入れ替わるという驚愕の事態に直面する…。
ヒョンビン(キム・ジュウォン:デパート社長)
ハ・ジウォン(キル・ライム:スタントウーマン)
ユン・サンヒョン(オスカー:韓流スター)
キム・サラン(ユン・スル:CF監督)
イ・フィリップ(イム・ジョンス:武術監督)
ジュウォン
「あの女に落ちない自信。何でもない女だから、何でもない自信があったんだよ。
でも、何で計画通りにいかないんだろ?」(11話)
「あたり前だろ。僕はたった今貧しいスタントウーマンにキスしたから。
もし周りにうちのデパートの株を持っている人がいたら、早く売るように言え。
そのデパートの社長が女におぼれて
一世一代のM&Aを台無しにするところだから」(14話)
「キル・ライムに逢えなくさせられるわけにはいかないじゃないか。
だから次善を選んだんだよ。」(17話)
一目ぼれをしたライムに、美貌・財力・権力で当たっても相手にされない。
偏執的で、神経質で、頭脳明晰、潔癖性で、ストレートな不躾な言動、経営者として学んだ合理性を武器にして他の人たちを威圧する嫌な奴。
人との付き合い方を上から目線でしかできない嫌味な男。
これはイタリアの職人が一針一針丹精込めて仕立てた服と誇らしげに言うジュウォン。ブルーのスパンコールタイプや、ヒョウ柄タイプなどのジャージ、どれも“分かる人にしか分からない”品々ばかり。そんな態度でライムに迫っても、彼女には無礼な傲慢な男にしか映らない。
でもジュウォンはわかっているのです。そういう態度でしか愛情表現できない不器用な自分を。
でもこういう御曹司は、愛する人を決めると決断と判断が速い。
回りを意識しないというのは、こういうときに役立つキャラです。
自分に自信のある特権階級的な環境と育ちがなさせる技。
潔い感じがするドラマの進行具合です。
悩みながらも、「次善」を選択する判断力。
言っておくけどあんたには最初で最後に書く、
社会的リーダーのキム・ジュウォンの手紙を受け取る唯一の隣人だ。
だから誇りに思ってもいい。
風が枝をはげしく揺らす午後だ。
あんたがこの手紙を観る時も風で枝が揺れている
こんな午後だったらいいな。
僕が立っていた窓際に、あんたが立って
僕が横たわっていたベッドに、あんたが横たわって、
僕が読んでいた本を、あんたが読むなら・・・
今になって僕は僕たちがかかったこの魔法が、
神様の贈り物だったんじゃないかと思う。
だから思いがけず贈り物を受け取った人のように幸せに笑ってくれ。
心の中で笑えば、その笑い声を僕が聞くよ。
僕はあんたが考えているよりずっと能力のある人間だから。
僕の顔のひげそりをして、
僕が好きな格好いい服も着させてくれ。
それで僕たちは一緒にいるってことにしよう。
それで僕たちは・・・
他の恋人たちのように幸せだったていうことにしよう。17
どんなやつも愛さないで、一生僕だけを想いながら一人で生きろ。
オスカーとも仲良くなりすぎるな。近親相姦になるからな。
僕の人生で一番自分勝手な選択になるだろうけれど、
社会的リーダーの選択だから、尊重してくれ。
いつも素敵なキル・ライム。
これからもずっと素敵でいろよ。
お前にたまらなく逢いたい。
愛している。
愛している。
ライム
すごくいい女なんだよ。
この女は、カーレーサーみたいに車を走らせて、スリやセクハラを見ると全く知らない誰かのために拳をあげるんだ。
お金もなく、全身は傷だらけのくせに、僕たちみたいなやつとは1分1秒も一緒にいるのがいやだって・・・そう言う女なんだ。
僕はこんなに格好いい女見たことがない。これが僕の答えだ。(14話)ジュウォン
今になってやっと気付いた。
彼がどれだけ美しい人なのか。
だから私にとってどれだけ遠い人なのか・・・
彼はいつか消えていなくなってしまうだろう。
とても美しい人々がよくそうするように。(13話)ライム
おまえの日常はひとつも変わらないのに、
シンプルだった僕の日常はめちゃくちゃだよ!
僕はそれがすごく悔しくて、腹が立つ!
だから、これからは何でもしようと思っている。
人に家の前で誰かを何時間も待っているこんな馬鹿なこととか。
あんたは人魚姫になるつもりはこれっぽちもないじゃないか。
だから僕が人魚姫になる。
僕があんたの人魚姫になるって言ってるんだよ。
あんたの横からいなくなって、泡のように消えてあげる。
だから僕は今、あんたに堂々とすがりつくんだよ(11話)ジュウォン
感情を表に出さないけれど、ジュウォンの前では出せない?感じでしたが、瞳は嘘はついていませんでしたね。
健気で、真面目で、芯のある強い女性、軸のある健康なライム。
ハ・ジウォンさんは素敵でした。
強い女性を演じると光りますね。
魂が入れ替わるとジュウォンを憎たらしく傲慢にそっくりになり、その時は口数が多くなりましたね。
オスカー
ユン・サンヒョンさんのダンスシーン笑えました。
女にだらしない男という、ジュウォンと正反対の男の役でしたが、でも心はまっすぐでキレイでした。
ジュウォンの相談相手として、ジュウォンの気持ちを一番理解していた男でした。
良き理解者、協力者。
このバカ!!どうしたらこんなことができるんだ?
どうして、どうしてこんなことをするんだよ、このバカ!!
お前にとって大事なのはこの女しかいないのか?
家族も必要ないのか?
靴を一足よこせばそれで終わりか?
お前、雨が降れば入れ替わると言っただろ?
でもな、いつかはまた雨が降るんだよ。
そしたら俺はどんな選択をしなきゃならないんだ?
お前の選択を尊重して、雨が降るたびライムさんを閉じ込めるのか?
そうすればいいと思っているのか? 俺が?
でもどうする? 俺はそんなことできない。
お前がいくら恨んだとしても、俺はその愛を守ってあげられない!
お前が泣きわめいて狂ったとしても、
俺はそんな弟であってもお前を見ながら暮らしていくから!
3話の腹筋シーン
車・衣装・家・庭・本棚・美術・音楽
キム・ウンスク氏、「私のロマンチックコメディには、多くの財閥が登場したが、「車」「衣装」だけではなく、彼らの虚栄心の表れかもしれないが本を読んだり美術を鑑賞したりする一面を出したかった」と語られていますが、このドラマの影の主役は、「車・衣装・家・庭・本棚・美術・音楽」だと感じます。ジュウォンとライムの歩いた庭の景色の映像は忘れらない。
ファンタジックで物悲しい内容、ドラマの仕上がりを左右する音楽、蘇る場面は全て音楽とシンクロします。